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2011年10月16日 イイね!

次期ロードスターの目指す所(長文)

私のお気に入りのクルマのひとつがマツダ・ロードスターだ。

時期型のマツダロードスターに関して、雑誌で予想CGなど流れている。新型では原点回帰し、コンパクトに軽く、燃費の良いSKYアクティブテクノロジーを駆使して開発されるという。

今度のロードスターも「人馬一体」がコンセプトなのだろうか。

これまで、あくまでチョイ乗りではあるがNA、NB、NCのロードスターに乗ってきた。
その中で私が感じた「運転した時の楽しさ」はNAとNBにはあったが、NCは極めて薄かった。

NCを否定するつもりは無い。今時の要件を満たし、出来るだけ軽量に、高級感を高めつつ
出来る事をやっている。ミニサーキットで走っているクルマも見かけるが、ランエボと遜色
ないタイムで走れる実力がある事も知っている。

そもそも、NAやNBの「運転した時の楽しさ」とは何なのだろうか。
運転の楽しさ=人馬一体とは違うのだろうか。

よく聞く話が、AYCのようなクルマが曲げる動作を自働でやってくれるランエボやGT-Rの様なクルマは
楽しくないと言う。私自身は、GT-Rには乗った事はないけど、エボVとエボXは乗った事があって、非常に楽しい車だと感じた。特にエボVの方が楽しかった。エボXはインテリアの高級感が増し車体も大きくなった。

その結果、エボVにあった楽しかった”何か”が少なくなってしまった。
楽しくないと感じる人はその”何か”について楽しくないと感じているのだろうか。

ここで言える事は、”何か”の正体を明らかにすれば楽しさを取り戻せるという事だ。
”何か”を明らかにするためにロードスターで感じている楽しさの分析をしてみよう。

NA、NBのロードスターは、屋根を開けてクルージングした時の爽快感や低い視線で道路を走る感覚、
峠道の走りをコントロールしてスピードを楽しむ感覚は非常に楽しい。反対に、スタビリティの低さやトラクションの抜けやすさなどは、サーキットを楽しむ上では緊張感こそあるが、限界が低い分だけ限界の越え方もだらしがなく、カミソリの様な切れ味をもってタイムを出しに行く楽しさは無い。

だらしがない挙動の原因の一つは間違いなく車体剛性のせいだと思う。さらに、ダブルウィッシュボーンのサスペンションもリンクを多く備える構成から、ゴムブッシュを多く備えている故に劣化した時のアームから先のぼんやりした動きはタイヤとの対話を始める気にはとうていならなかった。

ブッシュを打ち変えたNAロードスターに乗った時は非常に芳醇な対話をタイヤとする事が出来た。同時に、ストロークによってトーが動く設定はクルマのリズムを掴みにくくしており、(アライメントの設定が先だが)開発者の意図した挙動が何か把握するまで少々時間が必要と感じた。(特にマツダはトー制御をリンクで味付けしようというコンセプトが強い。)

散々書いたが、それでも普段使いのロードスターの爽快感と言える気持ちよさは格別で、楽しいと思える所以はそこである。

NCロードスターは、正直もう一度じっくと乗ってみたいとは思う。設計コンセプトや開発の力の入れようを見るともっと楽しいと言えるはずなのだが。ただ、今思いかえしても現行アクセラやアテンザに乗った時のファーストインプレッションの感覚と大差なかった事は正直な意見だ。

楽しくない”何か”の原因の一つとして考えられる事は、増加した車両の質量だ。

NAとNCのカタログ値の質量を比較すると、NAが990kgなのに対し、NCは1,110kgと120kgも重くなっている。(NBは1,030kg)60kgの友人を2人乗せればクルマの動きは鈍くなり反応は遅くなるのと同様、その質量分だけ構造体に使われても楽しさをスポイルさせる。

つまり、軽さは重要なファクターだ。

オープンカーである事はロードスターに共通なので、そこは関係ないと言える。

屋根が無いという事は重心を低く保つ事に寄与しそうだが、非常に大きな開口部を持つ事は構造体の強度や剛性を考える上では悩みの種でしかない。どうしてもフロアの構造などで強度を得なければならない為、例えばホンダS2000のXボーンなどの様に折り紙をフロアを使う必要がある。鋼板モノコックでは限界があるというものだ。

