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2025年09月26日 イイね!

AudirvānaでQobuz(自体は簡単だけど車載が大変だった話)その1

AudirvānaでQobuz(自体は簡単だけど車載が大変だった話)その1全曲ロスレス対応=どれを聴いてもCD品質以上の音源を揃えた高音質配信サービスQobuz(コバズ)。アプリの使い勝手も良く、我が車ではRoon ARCとツートップの主力音源となりました。ローカル音源が聴けるかどうかの違いだけではなく、同じQobuzを再生してもRoon ARCとQobuzアプリではキュレーションが変わって楽しいのです。
もちろん音質は良好でスマホのUSBから結構な音が出ていますが、高音質再生アプリのAudirvānaがQobuzに対応していたので導入してみました。








Audirvānaとは

オーディオグレードのPC用再生アプリでは老舗の一つといって良いと思います。名前はオーディオ+ニルヴァーナの造語。悟りの境地・涅槃(ねはん)とはまた大きく出たネーミングですなぁ・・・ん?
そもさん!煩悩と同義のオーディオに涅槃などありや?

PCオーディオの時代から高音質のファイル再生に特化したアプリでしたが、現在ではストリーミングやネットワーク再生にも対応する多機能プレーヤーへと進化しています。

昨年登場したLinux版は「Core Player」といい、Windows/Mac版Audirvānaとは大きく異なるもの。それ単体はGUIを持たずモニターやキーボードを繋がないヘッドレスで運用し、操作にはリモートアプリをインストールしたスマホやタブレットを使います。楽曲データはコアプレーヤーに持たせることも外部のNASから読み込むことも可能で、NASにインストールするバージョンもあります。



システム構成
ネットワークオーディオ機器の場合
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USBオーディオ機器の場合
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PC(またはコアプレーヤー)とスマホをネットワーク接続したこの図のような構成となり、車載するなら(普通しないと思いますが)ネットワークの構築がキモとなります。一般的にはモバイルルーターか、スマホのテザリングによるWi-Fiネットワークになるでしょう。データをどこに置くかもポイントか。

コアプレーヤーを車載するとして、以前に紹介したスマホのUSBを使うシステムと比べると、USBオーディオ機器につながるコアプレーヤーを使えるのはリモートアプリのみとなります。
ローカル音源・Qobuz・ネットラジオはAudirvānaで聴けるので大方のユースケースはカバーしていると言えますが、RadikoやSoundCloudなどが使えなくなるのはちょっと残念です。CarPlay / Android Auto対応も当然ありません。



Roonとの比較

PC1台でも分散環境でも運用可能、ストリーミング対応などRoonとは共通項が多いことがわかります。大きな違いは出力部分で、
AudirvānaRoon
LAN(UPnP / Chromecast)
USB
LAN(RAAT / AirPlay / Chromecast / Squeezebox)
USB
公衆回線(Roon ARC)

ネットワークオーディオ機器への主力の対応方式がUPnP(DLNA)対独自プロトコルとなっている点が目立ちます。Roonの対応ハードも今や十分増えたので普及度では互角、音質ではRoon Labs.曰くRAATが有利との事ですが具体的な説明がないので何とも。
Roon ARCのようなモバイル機能はAudirvānaには無く、ここも有意差あり。

Qobuzの再生はAudirvānaによるネイティブ対応で、Qobuzアプリを使うQobuz Connectではない点はRoonと同じ。
ということで、出力機器がUSB-DACの場合は両者よく似たシステムになります。



Audirvānaのプラン

オーディオ再生アプリにもサブスクの波が押し寄せており、月または年払いのStudioと買い切りのOriginの2つのプランがあります。ストリーミングに対応するのはStudioのみで、対応といってもQobuzのライセンスが含まれている訳でもないので抵抗感はありますね…ローカル再生のみならOriginの選択もアリです。



ハードウェア選定
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Raspberry Pi 4 Model B 4GB

