本革製　カメラケースを生き返らせる

頂き物のMFカメラ
「アサヒペンタックスK2」には、本革製カメラケースが付属していました。

ヒビ割れやカビの繁殖は免れたようですが、さすがに年代物なので革が劣化し、見た目も手触りもよくありません。

革製品の手入れに使うような用品を準備し、復活させてみようと思います。

上段半分：
まずはよく売っているウエットシートタイプから試してみました。
こうやって比較するとそれなりに効果があるように見えますが、やや時間をおくと表面は乾燥し、ほぼ元の状態に戻ってしまいます。
もうちょっと状態のいい革製品の、普段のお手入れに向いているようです。

下段半分：
一度全体をウエットシートタイプで清掃した後、今度は革製品の本格的なお手入れ用品としてよく目にする「ミンクオイル」を半分に試してみました。

こちらはスゴイです。
さすがはミンクオイル！！
ミンクオイルといってもミンクから取れるオイルじゃないようで、蝋などの油脂類と有機溶剤が主成分のようです。

塗り込んでしばらく浸透させた後拭き取りました。

見違えるようにキレイになったのですが・・

こうなってみると、ちょっとしたスレやモールの欠けなどの細かい箇所の損傷がヤケに目につきます。

両肩や底の角など、あちらこちらに損傷があります。

周辺がビシッと黒く引き締まった分、地色が出てきそうな箇所が目立ちます。

そこで「染めQ」の登場です。

せっかくオイル仕上げしましたが、補修したい箇所はベンジンで脱脂しておきました。

プライマーもありましたが、今回は使っていません。
本革のように多孔質な表面を持つ素材は
「染めQ」の得意分野です。

部分的にですが、一度ではなかなか染まらないので数回に分けて。
実はスプレー残量が寂しかったので、かなり節約して使いました。

十分染まってしばらく置いたら、脱脂した箇所を含め再びオイル仕上げ。

よく擦り込んで仕上げますが、先にある程度浸透させていたので少量で十分です。

ムラ無く塗り広げると、若干染めQの色が付いてきました。
これは色落ちではなく、脱脂していない箇所に付着したミストが落ちた物と思われます。

同時進行で進めたレンズケースの色はがれもこの通り。

劣化して剥がれた表面は取り戻せませんが、白っぽい下地を隠すだけでもだいぶ違って見えます。

一部染めQでも染まりきらないモールの欠け断面部などは、油性ペンでタッチアップした後に染めQで整えるなどの隠し技もあり。
その甲斐あってシャキッと仕上りました。
オイル分のベタツキが気になったので、最終仕上げにウエットシートタイプで拭き上げて表面を整えるといい感じの手触り。

最初の白くぼやけた状態からは考えられない質感です。
製造されて３５年以上経っていると思われるこのカメラケースですが、まさに作られた当時のままにシャキッと甦りました。