2024/04/04
トルクレンチで締めれば完璧?(1)
昨今はトルクレンチが普及し、更にはデジタル式の安価なものも登場しているので、持っている方も多いと思います。
自分の父は某タイヤメーカーのエンジニアだったにも関わらず、なんでもバカ力で締めるクセがあって、若い頃、親父が締めた家の車のタイヤを外すのに苦労した記憶があるので、トルクレンチが普及すること自体は良いことなのですが、それと共にトルクレンチを過信するというか、中には「トルクレンチ信者」みたいな人がいたりします。
(1)タイヤをトルクレンチで締め付ける際、3N・mの違いは重要か?
例えば、知恵袋で「タイヤを取り付ける時に100N・mで締めたが、メーカー指定が103N・mだった。締め直したほうがいいか?」みたいな質問があったり、Youtubeなどの動画でちょっとでもカチカチすると、「それじゃオーバートルクだよ」と訳知り顔で書き込む人がいたり・・・
更には、トルクレンチに関しても「一流品じゃなきゃ精度が低いのでダメ」とか、「定期的に校正しないとダメ」とか、さも解ったかのように言う人がいます。
でも、そういう人達って、果たして
本質を理解しているのか疑問です。
(2)肝心なのは、締め付け力ではなく軸力
そもそも、なぜ締め付けトルクが指定されているかというと、締め付け力そのものが重要なのではなく、ボルトの軸力が重要だからです。
以前にも「摩擦接合においては軸力が重要」だと書いたと思いますが、そもそもトルクレンチは締め付け力によって軸力を「推定」するもので、軸力管理の方法としては極めて簡便な方法です。
なので、「締め付け力=軸力」ではないのです。
実際、あるネジメーカーで校正直後のトルクレンチを使って、年齢や熟練度の違う様々な男女を選び実験して貰ったところ、軸力には実に±30%もの差が出たそうです。
±30%ということは、標準を100とすれば70~130なので、最大で倍近い差が出たということになります。
もちろん、ある程度熟練した作業者であれば、ここまでバラつくことはありませんが、一流メーカーのトルクレンチを定期的に校正して貰うなどして、締め付け力を揃えたつもりでも、肝心な軸力を揃えるのは不可能なんです。
続く
Posted at 2024/04/04 09:39:18
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