「ニチラ」って聞いたことありますか? 昔、ニッサンのレーシングカーにロゴがあったかと。
東京は神谷町にあった小さなラジエータ工場が会社になり「日本ラヂヱーター」となったのが始まりのようです。その「ニチラ」ですね。
それが時代が進んで「カルソニック」になり、合併で「カルソニックカンセイ」になり、イタリアのマニエッティ・マレリを買収。だけどその後経営破綻し、現在は「マレリ」と名乗ることになったようです。最後のほうはちょっとややこしい。
昔のニッサンR380やR382の計器周りを作ったのはここのようで、カルソニック時代にはあのセナプロ時代のマクラーレンF1にラジエータを納入していたとのこと。
で、そのマレリ社の工場を見学するチャンスがありました。
訪れたのは埼玉県にある吉見工場。ここではクルマの内装のダッシュボード周りのパーツの製造やその組み立て、バルクヘッドと呼ばれるその奥の構造材の製造ラインとともに、研究デザインセンターも見ることができました。
こんなものを製造組み立てしていました。
最近よくある”ピアノ・ブラック”と呼ばれる塗装。艶がある黒い塗装なので表面に細かい傷が付きやすいのですが、それが自然治癒する軟らかい材質のペイントもやっていました。
傷が付いても、ある一定の温度以上になると自然治癒する塗装です。夏の室内の温度になれば治るらしいです。ドライヤーの温風を当てて見せてくれました。
最近のトレンドは一見普通の木目などの表面にスウィッチのサインを浮き出させる仕掛け。
その後面にはこんな仕組みが組み込まれています。
その浮き出たスウィッチサインを押すと、押された反応を指先にタッチで返してくるようになっています。こんなのも最近のクルマの価格上昇の理由の一部になっているんだと思います。
こちらはニッサンGT-Rのダッシュをレザーで巻く作業。
完全手作業です。
この丁寧な手作業を見たら助手席でダッシュに足を放り投げる(あぁお下品)なんてできませんよ。バチが当たります。GT-Rじゃやらないか。
そしてこちらはダッシュ内部に隠れるバルクヘッドと呼ぶ構造材。
マレリはやはりニッサン用の生産が多いようですが、今はトヨタやホンダ用も。このバルクヘッドはホンダ用とのことでした。埼玉はホンダだ!
これまでに見たことがある他のメーカーの工場に比べるとロボットが少なく、手作業が多いように思いました。なのに作業員があまり多くないのがちょっと気になってしまいました。端境期だったのかしら。
GT-Rのフェイシアとセンターコンソールです。
足を載せてはいけませぬ。
Posted at 2024/04/25 11:52:56 | |
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