目線の低さはどうだろうか。

地を這うような低い位置にシートポジションがあれば、地面との距離が近い分だけスピード感が出る。特にそれがオープンであれば周囲のクルマの高さをより感じる事になるのでなおさらだ。
シートレールやシートそのものを交換した事がある人ならば分かると思うが、よりクルマの挙動の芯の部分を感じる事が容易になるはずだ。

ピッチングやロールといった分かりやすい挙動が減る分、腰のセンサーはタイヤと路面の摩擦の出方をより高い比率で感じる事が出来、ヨーの発生の仕方とクルマの重心が何処にあるか分かりやすくなり、クルマがひとまわり小さく感じる事が出来る。

背反として、低いシートマウントは車体の見切りを悪化させるし道路状況を含めた視界のフィードバックを減少させる。

よくラリポジ(ラリーポジション)と言ってシートの背もたれを大きく立て、出来るだけハイマウントのシート位置を勧める所以はここにある。

公道では視界のフィードバックこそ大事であり、リヤタイヤの挙動よりもブラインドコーナーの先に”鹿”がいないか確かめる事の方が重要だからだ。(鈴鹿峠ではよくある話)それと、対向車のライトが眩しくなってしまう事も背反だろう。

(シートポジションに関しては私の知る限り諸説あって、ポール・フレール氏はラリポジを推奨している。元F1ドライバーの中野信治氏は著書の中でシートをある程度倒した視線の位置を低く取るポジション(Fポジとでも言うのか?)を推奨している。ドライビングスタイルやその環境によっても変化するものなので断言できないが、ここで私が言いたいのはシートマウント位置→ヒップ高さを出来るだけ低くしたいということ)

シートマウントが低い事を想定した車体パッケージングでなければならない。つまり、車格が大きくなり、ボンネットも高くなる中ではシートマウント位置は高く設定しなければならず、そうしなければストレスとなって乗りにくさにつながってしまう。

つまり、軽い事に加えて見切りの良いコンパクトな車体でなければシートマウントが低いパッケージングにはならない。

NCはNA,NBと比較してサイズが大きくなっており、楽しくなくさせる”何か”の答えの一つは、「コンパクトではない車体」という事だ。

エンジンはどうだろう。

NA,NBでは1600cc~1800ccの排気量を備えていた。NCは2000ccだ。エンジン単体の詳しい諸元が無いのでいい加減な憶測に過ぎないが、材料の置換(鋳鉄→アルミ)や特別な設計をしない限り、排気量が大きいほどエンジン質量は重くなる。

容積は大きくなるし、熱量も増加するので冷却水やラジエターの容量も基本的に増える方向なので、やはり重くなる。ただ、エンジンのトルクは排気量に応じて太くなるので乗りやすさにはつながる。

小排気量では出力を得るために高めの回転数を使う頻度が高くなるが、排気量が大きければ多少回転を抑える事ができる。軽快さは排気量が少ない方が慣性が少なくローレンジのギアレシオの影響もあり歩がある。

どちらが楽しいと思うかは好みにもよるので断言できないが、排気量が少なくても軽快なエンジンの方がクルマを手足の様に扱う感覚が強いのでないだろうか。という事は、絶対的な速さを求める訳ではないのであれば排気量は増やす必要は無かったかもしれない。強いて言えば、正直エンジンに関してはマツダのレシプロエンジンに感応性を感じた事はない。回してもさほど気持ちが良く無いのである。

ロータリーエンジンだったらさぞかし気持ち良いだろうとおもうが、RX-8に乗った経験からするとトルクで乗っていくロードスターとは求めるキャラが違うエンジンなので、ロードスターらしさは消えてしまう気がする。

ロードスターのホイールベースは短くステアリングに対し、すぐにリアタイヤが反応する。各世代を比較すると、やはりNCは大型化した分だけ多少伸びている。

NA:2,265mm
NC:2,330mm

その差、65mm。

一般的には剛性はホイールベースが伸びた分だけ不利になるが、新しいプラットフォームを得たNCでは少なくとも低下という事はないだろう。

しかし、伸びた分だけ質量は確実に重くなる。大きく重いロードスターは確実に楽しさを削がれてしまう。見方を変えればそれでも2,400mm以内に納まっておりスポーツカーとしては十分に短いホイールベースであるとも言える。

