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Step-tronicのブログ一覧

2015年09月12日 イイね!

E36 カブリオレ 純正サスペンションの謎 Part2

さてさて、そんなわけでPart2です。

2013年あたりからの話になります。


件の325iカブリオレが嫁いで来ることになり、一通り各所の消耗部品をリフレッシュして乗り始めました。

この個体、前オーナーが老紳士だったこともありデッキ以外はフルノーマルでした。
個人的にも、まずはノーマルの状態を知っておくことが大切と考えノーマルの良い状態に戻したわけです。
その際サス周辺に関してはディーラーにて足回りブッシュ・マウント類とダンパーを新品に交換しています。


ある程度クルマに慣れてきた時に思ったのが、「スポーツサスペンションて割には柔らかいな」ということです。

当時のBMWはストロークを生かした乗り味であることは知っていましたし、高速走行時のショック吸収は惚れ惚れするほどでした。
ところが、下手くそドライバーなりにカーブで頑張ると車重に負けている感じが割と感じられるのと、あまり純正スポーツサスという感じがしないな、と思ったのです。

もちろん、E90・87のMスポサスのように硬いを通り越して痛い部類の物と比べている訳ではないのですが・・。


折しもこの時期、現在お世話になっているショップにE90共々よく入庫しており(現在もですが)、何台かE36(どれも偶然にも状態の良いノーマル個体)に乗らせて頂くことが出来ました。

最初に乗ったのが96年の323iで、これに乗った時「あれ、サスの感じが自分のカブリオレとあまり変わらない?」と感じました。
もちろん、車重の違いやセダンとカブリオレのボディの差はあるのですが、サスの雰囲気というか、ロールの仕方やショック吸収の仕方がよく似ているな、と感じたのです。



ここで、「ひょっとして、自分のカブリオレにはスポーツサスペンションが付いていないんではないのか」と疑問に思い始めたのです。



実は、この他にもそう思わせる要素が幾つか出てきていました。

その一つが、新車オーダー時のオプションコード。

車体番号を入力すると新車時のオーダー内容を見られるページがあるのですが、
そこで出てくる我がカブリオレのオーダー内容には、「スポーツサスペンション」のオプションコードが見当たらなかったのです。
ただ、もし「日本仕様」のオプションコードにスポーツサスが含まれてしまっていたら、出てこない可能性もあるのかも、と素人なので考えました。


もう一つが、カタログ類です。
94モデルの325iカブリオレのカタログと、97モデルの328iカブリオレのカタログが手元にあるのですが、そのどちらにも装備内容に「スポーツ・サスペンション」の記述が無いのです。


さらに、2007年頃の旧型車向け純正アクセサリーカタログがあるのですが、その中に「Mスポーツサスペンション」(のE36向け後付キット)というものがあるのです。
この項目に、ti・セダンとともに、「カブリオーレ」の設定があります。
また、クーペは設定がありません。

クーペに設定がないのに、すでにスポーツサスペンションが付いているはずのカブリオレだけ後付キットがあるのは何でだろう、と思うわけです。


また、英国仕様の94モデルのカタログ(スポーツサスは全車オプション扱い)を見ても、日本仕様と全高が同じ(1348mm)なのです。(ただし、スポーツサスによって全高が下がる、とも書いていないのですが)



こんなこともあって色々と悶々としていた時、ショップに1台のE36セダンが現れました。
たまたま縁あって買い取りで入ってきたアヴスブルーのそれは、E36セダンの最終限定車「320i スペシャルエディション」だったのです。


この個体、その後代車として配備されファイナル変更のきっかけを作ったりもするのですが、その話はまた今度ということで。
さてさて、ここで勘の良い方なら既にお気づきだと思います。


このスペシャルエディション(海外ではスポーツエディションとも呼ばれていたようです)、純正スポーツサスペンションが標準装備なのです。

さらに、差し支えない範囲で伺った話ではこの個体もご高齢な方のワンオーナー車で、ホイールがスポパケ標準のダブルスポークに変わっているのとヘッドライト以外はフルノーマルというものでした。

