くるま相談室 木製シフトノブ（特注品）  

シフトノブの素材による単体の特徴、例えば金属製なら夏は火傷寸前まで熱を帯びて冬は悴む冷たさがあるのは事前に把握できても、取り付けた車と（操作性やドライバーの背丈やリーチ長）の相性良し悪しばかりは実際に装着してみない事には判らない所がある。

かつて乗っていたR32スカイラインの純正シフトノブは私にとって使い勝手の良い逸品だった。
なので同アイテムを（ネジピッチ変換して）プロボックスに装着するもシフトノブ高さ位置の相性が今ひとつ、左腕の動きが窮屈になりがちでやむなく使用を中止。
装着する車両が違えば勿論、同一車両でもドライバーの背丈やリーチが異なると単体では良質なシフトノブでも車両に装着したら相性が合わず、操作に不満を覚える部分が出てしまう場合も……。

６月某日、店舗を訪れてひとまずスタンダード形状のオリジナルシフトノブを仮装着して試走。
比較対象は当時使用中のTRD製シフトノブMS204-00004。
普段のシフト操作は握りながら力任せにギアを入れずに、手を添え押し当てながらギアが抵抗なくスッと入るのを待つように操作している。

・同じノブでも単体と車両に着けた時では印象が違い太さが異なる感覚があり、車両に装着するとワンサイズ細く感じられる（なので実際の売れ筋は最も太い44mmと42mmノブとの事）。
・軽量の木製ノブなのでシフト操作に用いる力の入れ加減が少なくなり、質量のあるシフトノブはそれ自体を動かすために余分な力を加えていた事を実感。
・シフト操作時にダイレクトな手感がより伝わるようになった（ノブの先にあるギアボックスの存在が左手に近づいたような感覚か？）。

続いて太めのシフトノブを複数種類装着して試走する。

・ノブの形状はとても良いのに私の手だと42mmノブでは太さが足りず細い。
・44mmノブなら太さはOKでも全長が短く、私の手を添える操作では指が２本しかノブに掛からず残りの指がロッドに触れる。
・ノブ単体に概ね不満は無いが、車に装着するとノブの高さが合わずシフト操作時に左腕が都度シートに接触する。

複数のノブを取り替え試走をするも惜しいかな、それぞれに僅かな不満があり何れも帯に短し襷に長しで決め手に欠くのは私の掌が大きい事（手首と掌の境から中指先端までの長さが21cm）もあって致し方ないのかも……店主いわく今までシフトノブを販売＆試走した顧客の中では私の掌が最も大きかったようだ。
上述のように感想を述べた所、それぞれのノブ長所を合わせた特注品を造りましょうとの提案（！）が。
そして約１ヶ月半後に各ノブのイイトコ取りをした特大サイズ・タイプＫが完成。
特注シフトノブの使い勝手は期待通りのそれに尽きる。

特注ノブの詳細、問い合わせ先については下記入手ルートを参照。

※・シフトパターンの刻印は無いので、シフトパターンのステッカー貼付け等で継続検査対策が必要。
※・ネジ径とピッチ(M12-P1.25)はトヨタ・ダイハツ・スズキ・スバル適合なので、他メーカー車への装着には口径変換アダプターが必要。
※・後日さらに太い46mmノブが追加設定されたとの事。