Audirvāna公式サイトによると、Core Playerのシステム要件は以下のようになっています。
・インテルまたはARM 64ビットプロセッサー
・Debian または RPM パッケージ
・1 GBのRAM(DSDアップサンプリング使用時は2GB推奨)
詳しいCPU性能の指定はないもののラズパイでも動きそうです。
1GB超のRAMを備えるラズパイは4か5で、メモリー再生や後述する電源断対策を考慮して4GBを選択。リニア電源で駆動したいので消費電流が少なめのラズパイ4としました。
Geekwormのファンレスメタルケースにセット。放熱用グリスは付属しません。



車載にあたっての注意事項

エンジンOFFでいきなり電源が切れる車載運用ではファイルシステム破損のリスクがあります。これはAudirvānaに限らずWindows/Mac/Linuxをベースにするものは基本的に同じで、例えばホームオーディオ用のプレーヤーでも中身はLinuxだったりするものが多く注意が必要です。メニューにシャットダウンの項目があるかどうかで見当がつきます。

今回はファイルシステムを読み込み専用に設定することで対策とします。ただし注意点があり後で解説します。
厳密にはこれだけでは不完全で、100%シャットダウンフリーにするにはOSを含めたシステム全体がRAM上で動作するlightMPDのようなアプローチを検討すべきですが、最悪壊れても以下の手順を繰り返せば済む位ならまぁ許容範囲かという判断です。(そのためのこのブログでもあります)



OSの選定

具体的なOSの指定はなくある程度自由度を持たせた要件となっており、OSまでカリカリにチューンしたgentooplayerやHQPlayer等とは異なる設計です。それでも音質的には余計なプロセスの少ないディストリビューションが望ましいだろうと考え、以前にも取り上げた
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DietPi
にしました。

普通にラズパイ4を選択すれば要件通りの64bit版ARMv8用になります。公式サイトからダウンロードしたファイルを展開して1GBほどのimgファイルを取り出しておきます。

microSDカードは購入できる最小容量クラスで十分で、32GB「以下」が無難。書き込みにはラズパイ純正アプリの
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Raspberry Pi Imager
を使用しました。Raspberry Pi OSなどをダウンロードから書き込みまでこれ一つで実行できるアプリですが、
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一番下、予めダウンロードしておいたimgファイルを焼くこともできます。



OSのインストール
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こんな構成で設定してゆきます。
インストールの最初期段階は、ラズパイのHDMIポートにモニターやTV、USBポートにキーボードをつないだ「ローカルコンソール」で設定してゆくのが確実です。OSのインストールが終わったら、以降はPCからネットワーク越しに「リモートコンソール」を開いて設定できます。

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適当なモニターがなければ、PCにUSB接続するHDMIキャプチャーボード(右上、2,000円くらいで購入可能)も使え、ここの画像もそれで取得しています。
書き込んだカードをラズパイにセット、ケーブル類を接続します。ラズパイ4の電源はUSB-C、HDMIはmicroタイプです。5V/3Aと消費電力も上がっていてラズパイ3用からいろいろ買い替えが必要でした。

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起動しました。表示されている初期ユーザーとパスワードでログインすると、

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最初にOS更新(DietPi-Update)が走りますがネットワーク接続がないとして中断します。この状態では何か設定を変更するとネットにアクセスしようとして数10秒タイムアウト待ちとなることがあります。「フリーズした!」とあわてて電源を落としたりせず、まずは家のWi-Fiアクセスポイントに接続します。
「Network Settings」を選択して「Select」(カーソルキーとTABキーが使えます)

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IPv6はOFFで良いでしょう。ONにする時は外部から侵入されないようルーターの設定を確認しておきます。
オンボードWi-Fiを有効にして設定に入ります。

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電波法を逸脱する可能性があるので、カントリーコードは必ずJPにします。「Scan」でアクセスポイントの登録へ。