で、その320が代車となりお店に置いてあったある時に店長さんが言う訳です。
「Step-tronicさん、この320乗ってきてみて下さい。割と調子いいですよ。」と。

思いもかけず純正スポーツサスペンション車に乗る機会が訪れました。


お言葉に甘えて当時好きだったアヴスブルーに乗り込み、お店を出て片道15分ほどのドライブ。

運転ヘタクソ鈍感ドライバーの僕でも流石にこう感じました。

「これ、どう考えても自分のと足回りの味付けが全然違う」

ダンパーは抜けかかっていましたしブッシュ類も完調とは言いがたい状態でしたが、
それでも曲がり方がぜんぜん違うのです。
ハンドルを切り始めて外側に車重が乗っかり始めて乗っかり切るまでの動きが、自分のカブリオレや323セダンの「ストン」ではなく「スッ」と自然に行ける。
ハンドルの切り方とロールの仕方がシンクロしている感じ、というのでしょうか。
小難しい専門的な事はよく知らないので上手く書けませんが。


もちろん、軽量なM52エンジン車かつ6発中最軽量の320であること、セダンとカブリオレの違いはありますが、それを込みにしてもこの曲がり方は違いがありすぎる。
ここで感覚としては、自分のカブリオレにスポーツサスペンションが付いていないことは確信していました。

(後に323iクーペ スポーツパッケージに短時間触れる機会があり、同様の感触を得て確信が深まるのですが。)

ただ、本当にそうなのかどうかを確かめるのが難しいと考え始めました。

何か確証が得られるものはないのか、とETKを見ていた時、ふと気付きました。

ノーマルサス車とスポーツサス車でスタビの径が異なる、ということです。
M3以外のE36は、ボディ形状やエンジンに関係なく基本的にスタビの径(というか品番)は共通になっていることがわかりました。

ノーマルサス
F:24mm
R:15mm

スポーツサス
F:25.5mm
R:18mm

となっています。

フロントはともかく、リアは3mmも違うわけですから、自分のカブリオレに付いているスタビとスポーツサス車のスタビを測って比べてみれば良いじゃないかと思ったのです。
さすがに、スタビだけスポーツで他がノーマルなんてトンチンカンなことはないでしょうし。

ところが、先の320iスペシャルエディションは生憎代車で出ずっぱりとなった後、良縁に恵まれ遠隔地に嫁いで行ってしまいました。
お店に入庫するのはM3とノーマルサス車ばかりでスポーツサス車がなかなか来ない。

さて困ったと思った矢先にようやくお見えになったのが323iセダンのスポーツパッケージ。
おまけに天が味方したのか作業内容が社外スタビへの交換。
当然純正スタビは外されるわけです。

早速自分のカブリオレのスタビとそのセダンのスタビを並べて同一箇所で測って頂くことに。
まずは差の大きいリアから。

先にセダンの方を測って頂きます。
「18ミリですね。」

で、ドキドキの自分のリアスタビ。
「Step-tronicさん、15ミリですよ15ミリ。言うとおりですね!」

もうこの瞬間よっしゃあという感じでした。

念のためフロントも測ってみると、こちらも細かい数字ながら正確に24ミリと25.5ミリでした。

ここでようやく、自分のカブリオレにはスポーツサスペンションが付いていないことが確実になったわけです。

こうなったら自分のカブリオレをスポーツサスペンション仕様にしてやろうではないの、と意気込み一式揃えて(スタビはラッキーにも先述のセダンから外したものを頂けました)付けました。

結果から言うと、カブリオレだとちょっと話が難しくなるのかな、と。
スタビの効きが良いのかロールのし始めは確かに良かったのですが、その後が320ほどしっくりこないというか、もう一段傾いてしまうような感じがしたのです。
その割に跳ねが出るように感じ、悪くはないんだけどこれじゃない感じというか。