直進安定性を向上し、前後重量配分も最適値に持って行きやすい方向である。元々、リヤマルチリンクは特にマツダはトー変化をダンピング時に与えようとする傾向があり、常にトーイン方向へバンプステアする。

安定性確保の方法だが、偏平率の高い最近の流行タイヤではトーに対する横力の発生が大きく扱いにくい。簡単に言えば結果的に直進安定性が悪い。

まだトー変化のほとんど起きないトーションビームアクスルの方が安定性については有効だと思う。それを補う為のホイールベース延長であれば妥協点の起きどころとしては正解なのかもしれない。




<提言:スカイアクティブロードスター>

次世代ロードスターは間違いなくスカイアクティブをアイコンとして売り出して来るだろう。その時のコンセプトは恐らく走る楽しさだ。

残念ながら、近年のマツダに乗って楽しいと思った車種はRX-8以外に無い。トルクが無いながらも回転フィールの良いロータリーは別格であるとして、その他の車種は極めてトルクが無く車体のレスポンスが全く得られない。

ハンドリングも車体剛性こそ最近のクルマらしいがダンパーが頂けない。ロードスターに求めたいものは、クルマとしての気持ちよさだろう。燃費との両立も考えると方向性は一つしかない。


・車体は軽く!800kg以内!!

どうせ大きな排気量のエンジンは搭載出来ない。ならば少ないトルクで車体を加速させたい。初代インサイトに乗って感じた事は軽さというのはとにかく楽しいドライブの基本であるという事である。

初代インサイトはフルアルミフレームに樹脂外壁、2シーターで820kg(M/T)~860kg(CVT)そのうちHEVのユニットやバッテリーが50kg程度と思われる。820kg-50kg=770kgであるが、実際アルミフレームはマツダに無理だろうからスカイアクティブの考え方によるシンプルなボディ+フロアはPA66樹脂を接着材で接合+30kgで出来ないだろうか。

コストを上げる方向には持って行きたくないので必然的に小さな車体を目指す事になる。


・軽自動車並みのコンパクトな車体へ!

800kgの想定として、前のNCやNAのしがらみを捨てる。あくまで楽しいオープンカーとは何ぞやという問いに対し、軽さやヨー慣性モーメントで応えようとすると小さくしたい。

トヨタIQ並みのルネッサンスが必要である。全長は軽自動車並みの規格、横幅は5ナンバークラス。低く
作る事で地を這うようなイメージとしたい。そんな事を考えるとホイールベースは2,200程度に収めたい。


・デミオの1500ccをNA仕様、1300ccエンジンをターボ化へ

すでに排気量だけでクルマの格を分ける時代では無くなった。800kgの車体が出来れば今の2000ccもの排気量は必要無い。

計算上は1441cc(1110kg/20kg・m=55.5より800kg/55.5=14.41kg・m、2000cc=20kg・mとする)なのでデミオの1500ccで今のロードスター並みの動力性能は確保できる。

ただ、総排気量が減ればガソリンの増減と搭乗員数による変動の割合は大きくなるので不満なユーザーの為に1300ccのターボエンジンというスペシャルなモデルを用意する。+20~30kg程度の増加はするが、それでトルクは20kg・mを目指す。

NC1110kgの質量換算で言えばNAエンジンの2,800cc化に等しい。これだけのトルクがあればパチンコ玉の様に加速して楽しくないハズが無い。


・前後ストラット化し極力シンプルに!

ダブルウィッシュボーンのサスペンション形式に魅力を感じる人も多いだろう。しかし、この機構の恩恵に預かれるまでに性能を引き出す事は意外と難しい。とにかくジオメトリー精度が難儀である。レーシングカーの様なピロボールを採用すれば別だが大衆車の多くはゴムブッシュである。

ゴムはどうしても動いてしまうのでリンクが多いダブルウィッシュボーンでは扱いが難しい。しかしバネ性と減衰性をあわせ持つ便利な材料である。これをピロボールするとコストが非常にかかる。(購入単価でゴム:200~500円、ピロ:5000円~10000円/個)それに、コンパクトに作ろうとすればアーム長をそうそう長くとれるものでもない。ならば割り切って前後ストラット化してシンプルな構成にする。その分はダンパーのチューニングにコストを費やしフィーリングとしては今までより良いものになる。


・価格は200万円を切ること!

