プレリュードをカロッツェリアのデッキとスピーカーでサウンドアップ♪
目的 |
チューニング・カスタム |
作業 |
ショップ作業 |
難易度 |
中級 |
作業時間 |
12時間以内 |
1
ホンダ・プレリュードの事例ご紹介です。
プレリュードは1978年から2001年に渡って生産された、2ドアクーペのスペシャリティカーです。
23年の歴史の中で、4回のフルモデルチェンジを経験し、5世代のモデルが生産されましたが、特にリトラクタブルライトを装備する2代目(1982年〜)・3代目(1987年〜)の人気は絶大で、バブル期の時代背景もあって、デートカーとしての戦闘力の高さを遺憾なく発揮しました。
4代目からは、全車3ナンバー・2200ccとなり、ホンダの可変バルブタイミング機構であるVTECエンジン搭載車も設定されました。
今回ご登場いただくのは、最終モデルである5代目(1996-2001年)の中でも一番最後のBB8型。CMでもよく見かけた主力カラーのシルバーがまぶしい一台です。
オーナーは古くからお付き合いいただいているお客様で、プレリュードオーナーズクラブにも所属していらっしゃるほどのプレリュード好き♪
中古でのご購入なれど、中も外も大変キレイに維持していらっしゃいます(^o^)
今回は「購入時からついているナビを撤去して、MAX35万円の予算で出来るだけいい音にしたい。(ナビは不要)」という要旨でご相談いただきました。
昨今の音質アップのご相談でヘッドユニットを含む場合は、ナビが前提になるケースがほとんどですが、今回は2DINスペースが確保された車両で、予算を音質に全振りしてよいとのことですので、、、カロッツェリア最上級のオーディオデッキをメインに据えて、フロント2wayをしっかり鳴らし切るプランをご提案し、ご用命頂きました。
1DINのハイエンドオーディオデッキ部門では、後発のDEH-970(税別38,500円)の方が価格が安く、ハンズフリーとブルートゥース対応の点で利便性が高いため、孤高のP01の出番は少なくなっているのが正直なところなのですが、音質最優先で考えると、これが一番なのは明白なのです。
ホンダ史上最上のロマンチック&ハイパワークーペに、上質なサウンドがしっとりと馴染む一台♪
施工の様子をどうぞご覧ください。
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以下、コンポーネント紹介です。
○ヘッドユニット
カロッツェリアのDEH-P01(税込110,000円)です。
度々ご紹介しておりますDEH-970(税込38,500円)と並んで、パイオニアのハイエンドヘッドユニットの最高峰に位置する一台です。
2009年の発売から12年ほど経過していますので、現代と比べるとUSBの充電電流やオーディオファイルのコーデックに制約がありますが、オーディオの名門であるパイオニアがふんだんに開発費をかけていた時代の一台ですので、音の品格は未だに一級品です。
DSPチップ、DAコンバータ、オペアンプ、コンデンサといった部品に一級品を採用するのは当然のこと、オーディオの永遠の課題であるノイズ対策のために、L/R独立基盤レイアウトや、銅メッキシャーシなど1DINデッキで採りうる限りの対策を採っています。
極めつけは、アンプのセパレート化です。一般的に本体内に内蔵されるアンプを別筐体として、本体へのノイズの影響の低減を図っています。さらにアンプ内の構造も、L/R独立レイアウトの50W×6chとし、チャンネルセパレーションと高出力を両立させた王道の構造をとっています。
またDSPについても、サブウーファーを含む4way(8ch)に対応しており、自在な音創りが可能になっています。
今回は、この4wayのうち、2way分を使って、フロント2way(ツイーターとウーファー)を鳴らす構成としました。
○スピーカー
デッキと同じくカロッツェリアのTS-V173S(税込66,000円)を使いました。
TS-V173Sはカスタムフィットスピーカー最上位のモデルで、カロッツェリアらしい明瞭な音色を価格を上回る豊富な情報量で描き出せるスピーカーで、ご満足いただける確率が極めて高いハイコスパ・フラッグシップモデルです。
プレリュードはウーファー(ドアスピーカー)取付部の構造が独特なので、お尻の大きなフェライトマグネットを採用したスピーカーの場合、そこそこの加工が必要になってしまいますが、TS-V173Sはネオジム磁石でスリムなので、大加工ナシでフィッティングしました。
○安全装備
カロッツェリアのドラレコVREC-DZ300(オープン価格)を取り付けました。
オーディオとは関係ないところですが、今や丸腰では路上に出れない時代のようですので、身だしなみとして到着。
フロント1カメラ・ワンボディ形式のシンプルな製品です。
以上をもって、コンパクトで上質なフロント2wayマルチのオーディオシステムが出来上がりました。
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交換前の様子です。
中古で購入された段階からついていたのは、carrozzeriaの2DINナビでした。
AVIC-HRZ09というモデルで、2005年発売時の定価は242,000円(5%税込)でした。
今ではハイエンドモデルのサイバーナビが買えてしまう値段ですが、これは低価格モデルの位置づけだった楽ナビです。
