仮面ライダーは現在も続く特撮ヒーロー番組であるが、その第一期のファイナル作品がこのストロンガーである。
カブトムシをモチーフにしたデザインは力強いイメージを作り出した。
主人公である大学生の城茂は、悪の組織ブラックサタンに親友を殺された恨みを晴らすため、自らブラックサタンに乗り込み、改造人間になり悪事を働いてみたい…と改造手術を受けることを志願し、改造電気人間となった。

しかし、自己催眠装置(これがイマイチ不明なのだが)により脳改造を免れ、ブラックサタンを裏切り(当初からそのつもりだった)脱走。
その際に囚われの身だった岬ユリ子を解放し、共に脱走。
ふたりでブラックサタンを壊滅させるために戦うことになった。
城茂を演じたのが、先日お亡くなりになった荒木しげるさん(当時の芸名は荒木茂)
ちょっと口の悪さがアレだったが、それが城茂らしいとの評価。
しかし、徐々に礼儀正しい言葉遣いにされてしまい、らしさが薄れてしまったのがチト残念ではあったが。

岬ユリ子は改造電波人間にされており、脳改造前に城茂に助けられた。
その変身した姿が「電波人間タックル」(→)である。
仮面ライダー史上、初めて女性の改造人間が登場したんだけど、半分顔出しのマスクはライダーマンのようだけど、極端なミニスカート姿に微妙なお色気路線を狙ったのかな~と思う。
岬ユリ子(とタックル)を演じたのは岡田京子さん。なんと当時16歳だったというが、もっと大人びた感じがあった。

その後、茂とユリ子は歴代の仮面ライダーと共に戦ってきた立花藤兵衛(おやじさん)と出会い、いっしょにブラックサタンと戦うこととなった。
藤兵衛はそれまでのように住居を構えていないようで、ジープに乗り日本全国を回っていた(新たに優秀なバイクレーサーを探す旅に出ていると言っていたのだが)
相変わらずの熱血漢であり、茂に的確なアドバイスをするなど、茂とユリ子の心のサポートをしていた。
その敵であるブラックサタンの幹部はタイタンである。
普段は人間の姿で行動し、獣の能力を備えた改造人間「奇っ怪人」に指令を出し、世界征服を実行しようとするが、ことごとくストロンガーに邪魔をされ、ストロンガーを敵対することに。
このタイタンは冷血な性格で、作戦遂行のためなら部下であっても捨て駒のごとく扱った。
まあ、それまでの仮面ライダーの敵の幹部はそういう性格のヤツが多かったっちゃそうなんだけど、このタイタンには敵対する幹部が存在した。
それがジェネラルシャドウだ。

シャドウはブラックサタン首領が“魔の国”から呼び寄せた、いわゆる“外様”幹部。
トランプ占いで作戦を決め、女子供を人質にするなどの行為が嫌い、無益な殺生を好まない。
それでいて気分屋であり、プライドが非常に高い。
そんな性格故、タイタンの卑怯な作戦が気に入らず、ストロンガーにタイタンの作戦を漏らすことすらあった。
ストロンガーを倒すのは自分である…と公言し、タイタンの作戦を妨害…。
ん?こういう仲間割れの組織がなんかあったな~。
おおっ、これってマジンガーZのあしゅら男爵とブロッケン伯爵が、まんまこんな感じだったジャン!
それにしてもシャドウの容姿はインパクトあったな~。透明なケースに収まる頭部の気味悪さは、蛙の卵っぽいというか生春巻きっぽいというか…。
ブラックサタンは最終的にシャドウの策略で弱体化し、ストロンガーにより壊滅したのだが、その後にシャドウをリーダーとしたデルザー軍団がストロンガーと対峙することとなった。
デルザー軍団の改造魔人と呼ばれる怪人たちは、ブラックサタンの奇っ怪人よりも数段強力で、ストロンガーは当初全く勝てなかった。
ストロンガーの戦力は非常に高く、ブラックサタン相手ではまともに戦えば負けそうなイメージはなかったのだが、デルザー軍団には全く歯が立たない状態で、ちょっと見ている側としてはショックだったかも。
その後、ストロンガーはデルザーの魔人に破れ、体に大きなダメージを負ってしまう。
そこに偶然現れたのが、元ブラックサタンの科学者だった正木博士という人物。
彼は超電子ダイナモを作り上げ、それをストロンガーに移植してパワーアップさせた。
これによりストロンガーはデルザー魔人に引けを取らない戦力を得て、次々に魔人たちを倒していくことに。
その頃、世界中に居るデルザー魔人と戦っていた歴代の仮面ライダーが続々と帰国してくる。
これはストロンガーの視聴率が想定よりもよろしくなく、仮面ライダーシリーズの幕を降ろすという決断がされたためで、最後を飾るに相応しい展開をと企画されたという。

もちろん、歴代ライダーを総出演させるだけならば難しいことはなかったが、今回は変身前の姿で全員揃えるということをした。
そうなると、各俳優のスケジュール合わせが大変だった。
本郷猛役の藤岡弘さんからアマゾンの岡崎徹さんまでが揃ったシーンは最終回のみで実現された。

こうして、変身前の姿が揃ったのはこれが最初で最後となった。
残念だったのは、1号2号の変身シーンが無かったことだが、スケジュールの都合で実現できなかったらしい。
こうして7人の仮面ライダーが集結して、デルザー軍団とその背後にいた岩石大首領(実はこれがショッカー以降の組織を牛耳っていたという)を倒すことに成功、仮面ライダーシリーズはここで幕を降ろした。
まあ、その4年後に新シリーズが始まるのだが、歴代ライダーが客演することはあっても、全てのライダーの変身前の姿が揃うことはなかった。
ライダーマンの結城丈二役だった山口暁さんが41歳という若さで他界されたのがその要因のひとつだが、今回ストロンガーの城茂役だった荒木しげるさんがお亡くなりになったことにより、またひとり「栄光の7人ライダー」から欠員が出てしまった。
なお、岬ユリ子役だった岡田京子さんは1986年に27歳の若さで亡くなっており、立花藤兵衛役だった小林昭二さんは1996年にお亡くなりになっている。
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Posted at
2012/04/18 09:52:56