ETC1000円で渋滞が増えて、全然エコじゃないとか思っている人へ

久々のブログです。
最近ドライブに行っていないし、ネタがないんだよねぇ。

JAF Mate2009年6月号に面白いネタが載っていました。「渋滞は個人の力で解消できるのか」というタイトルの記事です。実際にJAF・警察庁・東大の西成教授（著書：渋滞学など）の研究室が、車８台で「渋滞吸収走行」を行って、渋滞を減らしたという内容です。

そもそも高速道路の自然渋滞はなぜ起きるのでしょうか。自然渋滞が起きる場所は、大体いつも決まっています。中央道の小仏トンネル付近とか、東名の横浜町田付近とかです。つまり道路の地形が関係しています。

この動画を見てください。これは、同じく西成教授が行った実験です。

これらの車はプロのドライバーが運転しています。半径37ｍの円に22台の車を時速30kmで走らせています。単純に考えれば、全員が時速30kmをキープすれば、これらの車はずっと走り続けれるはずです。ところが、10分ほど経ったあたりから停止する車が現れはじめました。つまり、車の密度が高まると自然渋滞が発生してしまうのです。

自然渋滞がよく起こるところには、車間距離が短くなってしまう原因があります。例えば、上り坂に達したのにアクセルを踏み足さない車がいると、速度が低下するので、後ろの車との車間距離が短くなります。下り坂でエンジンブレーキをかけないと、一定速度で走っている前の車との車間距離が短くなります。トンネルの入り口でも、突然の暗闇でアクセルをゆるめてしまう車がいると、その後ろの車との車間が縮まります。そうやって、車の車間距離が縮んでいくと、渋滞が起こることになります。

つまり、以下のようなドライバーが渋滞の原因を作っている訳です。
(1) 運転が下手：上り坂でスピードメーターを見ない・アクセルを踏み足さない人
(2) 運転が下手：下り坂でスピードメーターを見ない・アクセルを戻さない人
(3) 運転が下手：トンネルに入いるときにびびる人
(4) 運転が馬鹿：前の車が明らかに遅いのに、猛スピードですぐ後ろにくっついてブレーキを踏む馬鹿
(5) 運転が馬鹿：前の車に何かあった場合に、どう考えても止まれないだろうという車間距離でくっつく馬鹿
(6) 運転が馬鹿：強引に割り込んで、後ろの車にブレーキを踏ませる馬鹿

では、車８台で行った「渋滞吸収走行」とはどういう物でしょうか。ここは、JAF Mateを参考にさせていただきます。

中央道の小仏トンネル付近は２車線の道路です。車８台で、２×４の隊列を作ります。基本的にその８台で後ろの車をブロックする訳ですが、煽ってくる馬鹿はどこにでもいますから、その車はさっさと先に行かせたようです。相模湖ICから実験を開始し、しばらく続く下りでは、車間距離を長めに保つために時速70kmで走行します。次に上り坂が出てくる訳ですが、前方に渋滞の最後尾が見えてきました。ここで十分に確保した車間距離を利用して、時速30km～50kmを維持します。これだけです。先頭の２台は前の渋滞の影響を受けてスピードが上下しますが、それぞれの車の車間距離がクッションになり、最後尾の２台はかなり高い平均速度をキープできたそうです。そして、この８台の後ろの車は、かなり速い速度を維持して通過できたとのことです。

でも、８台で連携すればともかく、１台じゃ無理じゃない？と思うかも知れません。教授によると、先に行きたい車はさっさと行かせて、自分の車だけでも「渋滞吸収走行」を行えば、残りの車が残りの７台をやってくれるようになるようです。

でも、もっと強力な方法があるじゃないですか。パトカーとNEXCOの車両が「渋滞吸収走行」をすれば良いんです。パトカーを煽る愚か者（勇者？）はいないでしょう。渋滞が起きる時間帯に、何回も何回もパトカーが「渋滞吸収走行」をすれば、渋滞は劇的に減るはずです。もちろん、渋滞の時に起こる事故を防止することも出来ます。結果、警察とNEXCOの負担も減ると思うんですけどねぇ。