シグナス森林鉄道 探訪 その1
投稿日 : 2014年04月21日
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「関西の身延山」と呼ばれる日蓮宗の霊場「妙見山」。
ここへ行くには大阪中心部から阪急・宝塚線に乗り、川西能勢口で能勢電鉄に乗換え、妙見口から徒歩20分のところに有る同電鉄の経営する妙見ケーブルとリフトを乗り継いで参詣します。
そのケーブルとリフトに乗り換える地点の『妙見の森ふれあい広場』付近に「かぶとむしハウス」や「クッキングセンター」などの観光施設とともに、 「シグナス森林鉄道」というトロッコ列車が運行されています。
レールゲージ(軌間)は英国ロムニー鉄道と同じ15インチ(381mm)で、なんと能勢電鉄さんの職員の手造りで車両を造り、線路を敷設して平成13年7月20日から運行を始めた鉄道です。
北アルプスでの墜落事故による怪我で入院中に能勢電鉄さんのHPを見てこの鉄道を知ってからは、ずっと訪問したくてうずうずしていました。。
平成26年4月20日(日)にようやく実現です。。
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画像は「妙見の森ふれあい広場」にある「ベガ」駅で発車を待つトロッコ列車です。
このトロッコは同駅と300m程先に有る「アルタイル」駅を結びます。
運行は土日祝日のみ、大方11時~16時30分(季節により変更有)の間で乗客が来れば随時運行してくれます。
私の訪れた時間帯(12時)は、丁度昼食の時間帯で、多くの人が野外バーベキューに興じていて、トロッコ乗り場は閑散としていました。
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画像は能勢電鉄のベテラン社員さんによって敷設された線路です。
「妙見(みょうけん)」とは「北極星(北辰)」のことをあらわしています。
シグナス森林鉄道がある妙見の森のすぐ北に位置する能勢妙見山は、北極星を守護神に祭られ、星とは深い結びつきがあるのです。
夏の夜空には天の川をまたぐように、3つの1等星が「夏の大三角形」を作ります。
3つの星とは、「こと座のベガ」、「わし座のアルタイル」、そして「はくちょう座のデネブ」です。
シグナス“Cygnus”とは、夏の星座「はくちょう座」の学名なのです。
シグナス森林鉄道は、七夕伝説にちなんで二つの駅をそれぞれ「ベガ」と「アルタイル」と名づけ、二つの星の間を乗客の幸せを願ってはくちょう座のトロッコ車両「シグナス」が天の川を翔(かけ)るように行き来するそうです。
なんともロマンチックな想定ですね~。
こんなところに能勢電鉄の社員さんの品格が垣間見られます。
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私がトロッコ車両に乗り込むと、それを見ていた家族連れが近付いてきて、「これ乗れるんですか」と聞いてきました。。
「はい、運転していると思いますよ~」って答えると、子供達が大喜びで乗り込みました。。
しばらくすると黄色いジャンパーを着用した運転士さんが何処からともなくやってきて、大人200円、子供100円の乗車券を手売りで発売。。
間もなくの発車となりました。。
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発車してすぐのところには138‰という信じられない登り急勾配があり、そこには(その2)で後述するスイスの登山鉄道や、日本では唯一大井川鉄道の井川線で使用しているラックレールが使われています。。
ラックとピニオンが噛み合う音はあまり聞こえませんでしたが、ただの遊覧鉄道ではなく、鉄道好きにはたまらない設定なのが嬉しい限りです。
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「妙見の森ふれあいの広場」は標高500m位のところに位置しますのでもしやと思って訪れましたが。。。
予想は的中し、桜が未だ咲いていました。。
私達を乗せたトロッコは、桜の花咲く森林の中を、人が歩くぐらいの速度でコトコトとのんびり走ります。
先週は未だ5分咲きでしたので、土日祝日しか運行していないトロッコとしては桜とのランデブーは正に4日くらいしか見れない超貴重なショットです。
幸運にも思わぬトロッコでのお花見となりました。。
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終着駅の「アルタイル」駅は想像を絶する急カーブでした。。
もう殆ど鉄道模型の世界ですね・・・。
線路と車輪フランジの方減りで整備には苦労していることだと思います。
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こちらは終着駅「アルタイル」駅の画像です。
「アルタイル」駅では列車を降りて記念撮影が出来ます。
運転士さんのご厚意で、小さな子供が運転席で記念撮影するなど、ほんわかとした空気が流れていました。。
今度は紅葉の季節なんかに来るのがいいかもしれませんね~。
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