マクラーレン 540C クーペ

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マクラーレン

540C クーペ

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★マクラーレン540Cに試乗する。コイツは戦闘力抜群のポルシェイーターだ - 540C クーペ

試乗

★マクラーレン540Cに試乗する。コイツは戦闘力抜群のポルシェイーターだ

おすすめ度: 5

満足している点
ペダルの配置はやや特殊でペダル同士が近く、そしてペダル間の段差が少なくなっています(左足ブレーキも可能)。
まるでレーシングカーのような印象ですが、ここでもマクラーレンの考え方、そもそもマクラーレンはロードカーよりもレーシングカーに近い存在ということがわかりますね。
そしてエンジンをスタートさせようとブレーキペルを踏みますが、そのタッチに再度驚かされることに。
あまりに高い剛性感は他の車では感じることができないもので、フロアに直付けされてるんじゃないかというほどですが、これもまたロードカーというよりもレーシングカーっぽいところですね。
ペダルそのものも堅牢で、通常の車のようにスチールまたは樹脂のペダルに薄っぺらいゴム+アルミ製のカバーを被せたものではなく、マクラーレン540Cではアルミブロック状の構造で、スリット部分もラバーを被せたものではなくちゃんと穴が貫通したものとなっています。
不満な点
走り始めてすぐにわかるのはやはりボディ剛性の高さ。
こういった車は超高速域をターゲットにしており足回りを締め上げているので街中を走行するとボディがシェイクされたり捩れたりする印象があるのですが、マクラーレン540Cではそれがなく、がっしりしたボディによく動く足回り、という印象。
固さはもちろんですがカドも感じさせることがない、しなやかな足回りと言えるでしょう。

室内からの見通しも良いので市街地でも不安なく運転でき、ストップ&ゴーも容易。
感心したのはブレーキのタッチで(スチールブレーキローター)、ストロークは短いのにその短さの中でかなり細かいブレーキングの調整が可能なこと。
ゆっくり停止するときの感覚が独特で、徐々にスピードを落として最後に「ビタリ」と停止するときの正確さがなんとも言えない感覚です(そのために渋滞しても苦にならない)。
なんとも説明できないのですが、「踏んでいて楽しい」ブレーキであることはまちがいなく、こういったブレーキフィールを持つ車は他にないと思います。

試乗コースである高速道路へ。
ここからが本領発揮というところですが、540馬力にデチューンされたといえども相変わらずの強烈な加速は健在で、加速しても速度感をほぼ感じないのはそのボディ剛性の高さがなせる技と言えそうですが(体感上よりもはるかにスピードが出ている)、どんなに速度を上げても排気音が大きくなるだけで振動が大きくならないのは非常に感心するところ。

この手の車は普通エンジンやトランスミッションの振動がエンジンの回転とともにダイレクトに高まるのですが、しかしこのマクラーレン540Cではそれがなく、透明感を保ったままどこまでも加速し、これはマウント類が柔らかいわけではなく、各部の精度が高いためにもともと振動が発生しにくいのではないかと思われます。

加速してエンジン回転数を上げても不快な振動が出ず、非常に快適性は高いまま。
かつ、内装が全く軋み音を立てないのも大きな美点(これは以前に試乗したマクラーレン12Cも同じでしたが)。

その後モードを「スポーツ」「トラック」と上げて行きますが、上に行くにつれてアクセルレスポンス、オート状態でのシフトアップする回転数が上に移行するのは他の車同様。
「トラック」だとメーターの表示がシフトインジケーターのようなものへ変わります。

足回りについても低速域で感じたしなやかさを維持したままで、いかに速度を上げても、いかに高い速度でカーブを曲がっても、ブレーキを踏んだとしてもほぼ車の姿勢が変わらず。
正直なところここまでフラットな姿勢を保つ車を他には知らず、こう言った走りができる車があるのか、と衝撃を受けることに。

ハンドリングは正確そのものですが中立付近でのナーバスさはなく、街中でも高速道路上でも
安心し、かつくつろいで運転が可能。
ロック・トゥ・ロックは2.5回転とクイックな部類ですが、とにかく自然なフィーリングですね。
ブレーキについても、いかなる速度域であろうとも微妙なタッチによってコントロールが容易。

要は街中だろうと高速だろうと全く同じように乗ることができ、操作に対しても同じように反応してくれる車であり、非常に素直な車だと感じます。

ぼくはマクラーレンだと他に12Cしか運転したことがありませんが、12Cで感じた過激な加速、クイックなステアリング、ガツンと効くブレーキではなく全てがマイルドに、しかし正確無比になり「コントローラブル」になった、という印象。
言うなれば人の感覚に近くなったような印象で、車の反応に人が追いつかなかったような12Cに比べて「操る楽しみ」が格段に向上しており、人と車との対話が楽しい車であると言えるでしょう。

