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今年も3.11、東日本大震災が起きた日がきました。


画像は2016年に訪れた、岩手県宮古市田老地区にある「たろう観光ホテル」
現在は震災遺構として、宮古市が管理し、宮古観光文化交流協会が実施するガイドツアー「学ぶ防災」として内部の見学でき、一般公開されてます。

ホテルは２階まで完全破壊され、鉄骨が剥き出し状態。
ガイドツアーではその被害状況を間近で見ながら、当時最上階でホテルの社長が撮った田老地区を襲った津波の映像を観ることができます。


画像は当時撮られた映像と同じ目線で撮った田老の漁港。

左手に見える白い建造物は漁港の製氷サイロ。15ｍくらいだそうですが、津波はそれよりも高い位置から波飛沫をあげて漁港に襲いかかってきました。その海水の塊はあっという間に防潮堤すら乗り越え、絶対安全だと思われていた高くそびえる壁の中を複雑な流れをもって暴れまわり、港町を蹂躙したのです。

このガイドツアーでしか観ることのできない映像です。
ここでしか観られないとしたのは、実際に破壊されたホテルを目の当たりにし、実際に被災された語り部たちの生の言葉とともに聞いてほしいからだそうです。



波飛沫が荒れ狂った場所、当時の港町は新たにさらに高く造られている防潮堤に守られることになっているとはいえ、住居可能な土地とはならず、漁協の関連施設や公共施設が造られています。
画像はそのひとつ、キット、サクラサク野球場。岩隈久志氏が率いる草野球チーム「三陸鉄道キットドリームズ」の本拠地です。チョコレート菓子のキットカットでお馴染みのネスレ日本がスポンサーになって作られた球場です。球場の周りには、キットカットの売り上げの一部から寄付されたサクラが植樹されているそうです。



まだまだ道半ばで、いまだに苦しんでいられる方も多いと聞きますが、ほんの少しずつでも被災地は前に進んでいます。
それでも、先述した語り部の話を聞くようなガイドツアーに参加される方々は年々少なくなってきているそうです。
「もう復興したんでしょ？」なんて真顔でインタビューに答えるような人もいると聞き、驚きを隠せません。特に被災地から遠く離れた地では、もはや関心は薄れつつあるのでしょう。「絆」とか「復興」とかいう聞こえのいい言葉が、流行語であるかのようなものであってはいけない。
人口流出に歯止めがかからない被災地に、歯を食いしばって頑張っている人たちが多くいる。そんな人たちを忘れずに、特に３月１１日だけ気にするようなことなく、誰もがずっと気に掛けていられるようになれればいいなと思う。
もちろん東日本大震災に限らず、熊本地震にも、日本に震災が起きるたびに真っ先に多額の募金を送ってくれる台湾で地震に被災されている方々にも。




きっと日本中、いや世界中の人たちが、自分よりも弱っている人たちのためにほんの少しだけでも手を差し伸べるだけで、世界はちょっとでもいい方向にいくんだろうな、と思う。