車離れと言われて続ける事に小生は違和感を持つ。少なくともクルマに対する興味は地方では薄れていない。単純に金が無いのと、楽しいクルマが無いだけだ。

また走り屋的なマンガがドカンとヒットすれば若者の興味は幾らでもクルマに向く。FT-86やCR-Zの関心度は非常に高い。クルマ好きな若者が買えるレベルは、いい所で100万円だろう。ならば中古車で買うしかない。

3年落ちの中古車が40%ダウンとすると200万円×60%で120万円、5年落ちで55%ならば90万円となる。ではそのクルマを新車で誰が買うのか?何しろ2シーターだ。これは市場が限られており、独身の20~30歳
サラリーマン、セカンドカーが持てるレベルの40~50歳、後はリタイヤした60~**歳のシニアドライバーだ。(当然女性も含まれる)

この市場層が買うには、195万円~280万円に納めたい。ここから見えるのは、そう、あのミニが狙っていた価格帯と似て来る。この場合、2ドアでも4シーターのミニの方がハードルが低い。2シーターに乗る意味をマツダが示さねば、今後ロードスターを作る意味は全く無い。


・結局、カッコよく無ければ始まらない!

ウンチクを幾ら垂れても、見た瞬間に生唾飲み込むくらいカッコ良ければスポーツカーとして成功である。足りない性能は、市場が喜んで付け足してくれる。マツダのクルマは嫌いではないが、ボディラインに「キレ」があっても「コク」が無い。(奥山ケン先生の表現のパクリです)

カッコよさは何もエクステリアだけではない。素敵なクルマは自分の生活のライフスタイルを変えてくれる。例えば、マクドナルドが売っているものはハンバーガではあるけれど、実のところマクドナルドに来るというライフスタイルなのだそうだ。スターバックスもきっとそうだ。生き方にあこがれ、その手助けをクルマがする。


・ロードスターが見せるライフスタイルって?

2シーターでクールでエレガントなロードスターが提案するライフスタイルとは何だろうか。

青春時代に峠で情熱を注いだ者として、ロードスターに求める部分は汗臭い部分もあるかもしれない。

しかし、コンセプトは楽しい運転のクルマである。軽自動車が必要十分な性能要件を満たした現在、そんなクルマの原点を見つめ直したクルマがあってもいいじゃないかと思う。

5年先を予見した記事によると、クルマのスマートフォン化が一気に進むそうだ。ならば、スマートフォンとリンクして運転をロギングしてデータを取る。

燃費だけでなくて、クルマの適切なタイミングでブレーキ、ステア、アクセルが出来る様に促す。自分好みのアプリと連携してネットワークとの融合を果たす。ネットにつながる新しい運転の楽しさを見つけたい。その重要な役割を担うのが、クールな2シータ、ロードスターだ。


ただのコンパクトカーにその機能を融合しても、誰も憧れない。


最先端のライフスタイルにはエレガントなスポーツカーを。


カッコいいから憧れるのだ。


<まとめ>

次期ロードスターに対する暖めていた思いをぶち上げてしまった。上記提言に重要なのは、何といっても軽量な車体である。質量の増加は負のスパイラルを産むが、軽量化は全て良い方向に向く。ただ、単純な材料置換は高コストとなるので難しい所。

一度ついた駄肉は削ぐ事が難しいので、オールニューのスカイアクティブに期待したい。私をクルマ好きに誘ったクルマなのだ。是非、これからも作り続けて欲しい。

                                                                  以 上
Posted at 2011/10/16 23:43:28 | コメント(1) | トラックバック(0) | クルマ

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クルマの好きは人それぞれ。 最近私が大事にしてるのは、クルマと自分の距離感。 近いと疲れる、遠いと飽きる。 クルマのリズムが体に染み込むと、色...
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