ただ、これはマクラーレンが上述のように「アルティメット」「スーパー」「スポーツ」とラインアップを分けたことに起因していると考えられ、「スポーツシリーズ」は人と車との感覚が近くコントロール性を追求し、「スーパーシリーズ」は人の感覚をはるかに超える過激なパフォーマンスを発揮するのでしょうね(12Cしか運転したことはありませんが)。
総評
エンジンについては12Cではやや気になったターボラグも解消され、かなり鋭いレスポンスを示します。
アクセルを踏むと吸気音が大きくなってやる気を刺激しますし、タービンの回るものと思われますが金属音のようなものが「いかにも精密機械」という印象を与えてくれますね。
ミドシップでターボエンジンということから篭った音を想像しがちですが実際はかなり透明感のあるサウンドで、レスポンスよくアクセルに応じて音が変化する様は大排気量NAのようなイメージ。
室内に入る音も心地よく、変な反響音なども感じられないところが良いですね。

これはもう抜群と言ってよく、ガツンとブレーキを踏んだ際のノーズダイブ、急加速を試みた際のノーズリフトもなく、ロールも最小限(というか感覚上はほぼ無い)に。
これだけ姿勢を安定させるにはさぞ足回りが硬いのだろうと思いがちですが、実際はサルーン並みの快適性を誇ると言っても過言ではなく、しかし柔らかいと言っても上述のようにロールやピッチングがほぼ皆無。
どうセッティングすればこういった足回りになるのか全く不思議としか言いようがありませんが、マクラーレン540Cの試乗において最も印象深いのはこの「安定性」でした。

「走る、曲がる、止まる」において非常に高いレベルでバランスしており、正直それは驚愕と言って良いレベル。
ぼくは今までこう言った「人の感覚に近い」加速やハンドリング、ブレーキフィールを持つ車はポルシェしかないんじゃないかと考えていましたが(多くの車はアクセルの開度よりも加速しなかったり加速しすぎたり、ブレーキを踏んだ分より効きすぎたり効かなかったり、ハンドルを切った分よりも曲がりすぎたり曲がらなかったりする)、マクラーレン540Cはポルシェのレベルを超えており、かつ操作を行うステアリングホイール、ペダルの取り付け精度や剛性もポルシェより高いと言えるでしょう。
※ここでいう「ポルシェ」とは価格帯が競合するポルシェ911ですが、ボトムが1000万円のポルシェ911とボトムが2000万円のマクラーレン・スポーツシリーズを比較することは、911にとってアンフェアであるのは間違いない

逆にフェラーリやランボルギーニのようなイタリアンスーパーカーとは完全に異なる性格を持っており、それらとの比較はあまり意味がないのかも、とも思いますし、実際に購入を検討する人はあまりこれらと迷わないかもしれませんね。

というのもポルシェはスポーツカー=日常性と定義しており、フェラーリやランボルギーニはスポーツカー=非日常性と考えていると思いますが、マクラーレンの考えるスポーツカーもまた「日常性」なのではないか、と思うのです(特にスポーツシリーズにおいて)。

ただし決してポルシェが劣るというわけではなく、マクラーレンの方が設計段階から「切り捨てて良いもの」が明確になっているためにこう言った差異が生じると思われ、マクラーレンがその多くを切り捨てた「実用性」というファクターを加味するとポシェに軍配があがるかもしれません。

しかしながら方向性が似ていることは間違いなく、これはポルシェオーナーこそ一度試乗してみる価値がありそうですね。

「スポーツカーにこれ以上求めるものは何もないいんじゃないか」と思えるほどのマクラーレン540Cですが、この価格でこれを実現できるのは驚きとしか言いようがなく、そのスタイリング、カーボンモノセル、レーシングカーのようなぶっといサイドシルや頑強なペダル類、何と言ってもガルウイングドア(ディヘドラルドア)という排他的要素を備えており、それらは「乗るたびに」視覚や触覚を持って体感できるため、所有する満足感はかなり高いと言えそうです。
走行性能
無評価
かねてより試乗したかったマクラーレン540Cに試乗。
カーボン製のバスタブシャシー、3800CC/V8ツインターボ、ガルウイングドアを持ちながらも価格2188万円と破格とも言える安さを持つマクラーレン540C。
基本的にマクラーレンはどのモデルも同じ構造とエンジンを持ち(540/570は第二世代のカーボンシャシー”モノセルⅡ”)、後はチューニングの差だけなので、540Cはある意味「もっともお買い得」なモデルと言えます。