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こちらは交換後のDEH-P01です。
2DIN分のスペースがありますので、下段は汎用のポケットで穴埋めしました。
冒頭で触れましたように、当機のアンプはセパレート式になっています。サイズはほぼ1DINなので、写真のポケット部の下に設置しています。
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次にスピーカーインストールの工程に入っていきます。まずはドア外観チェックから。
ステッチ表現に依存しない、どこかヨーロッパな香りが漂うシックなデザインのドアです。
ご覧のように経年のヤレ・スレが感じられないばかりか、しっとりとしたツヤも宿しており、非常に好コンディションです。
このクルマのスピーカーは前後4スピーカーなので、フロントは右下の位置のフルレンジのみということになります。
今でこそ、セパレートツイーター付きが多く見られますが、80年代・90年代のクルマはそれなりのグレードでもツイーターレスが主流でした。
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スピーカーグリルを外して、純正スピーカーを拝みます。
ダンパーはだいぶ固くなっていて、音的な劣化は進行してきっかけ一つでヒビが入りそうですけど、見た感じはとても奇麗ですね。
スピーカーサイズは17センチクラスなので、容易に交換できそうに見えますが、よく見ると3本のネジで留める方式になっているんです。また、ネジ穴は加工のしにくいドアトリムに設けられているので、市販の4穴スピーカーはすんなり付きません。
さらには、スピーカー背面のカップ状のエンクロージャー部分(後出)が浅くて、社外のスピーカーの大半は、そのままでは収まりません。
仮にカップ部分を切除したとしても、真後ろを通るウィンドウレールが近いので、ハイエンドスピーカーをねじ込むにはアウターバッフル化が必須、、こんなところが当時の受け止め方でした。
これに対して、現在は薄型のスピーカーが主流ですし、さらにネオジムマグネットを採用しているお尻の小さい製品があります。音質面の配慮からカップ部分の切除は前提となるものの、選択肢は多くあります。
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今回はホンダの名車プレリュードのサウンドアップ事例の第1弾をご紹介しました。
ヒストリックカーの楽しみ方は、ガチガチに純正状態を維持するスタイルと、適度に時代の空気を入れるスタイルに二分されると思います。
一昔前、「エンスー」なんて呼び方が新鮮だったころは、圧倒的に前者が主流だったように思いますが、今はもっと洗練されたんでしょうか、オリジナルのエッセンス・テイストを最大限に尊重しながらも、時代に応じた使い勝手や、安全面を十分な水準にまで高める手の入れ方が主流になってきたように思います。
このクルマの場合、センターコンソールにはきれいな2DINスペースがあります。1DINのカセットデッキ+ポケットが標準形だったようですが、オプションでCDプレイヤー(+CDチェンジャー)も選べたようです。
やっぱりナビがないと。とお考えの場合は、お好きなデザインの2DINナビを入れられますし、今回の事例のようにデッキの雰囲気が残したければ、DEH-970なり、DEH-970なりの1DINデッキとポケットという選択ができます。
むしろ、きちんとやりたいなら、手をかけるべきはスピーカー周りですね。
本文で詳述しましたように、フロントスピーカーは3本ネジ止めで、窮屈なカップ入りと独特な造りをしています。当然ながらポン付け交換はできませんので、加工が前提になるわけですが、「オリジナルスピーカーバッフル制作」のカット内の(1)でご説明した工法、あるいはそれに準じて、ドアトリムになんとかしてスピーカーを取り付けるところで完成にしてしまうケースは少なくないようです。(鳴るには鳴りますので)
内装にスピーカーを取り付ける(ぶらさげる)取り付け方は今も存在しますので、それ自体は尊重しますが、このクルマのように、もうひと手間で頑強なインナーパネルに締結できるような条件であれば、そこはキチッとやっておきたいところです。
ツイーターの追加は、確実に見た目が変わるポイントですので、お考え次第ですね。
ホンダ車は若々しさ・明るさが信条だと思いますので、ガチガチのオリジナル原理主義にこだわらず、時代に合わせて形を変える柔軟性を許容できる空気があると思います。
そう仮定したとして、常識的で平和な雰囲気を重視するならオンダッシュでいいでしょうし、機能性を優先させて、すこしエッジを立てた雰囲気を出すならピラー取り付けもありです。また、後者をインテリアに溶け込ませたい場合は、深めに埋め込んでレザー張りで仕上げるのもありでしょう。
また、音質も求めたいけど、オリジナル外観を維持する楽しみを優先したいとなれば、ドアスピーカーをコアキシャル(同軸)スピーカーにするという手もあります。
オーナーさまのご希望とご予算に応じて、柔軟にプランさせていただきます。
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