車両標準装備の20分タイマー付き常時電源を利用した不具合修正と有効活用の検討 その2 - 原因と対策
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
中級 |
作業時間 |
12時間以上 |
1
車両標準装備の20分タイマー付き常時電源を利用した不具合修正と有効活用の検討 その1 - 原因究明 からのつづきです。
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次は、バッテリーセーバー機能について。
2代目オーリスを含めて最近のクルマはうっかりルームランプがつきっぱなしの状態にしてしまっても、バッテリーあがりが起こらないように20分ほど時間が経過したらルームランプをオフにする機能が付いています。
その仕組みは、2代目オーリスの場合、車内にあるコンピューター (メインボデーECU) が図の左側にある DOME CUT リレーを制御し、ドアを開けた時から時間計測を開始。
20分間だけリレーのコイルに電気を流して電気接点を電磁石で吸い付けて接続。
接点がつながったことで、図左側の赤→ピンク→そして赤に電気が流れてルームランプが光ります。
20分経過すると今度はDOME CUT リレーが切れるため接点が離れて、バニティランプを含めた全てのルームランプに電気が供給されずルームランプがオフになるという仕組みになっています。
ちなみに図の左側の上にある 7.5A DOME が…
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エンジンルームの助手席側にあるヒューズボックスの DOME (7.5A) でルームランプのヒューズです。
これは常時電源のヒューズで、配線図では常時電源は (BAT) と表記されています。
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では今回のトラブルはどのようにして発生したかといいますと…
自作のウェルカムポジション&テールランプの回路を作成したとき、その中に含まれるエーモン工業の出力変換ユニット (以下出力変換ユニット) を図のように接続しました。
具体的には自分でバッテリーから車内へ引き込んだプラスの線…常時電源に出力変換ユニットの「赤線」を接続。
出力変換ユニットの「黒線」をルームランプの配線…図では白線に接続。(白線の説明はここでは割愛しますが、助手席側グローブボックスの奥に配線が集まるジャンクションのなかの1つの線です。)
出力変換ユニットの青線を自作のウェルカムポジション&テールランプの中に含まれるエーモン工業 ユニット用リレーに接続しました。
自作のウェルカムポジション&テールランプを作成したときは、まだ極性ありの IPF の LED をルームランプで使用していました。つまり IPF だと逆流はしません。
しかしこのたび、ピカキュウの極性なし LED を装着したことにより、その1で説明した整流回路が追加され、それを通じて逆流が発生。
具体的には、ドアを開けて20分間は通常通り電気がプラスからマイナスに流れるため (12V の電圧がかかっているため) 逆流が起きませんが、20分経ちプラス側の電気がカットされると、これまで12Vかかっていたプラス配線側は 0V になるため図の右側の常時電源 → 出力変換ユニットの赤→出力変換ユニットの黒 → ルームランプの CTY 側 (白 → 青) → ルームランプ → +B (赤)→ メインボデーECU → 別のアース線 (3C 9番 白 / 黒) → ボディーを経由してバッテリーのマイナス端子へ 電流が流れ…
つまり、図の水色線と矢印のように電気が流れることになり、別のマイナス線 (図の右側) を伝ってバッテリーへ電気が戻り出力変換ユニットが正常に起動。
その影響で、20分経過すると勝手にウェルカムポジション&テールランプの機能が起動してしまうと言う結果になってました。
これだと、フロントのルームランプをドアと連動しないようスイッチをオフにするか、LED をはずしていれば逆流が起こらず、ウェルカムポジション&テールランプが勝手に起動しないことがうなづけます。
しかしそれだとドア連動が…
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配線のこの部分に 1A の整流ダイオードを取り付けました。
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電子技術マニュアルの配線図書き込むと、このような感じです。
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延長した配線は、すでにダッシュボード左側面のパネルをはずしたところまで引き込んでいましたので、新しくコネクターを作成して接続すれば完了。
トラブルを解消することができました。
でも、こんな対応方法って、なにかちょっとちがうような…。
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いろいろ考えた結果…
図の左上…純正のインテリアイルミネーション (2モード) や、純正のウェルカムライト (運転席側のみ) が分岐しているように、ルームランプが使用しいる常時電源…つまり、自作の光り物もその1で説明した20分タイマー付き常時電源に接続した方が20分たったら電源が切れるため省電力で確実。そもそも今回のような逆動作…20分経ったら点灯だなんてわけの分からないことにならない安心感。
しかしながら、車両の電線が細いためなんでもかんでもここに接続して下げるのはこの配線を流れる電流の量を増やしてしまい電力的に問題があると考えて、リレーを複数段接続して、たくさんの消費電力をとっても問題無いようにしました。
具体的には、右側一番上のオムロン G5V1 の2番ピンをグローブボックスの奥にあるジャンクション部分の 3C 42番 +B に接続。(9番はマイナス線としてボディーの金属部分にボルトで共締め)
5番に過去に自分で引き込んだバッテリー直接接続のプラス線 (いわゆるバッ直の常時電源) を接続。
これで、ドアが開くと20分のカウントダウンがスタートし、2番→9番と電気が流れることで5番のバッ直電源が10番とつながります。
そしてその10番には、2つのリレーを接続。
一つはオムロン G5V2。
1つの5極リレー (1c) を2つつなげたようなリレー (2c) で、各2A まで扱える模様。
(G5V1 の10番から) → 1番 → 16番に電気が流れると G5V2 は…
図の右側のバッ直 → 4番 → 8番と通電して図中央の5P コネクターの3番へ。
同じく、図の右側のバッ直 → 13番 → 9番と通電して図中央の5Pコネクターの4番へ。
それらを、さらに自作のウェルカムポジション&テールランプと、ドアイルミ&カーテシの問題になる部分に接続しました。
ちなみにリレーはもう一つ将来用として GB の GB-RLY-1C12V-CC2A (2Aまで) も準備。
説明は割愛しますが、こちらもにたような動作で動作します。
たとえば応用で、ここにドラレコを接続することでエンジンを切ってまたはドアをあけて20分はクルマのバッテリーからの電源供給で録画をさせることが可能になり、車両の20分タイマーが切れたときに始めてドラレコ内蔵のバッテリーで動作を開始する…といったことも可能になります。 2A もあればほとんどのドラレコは動作するはず。
ただしドアを頻繁に開け閉めすると、最後に締めてから20分なので、あと1分のところでドアを開け閉めすれば、そこから20分…つまり39分間は稼働していたことになるため、クルマのバッテリー上がりに注意する必要があるかもしれません。
とながなが話してきましたがここまでは原因追及と対策編でした。
ここからは回路作成 (ダイジェスト版) です。
(その3 につづく)
(2021/04/08 0:19 追記)
中央の 5P コネクターからの配線を変更して、 3番にブースト計の +B 常時電源を接続。
4番に別途作成した分岐ハーネスを接続して、これまで3番 (ウェルカムポジション&テール)と4番 (ドアイルミ&カーテシ) に接続していた配線をそれぞれこの分岐ハーネスに接続して2つを1配線にまとめました。
--- 配線図について
トヨタ オーリス 技術マニュアルの配線図に加工を施しています。
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