一因として、少し前から付けていた17インチホイールの影響があると思います。


個人的には、乗り心地最優先なら205/60の15インチ、運動性と乗り心地のバランスが良いのが205/55の16インチではないかなと思っています(実際に履いていました)。

いくら純正オプション品(クロススポーク コンポジット2)とはいえ前後225/45R17はカブリオレにはオーバーサイズで荷が重いことは分かっているのですが、こればかりはE36に乗るなら絶対にこのホイールを付けたい、と昔から思っていたものなので誰に文句を言われようと外せないものなのです。



あとは、「カブリオレのスポーツサス」であることもあるのかな、と思っています。
スプリングに関してはモデル個々で品番が違うそうで、そこから恐らくカブリオレの車重に合わせたものが設定されているのではないかと思うのです。

それもあって、320セダンのようにはいかなかったのではないか、と。

それなりの期間をスポーツサスで過ごした後、最終的にはスポーツサス用スタビ+ビルシュタイン B12プロキットという組み合わせに落ち着きました。
色々と意見はあるとは思いますが、僕は見た目含めて現状に満足しています。
他に試してみるとすれば、アルピナのシャーシキットかな、というところです。
(日頃の行いが悪いせいか、スポーツサスを揃えた段階でたまたまカブリオレ用アルピナサスキットの話が来てしまったという経緯があります。)


さて、えらい長くなってしまいましたが、最後に一つ疑問が残っています。
なぜ当時の一部雑誌媒体はカブリオレにスポーツサスが付いているという記述をしていたのかということです。
先に紹介した「くるまにあ」以外にも、雑誌名は思い出せませんが他にもそう書いている雑誌はいくつかあったと記憶しています。

あり得るのは、クーペにスポーツサスが付いているのでカブリオレにも付いていると勘違いした。
当時の雑誌はテキトーな記事が多く、誤った記述はザラにありました。

もう一つ考えられるのは、僕の勝手な憶測なのですが初期に導入された広報車にはスポーツサスが本当に付いていたんじゃないかということです。

というのも、導入初期に雑誌に登場していた325iカブリオレの広報車は主だったもので2台存在し(千葉33 43-29 モントリオールブルー/千葉33 43-33 カリプソレッド 他にアルピンホワイトがあったはず)、そのどちらもどういう訳かサイドスカートがM仕様のものが付いているのです。
その後の広報車では、通常のものが付いています。




この「サイドスカートだけM仕様」というのは、カタログにも何カットか登場しており、わざわざ注釈で「サイドスカート形状が異なります」と書かれています。
ご存知の通りカタログ写真は海外仕様と共用しており、同じカットがあるのですが例えばイギリス仕様では同じカットが逆に通常のサイドスカートになっています。

こうした「ゴタゴタ感」から、本当に憶測に過ぎませんが初期の広報車には何かの事情でスポーツサスペンションが付いていたのではないかと思うのです。
たまにありますよね、広報車や初期導入車にだけ付いていた装備が無くなるようなケースが。


まぁ、単純に僕のカブリオレにだけスポーツサスペンションが付いていなかった、というオチなのかもしれませんが・・・。
年次改良で95モデルには付いていなかったのかもしれませんし、今となっては本当のところは当時ジャパンの中に居た人くらいしかわからないのかもしれませんね。


長々とした駄文にここまでお付き合い頂いた方、本当にありがとうございました。
訂正などあればお気軽にどうぞ。



ーおまけー

くるまにあ 1998年9月号のE36特集で車種別の解説を書いているのが、数少ない信頼の置ける自動車評論家である「沢村慎太朗」氏でした。

(以前紹介したE39 スポーツに着眼している方でもあります。)


現在より文章はややチャラいですが、内容はさすがでグレード別の違いのみならず、M50からM52への変更点にも触れられていたり、悪い所は悪いとズバッと書いており現在でもとても有用です。
BMWの言いなりで右に習えの提灯評論家の方々(誰とはいいませんよ、誰とは。H.HさんとかK.Kさんとか誰ですか知りません)とは大違いですね。


それにしても、「くるまにあ」は号によってクオリティに差がありすぎますね・・・。
Posted at 2015/09/12 20:50:54 | コメント(2) | トラックバック(0) | BMW | クルマ
2015年09月11日 イイね!