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APは5つまで登録できます。複数登録した場合は起動時に見つかったAPの中で最も電波の強いものに接続するので、クルマで使うモバイルルーターなどもここで登録して大丈夫です。(後で追加も可能)
SSIDとパスキーを入力、画面を戻って「Apply」すると再起動を促され、再度ログインするとOS更新を行って続行します。

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サーベイ(情報提供)に参加するかどうか

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キーボードの設定。使っているものに合わせます。日本語キーボードあるあるで、設定が違うとパイプ文字「|」が入力できなかったりキーの表示通りにならず後でパスワードが通らない原因となります。

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rootおよびdietpiユーザー用のパスワード設定

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ソフトウェアインストール用のパスワード設定

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UART(シリアル)は使用しないので「Yes」で無効にします。

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ここがメニューの最上位、DietPi-Softwareです。
SSHサーバーとして軽量の「Dropbear」がデフォルトで有効になっていますが、OpenSSHに変更します。

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最初にDietPi-Configを選択し設定を行います。
Audio OptionsでインストールできるALSAはAudirvānaに含まれているようで、ここで設定しなくても大丈夫でした。Language/Regional Optionsを選択。

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地域とタイムゾーンを設定します。

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DietPi-Softwareに戻り、Search Softwareから「Avahi-Daemon」を検索して追加。スマホからCore Playerを発見するために必要なコンポーネントです。

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DietPi-Softwareに戻って「Install」

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設定内容を確認し「OK」でインストールが始まります。ここまでコマンド入力も設定ファイル編集も一切なく完了です。至れり尽くせりですね。

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ローカルコンソールでの設定はここまで。インストールが終了しコマンドプロンプトに戻ったら、logoutしキーボードを外してOKです。画面左上に表示されているIPアドレスを覚えておきます。



Audirvānaのインストール

Linux版のインストール手順は公式サイトには詳しく書かれておらず、「わかる人は使ってみてください」な感じ。ネットを漁ってみてもバリエーションがあり、極力OSを軽量に保てるようにしてみました。

USBポートにオーディオ機器を接続。
ネットワーク上のPCからリモートコンソールを開いて設定してゆきます。

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コンソール用アプリのPuTTYでラズパイのIPアドレスを指定し、接続タイプ「SSH」でコンソールを開きます。アドレスはローカルコンソールに表示されていたもので、スマホアプリのFingなどで調べることもできます。
PCのキーボードとモニターを使ってローカルコンソールと同じように操作できます。


管理者権限「root」でログイン。(以降、プロンプトが#となっているものは「root」、$はビルトインユーザー「dietpi」でのログインを示しています。)

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PCで公式サイトからAudirvāna Studioのパッケージをダウンロード。
ラズパイ用はDebian/ARM64(aarc64)版です。

パッケージをラズパイに転送するには、PuTTYと同時にインストールされるPSFTPを使います。

使えるコマンドはhelpで表示されます。openで接続、putでアップロード。転送が終わったらexitで閉じます。

リモートコンソールからインストール。
# apt install -f ./audirvana-studio_X.X.X_arm64.deb 

電源ONで自動起動するようサービスとして登録します。
# /opt/audirvana/studio/setAsService.sh enable 
# reboot now 


ラズパイはひとまずここまで。続いてスマホの準備に移ります。



Audirvāna Remoteのインストール

コントロール用アプリをスマホにインストールします。iOS版とAndroid版がそれぞれAppleとGoogleの公式ストアにあります(無料)。

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起動すると、ネットワーク上のAudirvānaを探して表示します。

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ライセンス条件の承諾の後サインインで利用可能となります。公式サイトでメールアドレスを登録すると送られてくる仮パスワードではサインインできず、メールのダウンロード用リンクからサイトに飛んでパスワードを更新しないと有効化されないので注意。有効化後30日間の無料お試し期間がスタートします。


再生先としてUSBオーディオデバイスを指定。



ストリーミング再生


Audirvāna RemoteにQobuzのアカウント情報を設定するとあっけなく再生できました。他にTIDALなども対応していますが日本で正規に使えるのはQobuzだけです。
スマホのQobuzアプリやRoon ARCに比べるとちょっと重いですが使えなくはないかな。


面白そうな設定が多数あるのでポチポチと。




長くなったのでひとまずここまで。残りのローカルファイル再生や車載でちょっと手こずっており結果は後日。
関連情報URL : https://audirvana.com/ja/
Posted at 2025/09/26 21:11:43 | コメント(1) | トラックバック(0) | オーディオ | クルマ
2024年07月07日 イイね!

