『ジャンゴ 繋がれざる者』

クエンティン・タランティーノ監督作品にしては随分まともな「正統派亜流西部劇」でした。
タランティーノらしいエグ味の効いた正統派マカロニ・ウエスタン。
名作マカロニ・ウエスタンへのオマージュが随所に彩られていて、ジュリアーノ・ジェンマやクリント・イーストウッドやセルジオ・レオーネ監督が好きな人には堪らない作品です。

初の悪役を演じたレオナルド・ディカプリオがとてもいい味出してました。
でも、黒人奴隷制度のアメリカ南部の大農園のボンボンは、果たして悪人だったのか？
とも思ったりしました。
当時黒人奴隷制度が存在してた訳です。
黒人は人と見なされず。馬以下の道具として売買されていた時代。
そんなアメリカ南部の「常識」を備えた『風と共に去りぬ』ばりの大邸宅に住むフランスかぶれのボンボン。
そのボンボンが語る「生物的にニガー（黒人）は従属性がある」って持論は圧巻でした。

この映画の舞台の２年後にアメリカ南北戦争が始まる事になる訳で、クエンティン・タランティーノらしい奴隷解放１５０周年作品でもありました。
この作品観たあと連続して、これから公開されるスピルバーグの『リンカーン』観れば、アメリカの一つの時代を学べるかも。