E36 カブリオレ 純正サスペンションの謎 Part1

「謎」なんて仰々しいタイトルを付けてしまっていますが、そんなに凄い話ではありません。


E36に詳しい方からすると「何を今更」と怒られてしまいそうですが・・。



話は20年近く前に遡ります(遡るんかい!)。

E36が現役であったり、E46に世代交代後も中古車として雑誌に特集されることが多かった頃の話です。


当時E34に一目惚れしてBMWにオメメがハートだった僕は、折を見てBMWが特集された雑誌を買っては色々と情報収集をしていました。

そうした輸入車系の雑誌を見ていると、大抵グレード別の装備などの違いが説明されていたりしていました。

折しも我が325iカブリオレが初代(先代)オーナーのもとで活躍し始めた時期だったこともあり、
E36にも関心を持ち始めていましたので、細々としたところまで読んでいたように思います。



で、そんな具合に雑誌を見ていくと、このような内容の記事が多く見受けられました。

「セダンにはノーマルサスペンションが装備されているが、クーペ・カブリオレにはスポーツサスペンションが装備されている」というものです。

あとは、クーペ・カブリオレにはスポーツシートやアルミホイールが標準であるということが同時に書かれることが多かったと思います。


一例として、現在でも手元にある1993年12月号の「くるまにあ」に載っている、E36カブリオレ日本導入時の試乗記にも
「日本仕様の325iカブリオレには、Mテクニックによってスポーツチューニングが施された比較的ハードな設定のサスペンションが装着されるのだが」
という文面が確認できます。


そうした雑誌記事を読んで、当時の僕は「ほうほう、E36の2ドア系はセダンよりスポーツ志向の装備一式が付いているのね」と記憶した訳です。



さて、ここで今度は20年近く後にタイムスリップします(笑)


長くなりそうなのでひとまずここで一区切り、2010年代の話はPart2で。
Posted at 2015/09/12 20:48:14 | コメント(0) | トラックバック(0) | BMW | クルマ
2015年08月28日 イイね!

夢見る新車じゃいられない

2009年に新車購入したE90。
あまりに気に入りすぎて一生持っていようかと密かに思っていたり。
(世間では歴代3シリーズの中であまり評価の高くないE90ですが、私的にもそう感じる部分はあります。だからこそ、そうした部分を潰すべく色々と手を加えていますがその話はまた別の機会に。正直「好きなものは好きだからしょうがない」・・いえ、某ゲームのことではありませんよ)


そんな思いを車が分かっていてくれているのか、はたまたDの方々が言うように「アタリ」の個体なのか、よもやまさかE90では珍しいミュンヘン製造車だからということはないでしょうが、これまで輸入車にありがちなマイナートラブルの類がさっぱり出ていませんでした。
E90あたりですと、オイル漏れ、水回り、ドアロック関係、パワーウインドウ、ステアリングコラムユニットあたりが定番トラブルのようですが、幸いこれまで水廻り(後述)以外は健康そのもの。


毎年必要そうなメンテナンスは怠らずにやっているというのも功を奏しているのかもしれませんが。

しかしながら、さすがにここへ来て細かなトラブルがチラホラ。



発端は昨年夏にイグニッションコイルが一発死んだこと。
(これ幸いとプラズマダイレクトに一新しましたが)