仮想化オーディオサーバーをProxmox VEで再構築した

仮想化オーディオサーバーをProxmox VEで再構築した自宅のファイルサーバー兼オーディオサーバーを仮想化基盤上に構築したのが3年前。その後Roon ARCが登場しカーオーディオでも便利に使っていますが、vSphere Hypervisor(ESXi)の無償版はvmware社の買収を機に提供終了となってしまい見直しが必要になりました。
稼動中のシステムを大急ぎで更新したためダイジェストのレポートとなります。本来システム更新に強いはずの仮想化なのに、基盤が無くなったのでは致し方なし。








無償版ESXiの利用期限について

自分が使っているESXi7のサポート期限は2025/4/2まで。ESXi8なら2027/10/11までですが、既にインストーラ・ライセンスともダウンロードできなくなっておりこれらを入手済みの人以外8へのアップグレードはできません。
サポート終了後も使い続けることはできますがESXiを狙ったランサムウェアなどもあり、7以前の人は早めの移行をオススメします。

(2025/4/15追記)
無償版ESXi8の提供が再開されました。うれしいが戻るかといえば・・・PVEが安定動作したしHomebridgeも便利だし、というわけで今すぐには無いかな。


ソフトウェア
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こんな構成で計画しました。NASに保存した楽曲ファイルをRoonのサーバー(コア)で再生するシステムです。ホームオーディオはRoon、カーオーディオもRoon ARCがメインになったので、DLNA/UPnP対応は今回無し。

Proxmox Virtual Environment (VE)は、Linuxベースの仮想化基盤。サポート無しなら無償利用可能です。
KVMによるハイパーバイザー機能とLXCによるコンテナ機能の両方を備えた多機能環境で・・・なんかピンと来ないので使って確かめることにします。

実はProxmox VEにはZFSによるファイルサーバー機能があり、後で紹介するTrueNASにも仮想化ホスト機能があったりするのですが、今回はオーソドックスに「餅は餅屋」の方針としました。

オーディオ用なら、NASとRoonは別PCにしてリニア電源駆動、さらにSFPで繋いだりした方が良いんですかね?仮想化してネットワークの電気的動作がないのとどっちが有利なのか、それも面白そうなテーマですが自分は使い勝手優先で行きます。


ハードウェア
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PC本体:PN41(ASUS)
RAM:W4N3200CM-8GR DDR4-3200(PC4-25600) 8GB×2枚 (Crucial by Micron)
M.2 SSD:SNVSE/500G Kingston SSD NV1-E 500GB M.2 2280 NVMe(キングストンテクノロジー )
 ※画像のキオクシアから変更しています
SATA SSD:WDS200T1R0A-EC WD Red SA500 2.5インチSSD 2TB(Western Digital)

PCは前回のまま。Jasper Lakeで省電力、手の平サイズのミニPCです。4コア、16GB、500GB+2TBの構成ですが仮想化環境ではコアとメモリーは多いほど使いでがあります。Jasper LakeなどAtom系列のCPU(最新はAlder Lake-N)ならPコアとEコアの割り当てに悩むことがなく使いやすいです。
M.2のSSDはProxmoxおよび仮想マシンのシステム用、NASのデータ用にSATAのSSDを割り当てます。

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HomePod mini(Apple)
HomePodは音楽再生用ではありません。ちょっと便利な使い方を最後に紹介します。


