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2018年07月26日

リンカーン・コンチネンタル・マークV ~その誕生まで~

 今日、インターネットで「コンチネンタル・マークV」と検索しても、日本語で得られる情報は中古車の広告か(マークシリーズではない)リンカーン・コンチネンタルについてが大半で、稀に見つかる記事も間違った認識や推測で書かれたものが殆どです。そこで、今回から数回に分け、私が知っている範囲でコンチネンタル・マークVのことを書いてみようと思います(画像等はネットからの拾いものです)。

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 コンチネンタル・マークVのコンセプトは、1969年モデルとして前年の4月から販売が開始されたコンチネンタル・マークIIIが原型となっています。

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1969年 コンチネンタル・マークIII

 1965年に当時のフォード社副社長だったリー・アイアコッカは、1967年にモデルチェンジが予定されていた第5世代のフォード・サンダーバードをベースとして、ロールスロイススタイルのグリルを装着したパーソナルラグジュアリークーペを企画するよう指示し、コンチネンタル・マークIIIが誕生します。

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1967年 フォード・サンダーバード

 ミシガン州のウィクソム工場で生産を開始したコンチネンタル・マークIIIは、フォード・サンダーバードを約140lb(64 kg)上回る4,866lb(2,207 kg)の車重がありましたが、リンカーン・コンチネンタルと共通の365bhpを発生するフォード385シリーズ460cu in(7.5L)のエンジンにより、十分な動力性能を備えていました。
 コンチネンタル・マークIIIはデビューした当初、メディアではさんざんな評価がなされましたが、1971年までの3年間、ライバルであるキャデラック・エルドラードとほぼ同数を販売し、その高い利益率と相まって著しい商業的成功を収めました。
 1972年には、マークシリーズの第二世代であるコンチネンタル・マークIVが、兄弟車である第6世代のフォード・サンダーバードと共に発売されました。

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1972年 フォード・サンダーバード

 コンチネンタル・マークIVは一層のコストダウンを図るために、フレームだけでなくルーフラインとドア、インナーボディパネルをフォード・サンダーバードと共用していましたが、よりシャープなエッジのフェンダーとロールスロイススタイルのグリル、バキューム開閉式のヘッドライトカバー、 コンチネンタルスペアタイヤスタイルのデッキリッド等、コンチネンタル・マークIIIからの伝統的なスタイルをうまく引き継いでいました。エンジンはコンチネンタル・マークIIIから引き続いて365bhpの460cu in(7.5L)が搭載されています。
 また、この年から全てのグレードでバイナルトップが標準装備となり、クォーターピラーにはオプションでオペラウインドウが設定されました。このオペラウインドウは1983年にコンチネンタル・マークVIが生産を終了するまで、コンチネンタル・マークシリーズに継続して採用されることになりました。

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1972年 コンチネンタル・マークIV
(前後とも5mphバンパーが装備されない唯一のモデルイヤーでした)

 1973年になると、米国国道交通安全局(NHTSA)の規制により、フロントエンドに5mphバンパーが装備され、オプションだったオペラウインドウは全てのグレードで標準装備となります。また、この年からEPAの排ガス規制が始まり、触媒装着に伴う無鉛ガソリンに対応するため、圧縮比が落とされたエンジンの出力は、同時に開始されたSAEネット馬力での表示と相まって、212hpに低下しています。

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1973年 コンチネンタル・マークIV
(フロントには5mphバンパーが装着されています)

 1974年、リアエンドにも 5mphバンパーが装備されたのに伴い、テールランプがバンパー内から車体側に移設され、 ブレーキブースタが真空式から油圧式に変更されました。また、新しいフルトランジスタ点火システムによって、機関出力は220hpに向上しました。

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1974年 コンチネンタル・マークIV
(この年から前後とも5mphバンパーが装着されます)

 1975年には4輪ディスクブレーキが標準となり、スピードコントロール、チルトステアリングホイール、パワードアロック、リモコントランクリリース等の新たなオプションが設定されました。

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1975年 コンチネンタル・マークIV リップスティック・エディション

 1976年、マークIVの最終年度です。この年は、ますます厳しくなる排ガス規制の影響で、エンジンの出力が202hpに低下しましたが、4種類の「デザイナーズシリーズ」特別版オプションパッケージが新たに導入されました。デザイナーズシリーズは、当時のトップファッションとジュエリーデザイナーである、Bill Blass、Cartier、Givenchy、Emilio Pucciの各ブランドを冠した4種のスペシャルエディションで、オペラウインドウに各デザイナーブランドのロゴが配されており、各々のボディカラーは下記のような組み合わせとなっていました。

シリーズ名 ボディカラー トップ&モールカラー
Bill Blass ダークブルー クリーム
Cartier ダブグレー ダブグレー
Givenchy アクアブルー ホワイト
Emilio Pucci レッド シルバー


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1976年 コンチネンタル・マークIV カルティエ・エディション

 1972年からの5年間、コンチネンタル・マークIVは常にキャデラック・エルドラードの販売台数を上回り、空前のヒット作としてフォード社の歴史にその名を刻みました。
 そして、1977年、マークシリーズの第三世代となるコンチネンタル・マークVにバトンタッチします。

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1977年 コンチネンタル・マークV

次回からは本稿の主題である、コンチネンタル・マークVについて書いていきたいと思います。
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Posted at 2018/07/26 23:44:44

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「@デジT さん
コメントありがとうございます。このようなバカげた車が販売されることは今後ないでしょうねー」
何シテル?   01/26 08:26
ごくフツーのしがないサラリーマンです。 少し前まで軽くて速い車が好きだったのですが、いつの間にか趣味で所有する車が2台とも「フレーム構造、車重2t超、規格灯丸...
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