今年の夏になって、水温が少々上がり気味(OBD接続モニターで確認)に。
チェックランプ点灯(=オーバーヒート寸前)までいかないものの、100℃台後半に時折入るようになり心配なので某ショップにドック入り。
この世代のBMW全般にありがちな電動ウォーターポンプの不調で、ついでにラジエーターと周辺ホース類も取り替えて水温は絶好調。


ついでにNAVIデータを今年度版に更新したりして、これで今年の夏を乗り切るぜ!と思った矢先。



夜間にヘッドライトを点灯したまま停車し外に出て、車に戻りつつE90を何気なく眺めていました。

おや、やけにライト類の色が青白く揃っていてスッキリしているなー・・・っと。
なんだかオレンジ色成分が足りないような・・・・?

・・・あれ、運転席側のヘッドライトのサイドマーカーが点灯していない。


E60あたりから、BMWはヘッドライトの上側にオレンジ色のLEDマーカーランプを付けるのがお好きなようで、E90ではLCI後期モデルからこれが装備されています。


オレンジLEDが夜間のアクセントになり割と気に入っているのですが、これの運転席側が点灯していない。

ここで頭をよぎるのが、このLEDはヘッドライト埋め込みなのではないかということ。
そうなるとバイキセノン+アダプティブライト装備のコイツはASSY交換で片側20万は固いのでは・・・。
また表面に多少の劣化も見られるので、左右で見た目が揃わないのは嫌ですから左右揃えると5、60万は飛んで行くような。

頭の中では諭吉さんたちが観光バスに乗って旅立っていく風景が浮かんできます。



恐る恐るDの部品で懇意にしている方にTEL。
で、判明したのがこのマーカーランプはLEDウインカーと一体になっており、ウインカーユニットのASSY交換で済むということ。
てっきりLEDウインカーはヘッドライトと一体かと思っていましたが、そうではなかったのです。
で、肝心要のマーカーランプはLEDウインカーユニットの上にオレンジLEDが一発乗っかっており、その光を導光板でサイド部分に引っ張ってきているという仕組み。
要はマーカーランプはヘッドライト本体とは別体部品だったということです。

ちなみに外観からは3発のLEDで光らせているように見えますが、光源はLED1発でした。


幸い国内在庫ありだったので、Dに突撃し待っている間に交換終了。
外したユニットを見せてもらうと見事にマーカーランプのLEDがこんがりお焦げになっておられました。
正直このマーカーランプ、この構造じゃ焼けても仕方ないんじゃないかという雰囲気でとりあえず付けてみた感が強いように見えました。


一時は高額出費も覚悟しましたが、数万円で済んでめでたしめでたし。
さて帰宅してライトつけてハザード付けて新品のウインカーユニットを眺めようかと。

・・・おや、交換した側のウインカーが暗いし色も変・・・?
どうやらハズレのウインカーユニットを引いてしまったようで。
幸い部品の不良ということで、交換部品が入り次第再度交換の方向に。


これまでトラブルが皆無に近かったこともあり、何となく新車気分を引きずって来ていましたが、いよいよ細かなトラブルが出てき始め、認識を改めないといけなくなってきたようです。

悩んでいるかって?
いえいえ、E36に比べれば部品がすぐに届いてDでも修理できるE90は天国ですよ。
距離計さえ見なければ、未だにこの間納車したかのような雰囲気がありますし(そうなるように努力しているわけですが)。

八方美人でいい子ながら最近のようにE36に構いすぎると拗ねるあたり、「ゆきのん」と呼んでいるのはこういう訳なのです。


ともかく、「夢見る新車じゃいられない」ということで、この先も長く付き合って行けるようにより一層手間暇を掛けてあげようと思った次第です。






Posted at 2015/08/28 01:35:22 | コメント(0) | BMW | クルマ
2015年07月29日 イイね!

E39 528i 「スポーツ」

E39 528i 「スポーツ」唐突に、ブログを始めてみました。


というのも、中古車ウオッチングをしていたらブログを書かずには居られないような個体を見つけたからです。

この個体の画像だけでピンときた方はかなりのフリークでしょうし、記事タイトルを見て気づいた方もいらっしゃるかもしれません。

ただの地味なE39 528iにしか見えないこの個体ですが、何となく雰囲気が違うように見えませんか?



