水野博之先生ご逝去

昨日昼休み職場のレストランで、広島県産業科学技術研究所所長で元松下電器産業副社長の水野博之先生がご逝去されたと、秘書をつとめていた当時の担当課長から伝えられた。４月に市内でご講演を拝聴し、まだまだお元気という印象だっただけに、驚いた。
１９９０年代末、先生のご講演は最新のアメリカの技術・研究開発事情で始まった。当時、「Japan as Number One」とおだてられ、のぼせていた私たちに対して「外に学べ」ということを言われていたのだろう。しかし、私がそのことを理解できたのは、ずっと後。その間に失われた１０年は２０年になっていた。
先生は小説の他、「可軒」のペンネームで新聞のコラムを執筆されていた。その中でも「日銀が利上げのタイミングを失した」ことに対する的確な批判を鮮明に記憶している。あの時、金融・産業政策の方向転換をしていれば、失われた１０年は１０年で済んでいたかも知れない。
ご冥福を祈りたい。