2008年03月02日
1.電極について
LEDは「Light Emit Diode」の略称です。
つまりダイオードの一種なわけです。
なのでダイオードと電極の呼びは一緒になります。
順方向に電流を流すためにはアノード(陽極)からカソード(陰極)へと電流を
流すことになります。
一般的に砲弾型と呼ばれる先が丸くなった円柱の形をしたものは接続する電極には
長さが違っていて長い方が「アノード」になります。
2.光度について
LEDの明るさの指標には「カンデラ(cd)」が用いられます。
1cdは「ろうそく1本分の明るさ」という定義らしいです。
(キャンドルからカンデラという単位になったらしいです)
LEDが出てきた当初はこれだけの光量を発生させることができなかったので1/1000
を示す「ミリ(m)」をつけてミリカンデラ(mcd)の表記でした。
その表記は現在も続いているので1000mcdとかの表記になっています。
3.色について
基本的にLEDは単色でしか発光できません。
(厳密にはその中心波長から若干幅のあるスペクトルを持ちます)
なので「赤」「青」「緑」などのLEDがあります。
(他には「橙色」「黄色」などもありますが、上記LEDの派生型となります)
白色は人間の視覚で認知できる波長の色が混じることによって認識できる色
なので「赤」「青」「緑」の発生するLEDを使って「白」を作ることになります。
実際「フルカラーLED」と称して販売しているLEDなんかもあります。
(それぞれ単体のLEDとして点灯することができるのでそれぞれの光量をコントロール
して各色を作り出します)
ただ、これだと3つのチップ(LEDの発光部そのもの)を載せることになりますし、
某社の特許(笑)も絡むので現在販売されている白色LEDはこの構成で白色を作って
いません。
代表的なのが「青LEDを基本に黄色のフィルタを介して発光させる」という形式です。
これで発光した光は一応「白色」に見えます。
LEDの順方向電圧は青色LEDのままなので取扱は青色と同じにできます。
ただ、「赤色成分」が少ないのでテールランプ等で赤色フィルタを介して点灯させた
ときに見かけより暗く見えます。
(赤色テールには赤色LEDを使うのがいいというのはこれを根拠にしています)
Posted at 2008/03/02 16:43:52 | |
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2008年03月01日
車の電装品としてLEDを使うことが多くなったのでデータシートを読むためのキモをここに...
まず、必要な情報は「順方向電流」と「順方向電圧」です。
英語では「DC Forward Current」と「DC Forward Voltage」になります。
(英語表記を追加したのは高輝度LEDは海外製が多いので...)
また、これらに追加で「絶対最大定格」(Absolute Maximum Rating)です。
1.順方向電流
LEDに順方向(アノードからカソードに電流が流れる方向)に流す電流のことです。
これは大抵絶対最大定格の部分に書かれていますが、この数値までこのLEDに流すこと
ができる電流値になります。
これを超えるとLEDは壊れます。
(絶対最大定格はこれを超えるとLEDが壊れるという限界の数値が書いてあります。どんな条件下でもこれを超えないように設計することになります)
2.順方向電圧
LEDに順方向電流を流したときにLEDの端子間に発生する電圧のことです。
この電圧値を使って電流値の設計を行います。
設計の手順
車載する電装だと供給される電圧は約14Vなのでこれを基にして...
LEDの順方向電圧が書いてある条件(順方向電流の値)はそのLEDの推奨条件
なのでこの電流値でLEDを駆動することにします。
(この数値から最大定格の電流値まで上げていくと明るさが上昇していきますが
それに従って寿命が短くなります)
大体20mAだとして、順方向電圧は白色LEDや青色LEDで約2V程度がほとんど
のようです。
これに基づいて電流を決める抵抗器の値は以下のように計算できます。
抵抗値=(供給電圧(14V)-順方向電圧(2V))/順方向電流(0.02A=20mA)
600=(14-2)/0.02
となり、600Ωの抵抗器を付ければ推奨値で点灯することになります。
これは1個のみの場合ですが、LEDを複数つける場合には直列に繋ぐ場合と並列に繋ぐ場合があります。
並列に繋ぐ場合は上記の抵抗器とLEDのペアが複数並列に繋がることになるので
計算は変わりませんが、この場合だとその分電流が増えていくことになります。(電流を決める抵抗器もその分増えていきますのでスペースが犠牲に
なります)
これを直列配置にすることによって電流値は同じでLEDの個数を増やすことができるように
なります。
計算上LEDの順方向電圧が2V程度ですから供給電圧分まで7つ接続できることになりますが
そうなると電流を決める抵抗器の入る分がなくなってしまうので大体6つまで接続します。
計算式は上記のものに
変更して
抵抗値=(供給電圧(14V)-順方向電圧(2V)*6)/順方向電流(0.02A=20mA)
100=(14-2*6)/0.02
となり、100Ωの抵抗器をつけて6つLEDを付けると同じ電流で6つのLEDが点灯
することになります。
電流値は同じですから明るさが増えても消費電流は変わらなくなります。
LEDを7つ以上にする場合は直列と並列を組み合わせて回路を作ることになります。
直列方式の利点は消費電流が同じということですが欠点は1つでもLEDが切れると
全てのLEDが点灯しなくなってしまうことにあります。
並列方式はその逆になります。
Posted at 2008/03/01 19:52:02 | |
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