まず、非Mスポーツでありながらやや低めの車高。
また通常メッキが配されるモール類も、ブラックアウトされています。


そして、E39では比較的珍しい「17インチの」ラジアルスポーク スタイリング32。



さらにインテリアに目を移すと、Mステアリングが目に付きます。




そして極めつけが、「ただのモケットの」スポーツシート。



この個体は、一世を風靡したMスポーツがデビューする直前に販売された特別仕様車、「528i スポーツ」である可能性が極めて高いのです。


528iと540iに短期間設定されたこの「スポーツ」仕様は、近年で言えばE90のダイナミックパッケージのような、標準車外装でありながらスポーツ性を高めたモデルでありました。

不確かな記憶ですが、以下の装備がセット装着になっていました。

・ホワイトウインカー
・純正スポーツサスペンション(Mスポーツ用とは異なる。後期の特別注文OP用スポーツサスペンションと恐らく同一仕様。)
・スチールサンルーフ
・ラジアルスポーク スタイリング32(17インチ)
・Mスポーツ ステアリング(クルコン付き)
・スポーツシート(専用ファブリック。540では本革)
・シャドーライン(窓枠・バンパーモールがブラック)
(前期非Mスポのシャドーラインは特別注文車のみなので、極めて貴重)
・DVDナビゲーションシステム
・キーレスエントリー
※一部2018.4.5追記

(装備面における追記)
この限定車はいわゆる後のMスポーツとハイラインを混ぜたようなモデルであり、また98モデルと99モデルの切り替わり時期に導入されたため、
いろいろな装備が(やや中途半端に)付いています。

例えば、ステアリング自体は前期Mスポーツと同一ですが、MスポーツでOPのオーディオ&クルーズコントロールが標準装備。
また標準528ではOP(プラスパッケージ等)のナビとキーレスが標準。
ナビ自体も、99モデルからCD→DVDへ変更になり、それが装備されたて。
同様に、エンジンもM52→M52TU(ダブルVANOS仕様)へ変更されたてのもの。
ATも従来のD・S・3・2の7ポジション仕様から、ステップトロニック仕様に変更。

(※なお、誤情報も多いためここに記しておきますが、
このステップトロニック付きATは中期(いわゆる前期外装)モデルの6発に関しては従来同様のJATCO製であり、
ZF製(E46後期と同様)となったのは後期モデルからとなります。
簡単に言えば、E39のM52ステップトロニック付きはJATCO製ということです。

また、そのMTモードのプログラムに関しては極めて前時代的で、
アクティブに走るには不向きということもここに記しておきます。

マニュアル操作を伴うアクティブな走りを望む方は、
M52前期モデル(非ステップトロニック)かM54後期モデルを探されたほうが良いでしょう。)

外装色もこのシルバー(チタン・シルバー?)のみだったような気がしますが、記憶が定かではありません。
→訂正(アルピンホワイト、チタンシルバー、オリエントブルー、コスモスブラックの4色。
内装はブラック標準、オリエントブルーとコスモスブラックにはグレーも選択可。)

後にMエアロ・アルミと専用内装を纏ってデビューするMスポーツと比べれば、極めて地味な仕様ではあります。
しかしながら、個人的にはノーマル外装でありながら精悍な雰囲気を持ったこの「スポーツ仕様」は、とても心惹かれるものがあるのです。



さらに、この個体に限ったこととして、いくつか好ポイントがあるのです。

まず、後期イカリングタイプのヘッドライトに交換されておらず、前期型ヘッドライトのままであること。
さらに、そのヘッドライト自体も曇りや黄ばみが発生していないということ。