マクラーレン540Cは570Sとともにエントリーレベルの「スポーツシリーズ」に位置付けられるモデルで、マクラーレンはP1の属する「アルティメットシリーズ」、650S系の属する「スーパーシリーズ」にてそのラインアップを構成しています。

スポーツシリーズの中でも540Cは特に「求めやすい」価格設定となっており、アジア地域のみで販売される戦略的モデルで、そのために価格も相当に競争力のある値付けに。
540C/570Sと650S系との差異ですが、主には下記の内容となっており、これらがコストの差と考えて良いでしょうね。
・エンジン出力変更(650馬力→570/540馬力)
・サスペンション変更(プロアクティブシャシー→コンベンショナルなダブルウイッュボーン+アンチロールバーへ)
・ボディ外板がコンポジット素材からアルミへ
・アクティブエアロデバイス廃止
・カーボンモノセルが「カーボンモノセルⅡ」へ(これはコストダウンではなく改良)
乗り心地
無評価
マクラーレン540Cと570Sはほぼ同じ外観を持ちますが、両者には微妙に違いも。
フロントスポイラー、サイドウイングの形状は540Cの方がおとなしく、570Sの方がより張り出しが大きく。
さらにはリアディフューザーとともに570Sは塗装仕上げとなっています。

ヘッドライトはマクラーレン特有の形状となっており、ドア形状も上に開く「ディヘドラルドア」を採用しているのも他のマクラーレンと同様。

ドアが前から後ろにかけて大きく抉られ、Cピラーとともに空気の流れをコントロールするようにデザインされていますね。

さてドアを開けて乗り込みますが、まずドアの開閉装置がどこにあるのか不明。
ドアの凹みの中にあるスイッチを探り当て、スイッチを押してロックを解除しドアを上に持ち上げますが、やはりドアが上に開くのはスーパーカーっぽくて良いですね。

乗り込もうとして気づくのはカーボンセバスタブシャシーが第二世代の「カーボンモノセルⅡ」へと進化しているため、足を入れる部分がぐっと低くなっていること。
これによって乗降性は劇的に改善されており、一旦サイドシルに腰掛けて体を回転させるような乗り方をしなくても済むようになっています。
それでもサイドシルが高く太いことには変わりなく、この部分だけでも「この車が普通の車ではない」ことが改めて思い知らされることに。
シートに腰を下ろしてドアを閉めますが、シートに座った位置からでもドアを閉めることができるのは美点と言って良いでしょう(ガルウイングドア採用の車は、一旦座るとドアノブに手が届かない=座りながらドアを閉めなければならないものがある)。

室内の雰囲気は12Cや650Sから大きく変わってはいませんが、センターコンソールやドアの内張りなど意匠変更を受け、デザイン性が大きく向上。
グローブボックスも装備された上にドアにはフラップ付きの小物入れが設けられ、さらにはカップホルダー(ドリンクホルダー)も装備。
この辺りランボルギーニ・ウラカンよりも利便性が高くなっています。

他に気づくのはセンターコンソールが異常に細く、運転席と助手席との距離が近いこと。
これはロールセンターの適正化を重視した結果と思われ、マクラーレンの考え方がよく表れている部分でもあります。
スイッチ類は非常に少なく、最小限にまとめられている印象がありますね。

なお試乗車にはオプションの電動シートが装着されていましたが、その操作方法がかなり特殊(特にスイッチの位置)。
外からのドアの開閉についても同様ですが、この辺りは「オーナーにしかわからない」ような、一般的ではない方法を取っているのが面白いですね(TVRでも同じでしたが、これは英国の一つの流儀なのかもしれない)。

フロントウインドウの左右が広くなり、ウインドウ下側も大きく下がったので視界は非常に良好。
この辺りポルシェ、フェラーリ、ランボルギーニと比べても運転席からの見通しは良いと言えそうです。
リアクオーターウインドウからも後方確認ができ、リアウインドウからの視界もまずまず(熱線も入っている)。
外観から想像するような視界の悪さはなく、日常的に運転するにも差支えはなさそうです。

ドアミラーは小ぶりですが車体の外側にかなり飛び出しているのでかなりの範囲をカバーしてくれます。
ステーの形も独特で、ミラーに映るリアフェンダー共々、「今自分はスーパーカーに乗っている」ということを強く意識させてくれますね(こういったところは大事)。

1202ミリとかなり低い全高にかかわらず頭上はかなり余裕があり、これはヘルメット着用時でも圧迫されることがなさそうです。

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