Proxmox VEのインストール

既に多くの方が記事にされており情報には困りません。
今回こちらを参考にさせていただきました。ありがとうございます!
ProxmoxVEのインストール - New technologies in our life

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Proxmoxの公式サイトからダウンロードしたISOファイルでインストール用USBメモリーを作成します。作成用アプリはRufusEtcherなど。最近はRaspberry Pi Imagerをよく使っています。

HDMIポートにモニター、USBポートにキーボードを接続してローカルコンソールとします。
BIOSで起動順序をUSBメモリー優先、仮想化支援機能を有効に設定。作成したUSBメモリーで起動するとインストーラが立ち上がります。
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3%で止まるのはあるあるらしい。焦らず待つ。

一通りインストールが終わったらローカルコンソールの役割は終了。キーボードは後で使うのでそのまま、モニターは外しても大丈夫です。以降はネットワーク上の別のPCから操作できます。

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ブラウザでProxmoxVEのIPアドレスを開くと管理画面にアクセスできます。VMの作成・起動などここで操作可能で、ESXiと比べても違和感ありません。ProxmoxやNASのアドレスは(RoonもルーターのUPnPが安定しない時は手動でポート解放を設定することになるので)固定しておいた方が便利でしょう。


TrueNAS Coreのインストール

ファイルサーバーは前回に続きTrueNASを使用します。業務用途にも使用可能な高速・高信頼性を誇るNAS用アプライアンスです。自宅でも3年間停電以外で止まったことはなく極めて安定しています。

TrueNASは現在
・従来からのFreeBSDベースのTrueNAS Core
・新しく登場したLinuxベースのTrueNAS Scale
の二本立てとなっています。どちらにするか?
最新のハードウェアに素早く対応するためにLinuxの力を借りたい、ということのようですが今回ハードウェアは仮想化するのでそのメリットは無し、というか、最新ハードでもジェネリックに見せられるのは仮想化のメリットです。よって信頼と実績の(古いSMBv1も使える)Coreを選択しました。いずれはScaleに一本化されてゆくのかもしれませんね。

仮想マシンのセットアップはESXiとほぼ同じ感覚でできました。
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インストール用ISOファイルをアップロードしておき、

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仮想マシンのスペックを設定。2コア/8GB/32GBを割り当てました。
ISOファイルは仮想的な起動用CDドライブに指定します。

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PuTTYでSSHを開き

root@pve:~# ls /dev/disk/by-id 
データ用SSDのIDを調べて

root@pve:~# qm set 100 -scsi1 /dev/disk/by-id/ata-WDC_WDS200T1R0A-68A4W0_21154F441607 
qmコマンドでパススルー設定。SSD全体を1台のVM専用に割り当てます。100は作成したVMのID、2台目のSCSIドライブでscsi1としています。

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仮想マシンにパススルーされたSSDが追加されたことを確認して起動

TrueNAS自体のインストールや設定はこちらのブログを参考にさせていただきました。ありがとうございます!
TrueNAS Core - きりしま屋

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インストールが終わったらブラウザでTrueNASのIPアドレスを開くと管理画面が現れます。引き続き初期設定を済ませます。
・ユーザーの追加
・プールの作成
・SMB(Windows)共有サービスの追加

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データセットを2つ作成し、Windows用のshare、Roon用のroonとしました。
同名の共有フォルダにそれぞれのユーザーからのアクセス権を設定します。方針はお好みで。
TrueNAS の SMB を ACL Manager で説明してみる

フォルダWindowsユーザーRoonシステム
shareフルコントロール読み取り専用
roonフルコントロールフルコントロール

楽曲データはshare内に保存、roonはバックアップデータ用です。PCで購入・リッピングした楽曲データを保存すればRoonが勝手にライブラリに追加してくれます。このあたりRoonのストレージにはNASが適しているように思います。

