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2017年12月01日

SUBARU BOXER6の軌跡(最終回)

○異質なEZ30型水平対向6気筒

97年にグランドワゴンからランカスターへ名称変更。

その3年後の2000年にEZ30型水平対向6気筒エンジンを載せ、ランカスター6はデビューした。

EZ30型はトルク不足を解消して静粛性も高く評価され、これからのレガシィシリーズの基本パワーユニットとして期待されたのだが・・・



EZ30型は、ボア×ストローク=89.2×80mmであり、従来のボクサーエンジンのなかでは異例とも思えるほど、スクエアーに近い。

このボア×ストロークを持つエンジンは、スバルエンジン群の中には存在しない。

「異質」と呼ばれるのはこのためである。

EZ30型の原型は30年以上前に存在していたという。

30年前といえば、スバル最初のフラット6であるER27型が発表された年だが、この時代にすでに水平対向6気筒・3Lエンジンの企画が始まっていた。

つまり、アルシオーネ時代、すでにレガシィの開発はスタートしており、搭載エンジンについてもEJ20型フラット4に他に、新型フラット6の検討も行われていたことになる。

ところが、このプランは運動性能やハンドリング性能などが考慮され、お蔵入りとなった。

一方、当然のことながらSVXの企画もすでにスタートしていた。

エンジン開発部隊に、SVX用エンジンの具体的なオーダーが出されたのは、85年末の事だったという。

新世代のグランドツアラーに相応しく、ボクサーエンジンのメリットが生かせるエンジンとして、NAでATのみということも決定された。

この時の試作エンジンは、フラット6・3L・SOHC24バルブと3L・DOHC24バルブの2機だった。

前者は、左右1本づつのカムシャフトで、1気筒あたり4バルブを駆動する実用性と動力性能を兼ね備えたエンジンとして開発された。

後者は、初期のEJ20型と同様にエンドピポットタイプのロッカーアームを装備して、バルブリフト量を確保し、フラットエンジンのメリットであるビックボアによる大きなバルブ開口面積をさらに生かし、世界でもトップクラスのバルブ有効開口面積を実現したエンジンだった。

この試作エンジン2機とともに、3機目の試作エンジンも開発された。

前の2機のエンジンがロッカーアーム型DOHCにより、大きなバルブ有効開口面積を確保し、高回転・高出力にエンジン特性を振っていたため、これらが本当にグランドツアラーのエンジンとして相応しいのか?という疑問が生じていたからだ。

そこで3号機にはダイレクトプッシュタイプのバルブメカニズムをもったDOHCが与えられた。

実際にテストしてみると、滑らかなエンジンの吹け上がりは予想した通り、それとともに、高速回転域での性能もエンジニアを十分満足させるものであった。

そこで次期3Lフラット6は、このタイプのDOHCで開発することが決まった。

ところが、この3Lフラット6の生産は、87年末アルシオーネ搭載エンジンの選択時に、3Lから3.3Lに排気量が拡大されたことから消滅してしまった。

それらが、前記したアルシオーネ~SVXにつながるストーリーとなり、この時代にすでにEZ30型の原型の3L・フラット6のが存在していたことになる。

そして、EZ30型を搭載したランカスター6を2000年に、そしてレガシィ6として、B4・RS30、TW・GT30を2002年1月に発売。



その年8月にはブリッツェン6を発売。

2003年のフルモデルチェンジで、4代目レガシィにも改良されたEZ30Rが搭載される。

2004年にスバルのフラット6では初の6MTも設定される。

2005年、北米で発売されたトライベッカにEZ30Rが搭載される。

2007年、トライベッカに改良されたEZ36型が搭載。

2009年、5代目レガシィ、アウトバックのみの設定で、国内向けに改良されたEZ36型を発売するも、程なくして日本でのフラット6の販売は終了。


そして、2017年11月にスバルは6気筒エンジンの廃止をアナウンス。


奇しくも、今年はSUBARU BOXER6が誕生して30周年の記念すべき年でした。
ブログ一覧 | クルマ
Posted at 2017/12/01 23:10:39

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この記事へのコメント

2017年12月2日 1:17
私はS4の前にアウトバック(BPE3.0R)に10年乗って居ました。
本当にいい車でした。
今でも乗り換えた事を後悔することがあります。
コメントへの返答
2017年12月2日 23:15
どうもです^^

コメントありがとうございます。

S4のようなターボ車も良いのですが、BOXER6は何というか、言葉に表せない良さというものがありますね。

これは乗ってみないと分からない感覚ですかね^^

長年乗ってるともう身体の一部の様ですがね(笑)
2017年12月2日 22:51
初めて買ったレガシィの営業マンが(当時の)富士重工本社からの出向の方で、何年かして本社に異動。その後再会したときに、「今は6気筒エンジンの開発をしている。」と。
そんなこともあって手に入れた今のレガシィです。
今回のアナウンスは実に惜しいですね。
コメントへの返答
2017年12月2日 23:24
どうもです^^

BOXER6を購入された方は、上の動画でもあったのですが、排気量か気筒数のどちらが魅力で購入されたのか?改めて聞いてみたいですな^^

>そんなこともあって手に入れた今のレガシィです。

ということは、あいちぃさんは気筒数派のエンスーですかな(笑)

ブログ拝見していると大分傷んできてますね~

これから維持も大変ですな^^
2017年12月3日 10:09
> S4のようなターボ車も良いのですが、BOXER6は何というか、言葉に表せない良さというものがありますね。

ですね。
私は、ノーマルだと封印されているエンジンポテンシャルを吸気系(良く食べて)、ECU(良く消化して)、排気系(良くう〇こをする)に手を加えることによって開放してやっていました。

> BOXER6を購入された方は、上の動画でもあったのですが、排気量か気筒数のどちらが魅力で購入されたのか?改めて聞いてみたいですな^^
私は「低重心」と「完全バランス」で選択しました。
コメントへの返答
2017年12月3日 20:44
どうもです^^

それだけの想いをお持ちで手放されたのは、理由はあれどさぞかし残念だったのではないでしょうか。

今後また所有することがあるようでしたらお知らせくださいな。

距離が距離なだけに私の方はどうなっているか?分かりませんが・・・(笑)


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何シテル?   08/13 20:49
石川県をこよなく愛するrs30b4です。 休みになれば、どこか走ってます。 SUBARU全般とBOXER6が大好きです。 RS30は、 ...

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