フォードグループの最高級ブランド・リンカーンの伝統マークシリーズの8代目にあたる「マークVIII」のLSCです。
プライベート用として2005年にペンシルバニア州にあるこのLSCを見つけて購入。
西海岸在住の自分がほぼ東海岸のペンシルバニア州で購入するに至った決め手は以下の通り
・探していた時期に地元周辺で売りに出されていたマーク8は全て超過走行か程度の悪いタマしかなかった。
・マーク8でも上位グレードのLSC(ラグジュアリースポーツクーペ)
・LSC限定オプションカラーのパールホワイト
・純正テールガーニッシュ。(なんと本物ネオン管)
・コブラ18インチホイール
ちなみに同じMARK8でもLSCはベースモデルよりパワーUP&太いスタビ&固いショック&ATのスポーツ寄りシフトパターン&3.72:1ギアなどなど走りが気になる人には色々とお得なパッケージです。
通常なら陸送業者に頼む所をちょっとした事情から自走での引き取りとなり、西海岸のカリフォルニア州から飛行機でほぼ東海岸のペンシルバニアまで飛んで車を受け取った後、北米大陸を2日半かけて横断。
できれば避けたかった北米大陸自走横断ですが、日本出張の予定があり帰宅を遅らせる選択肢はなかった為に最終日はトイレ/食事/給油以外ノンストップの20時間耐久走行で地元の南加州まで無理して帰ってきました。
とはいえ結果的にこの北米大陸横断はフォード系プレミアムブランド、リンカーンの最高級クーペ「マーク8」が最も得意とする長距離高速走行性能を実感する事となりました。
▼Pros
・荒れた路面でも外乱を受けない優れた直進性
・走行スピードに応じて車高を自動調整、乗り心地と安定性を両立
・ドッシリ安定したままグイグイ曲がる高速コーナー性能
・静寂性に優れた車内
・長距離ではまったく疲れ知らず
・大トルクで高速の追い越しが楽
・リンカーン伝統のスペアタイヤハンプ(トランクリッドの凸、しかしスペアタイヤはここには無い)。
・ノビノビとした優雅なシルエット
・飛ばさないといけないような強迫観念が皆無
▼Cons
・一昔前のアメリカ的設計思想の為に燃費悪い
・というより環境と財布に極悪 (←購買対象層ではない人の意見w)
・荷物が乗らない (←購買対象層ではない人の意見w)
・人が乗らない (←購買対象層ではない人の意見w)
・内装がプラスチッキー
・純正ローダウン加工の為にすぐ下回りを擦る。
・静か&振動が無い為に知らず知らずの内にスピードが上がってしまう。
フォードグループがアメ車全盛期で売れまくっていた時代に自社の最高級ブランド、リンカーンのマークシリーズの為にシャーシから専用設計した最高級クーペだけあって車内の静寂性やドライビングフィールはさすが。
90年代の当時は各社が色々な特徴的内装デザインを競って試行錯誤していた時代、広い室内空間を贅沢に使った2段の棚状?デザインのダッシュボードとウッド&レザーを多用した内装はやはりお金持ちを狙った高級クーペとして相応しい高級感。
17年落ちとなった今でも高速走行中に窓やサンルーフを閉めると「シュイッ!」という音と共に気圧が変わり、車内に静寂が訪れるほど優秀な機密性&防音性。
伝統のフォード製自然吸気4600ccV8「インテック」エンジン(32バルブDOHC)は振動もなく低回転域から上まで豊富なトルクを発生し、まるで電動モーターのような感覚で停止状態からわずか7.6秒でこの1.7tを超える巨体を時速100キロまで加速する。
ちなみにこの0~100km/hが7.6秒という性能はSC430ソアラやMR-Sより速く、先代のセルシオより0.1秒遅いというレベル。
惜しむらくは一部に使われている超プラスチッキーな内装。 ステアリングコラムのカバーや各種スイッチ周りは完全にプラスチック感丸出し。
これが他のウッド部分すらプラスチックじゃないか?と疑わせるほど安っぽい。
同年代の他メーカーは自社フラッグシップともなれば同じプラスチック製でも手間を掛けて触感や印象を満足のいくレベルに仕上げているにも関わらず、なぜマーク8開発チームがこれでOKを出したのか疑問。
日本国内ではこの一つ前のモデルまで正規輸入されていて、その新車価格はバブル全盛だけあってベースモデルでもベース車体価格750万円。
しかし実際に所有し、乗ってみるとリンカーンのネームバリューを入れてもせいぜい500~600万円が妥当な車。
ということでトータルで考えるとリンカーンブランドの旗艦パーソナル2ドアフルサイズクーペとしてスタイル、作り、走行性能は十分に満足点。
ただし燃費の悪さ(←購買対象層ではない人w)と一部の安っぽい内装で-35点。
トータル65点という所でしょうか。
最近は走行距離14万マイルを超えてさすがに足周りの消耗品も交換時期になりました。