現在街中や中古車市場に存在する多くのE39は、後期型イカリングタイプのヘッドライトに交換されているものがとても多いです。

それは当時デビューしたイカリング付きヘッドライトが鮮烈なイメージだったために、その姿を求めて交換された場合と、前期型のヘッドライトが曇りや劣化が生じやすく、その修理のついでにと社外品へ交換された場合が多いからです。

稀に見かける前期ヘッドライト装備車も、劣化によって見るも哀れな状態であることが珍しくありません。
そんな個体が多い中で、この個体は新車当時の雰囲気を思い起こさせるような、クリアなままの前期ヘッドライトが残されています。

個人的には、ホワっとした前期型標準車のデザインには、憂いを帯びた瞳のようなやわらかなデザインの前期型ヘッドライトが似合うと思っています。



さらに、むやみにMエアロバンパーや社外品に交換されておらず、ノーマルバンパーのままであること。
個人的に、E39標準車(特に前期型)は最もエアロの選び方が難しい車種であると感じています。
E39標準車は、純正オプションのスポイラーですら付けるのが憚られるほど全体のバランスがとれたデザインであると思うのです。
そうした思いを分かってくれているかのように、この個体には外装付加パーツが一切追加されていません。


最後に、ホイールに目立ったダストの汚れ跡が見られないこと。
この手のフィンタイプのホイールが付いたBMWの中古車は、前オーナーの扱いが悪いと大抵スポークのフチにダストが溜まって取れなくなっています。
販売店が無理やりクリーニングしたとしても、塗装が荒れ果てているので一目瞭然となります。


もちろんこの個体にも気になる点はあります。
タイヤがブリジストン プレイズであること、ホイールにガリ傷があること等。
また販売店が輸入車専門店でありながら、特別仕様車であることに気づいていないことや、「横浜市都筑区」の販売店であること(分かる方は分かると思います)。


また下取り車ということから、前オーナーはこの販売店で何らかの輸入車へと乗り換えたのでしょう。
裏を返せば、このE39を乗り換えたくなった何らかの理由があるということです。
潜在的なトラブルを抱えている可能性も当然あります。
何せ横浜市都筑区で整備なし現状渡しというあたりから・・・です。


ただ僕が言いたいのは、2015年という新車発売時から16年が経った今、この端正な佇まいを残したE39 スポーツ仕様が中古車として存在しているということの素晴らしさなのです。

上記の「気になる点」を差し引いても、この仕様のまま乗り続けてくれたこれまでのオーナーに敬意を表したいと思うのです。
この面影が全く無くなるような改造を施された挙句、乗り潰されて廃車か海外輸出されていても全く不思議ではないと思います。

現在中古車市場に存在するE39の多くは、見るも哀れな状態のものがほとんどです。
この個体を見つけた時も、相変わらずだなと思いながらスクロールしていました。
そんな中にあって、この個体を見付けた時にピンときたというか、ひと目で惹かれるものを感じました。






E39 528iスポーツ。
大人気となったMスポーツの影に隠れ不遇だった仕様ですが、端正な佇まいとノーマルから高められたスポーツ性を持つこのモデルは、とても魅力的ではないかと思うのです。





長文・乱文失礼致します。
この個体が気になる方は関連情報URLからどうぞ。


※2015.9.17 追記

販売ページを閲覧したところ、SOLD OUTとなっていました。
どうか良きオーナーの元へ嫁いでくれていますように。


Posted at 2015/07/29 22:36:36 | コメント(1) | トラックバック(0) | BMW | クルマ

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「下駄プログレ、V552から新発売のADVAN dB V553へ更新。551の頃からミシュラン寄りな感じで国産セダンにオススメ。REGNOはドライの良舗装で直進中だけは強いのだが、旋回やウエットは・・・。」
何シテル?   03/26 01:31
Step-tronicです。よろしくお願いします。 どっかで見たことがある?気のせいですよw 代車ですら長く乗っていると愛着が湧いて愛情を注いでしま...
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