『ラブ＆ピース』

オイオイ、園子音監督作品だろ、
ハートフルじゃねぇか、
泣かせるなよ（＾＾；

中島哲也監督作品『パコと魔法の絵本』は駄目だった私ですが、この園子音監督作品はイケました。
全編にわたってミドリガメのラブちゃんこと「ピカドン」がカワイイ♪
カメを飼いたくなってしまった（笑
家族全員で観に行ける作品です。
が、毒は全編にまき散らされているのでご注意。
ただしこの毒は避ける事も可能で、避けた自分を顧みさせる事が監督の狙いかもね。

ロックシンガーになる夢破れたしがないサラリーマンがふとしたきっかけでミドリガメを飼う事に。
意味なく耳に届いた言葉から「ピカドン」と名付けて愛情いっぱいに育て始める。
でもいっときの心の乱れから大事な「ピカドン」を捨ててしまう。
「ピカドン」こそ自分の心のピース（破片）だったと気付いた彼は、後悔を即興の唄にして絶叫。
『ピカドン　お前を忘れない～♪』
この即興曲が音楽プロデューサーの耳に届き・・・・

別に「ピカドン」って言葉にカメの名前以外の意味を持たせなくても、劇中に描かれるピカドンを知らない人たちでも、話は成立して進行します。
捨てられたピカドンが流され辿り着いた下水道での物語も、毎年の年中行事をどう捉えるかは観客しだい。
ただ、「おまえはどう捉えた？」って園子音監督の薄ら笑いが聞こえてきそうです。

クライマックスは圧巻。
劇場に足を運んだら、大きなラブちゃんに出会えます（笑
ラストシーンも余韻を残しての断ち切り方が心地いい。

最期に、この作品
復活する庵野秀明版『ゴジラ』に対して、
もう一方の雄の復活の狼煙ととらえて良いですか？