ここまで来たらNASのデータを復旧できます。
FreeFileSyncでリストアを開始して一眠り。


smartmontoolsのインストール

リストアが終わったので作業再開。
先に行ったSSDのパススルーは物理的なPCIeではなく論理的なディスクドライブとして行ったので、S.M.A.R.T.による状態監視は仮想化基盤の方で行います。
最新バージョンでは最初からインストールしてあり作業不要でした。
Proxmox VEはDebianベースなので、こういったツールが充実しています。


ROCK(Roon Optimized Core Kit)のインストール

Roon Labs.謹製のOS込みRoonサーバーです。不要なプロセスを除きRoonに最適化してあるので安定性ではこれが一番。インテル(現在はASUS)のNUC用ですがProxmox VEでも利用可能です。
仮想環境へのROCKのインストールにはちょっとコツがあって、インストール用のUSBメモリーとキーボードは仮想化できず実デバイスを接続する必要があります。

Roon ROCK on Proxmox Virtual Machine
こちらの方法でインストールできました。

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リソースは2コア/4GB/128GBを割り当てました。

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ROCKの管理画面。管理といってもIPアドレスの設定くらいで、ほとんどの設定はRoonアプリから行います。ライブラリにAACやmp3がある場合はコーデック(ffmpeg)を追加します。
Roon OS Missing Codecs

PCでRoonアプリを起動するとコアを見つけてくれます。Roon Remoteアプリをインストールしたスマホなどでも可能です。
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Roonのライセンスはコア単位なので、1ライセンスで運用できるコアは1台のみ。旧サーバーとはここでお別れ(削除はされず無効状態)となります。

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ログイン後、楽曲フォルダを登録します。ホスト名が通らずIPアドレスで指定しました。

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TrueNASの音楽フォルダが見えました。「Select this folder」すると楽曲のスキャンが始まります。仮想ネットワークでつながっているので高速です。
数分で普通に使えるようになり、引き続きバックグラウンドで曲の解析が行われ数日間はCPUパワーを消費します。サーバーなので放っておけばよいです。(状況は「Settings」-「Library」で確認できます)


Homebridgeのインストール

HomebridgeはAppleのHomekit互換のスマートホームアプリ。
仮想化とスマートホームに何の関係が?
と思いますよね。HomebridgeをProxmox VEにインストールすると、

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なんとiPhoneのホームアプリで仮想マシンを管理できます。これって・・・
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赤木リツコ博士の自爆リモコンじゃん!
あるいは「ダイ・ハード4.0」か。自宅を爆破されるのはもう現実ですね。

さらに、HomePodかApple TVがあると外出先からも利用可能となります。これらがHomekitのセキュアなゲートウェイになるというわけで、さすが「スマート」スピーカー、こんな機能が仕込まれているとは。
HomePodは設置してあるだけでよく特別な設定は不要、その設置もWi-Fi設定済みのiPhoneを近付けるだけ、と良く出来ています。

Homebridgeのインストールはこちらのスクリプトが簡単です。
Proxmox VE Helper-Scripts(Homebridge LXCで検索)

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コンソール(画面の「Shell」)にスクリプトを貼り付けて実行するとHomebridgeがコンテナ形式でインストールされます。設定は「Advanced」でこんな感じ。
インストール後、表示されるバーコードをiPhoneで読み取って登録。

続いてプラグインのタブから「Homebridge Proxmox」を検索して追加します。
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正しく設定できるとアプリにVMが現れます。

Roon ARC自体は十分実用的なものの、Roonのサーバーは年中無休といえるほどは安定しておらず、自分の環境ではバージョンにもよりますが月1~数回ほど固まります。ホームオーディオならサーバーを再起動させるのは大した手間ではありませんが外出中にこれが起こると致命的なので、リモートでRoonサーバーをリセットできるようにしたかったのです。

(2024/8/10追記)今回の環境は非常に安定しており、1か月連続稼働で何ら問題が出ておらずリモートリセットを使う場面がありません。嬉しい誤算です。

(2025/3/19追記)外出中にRoonサーバーが無応答となり、初めてリモートリセットを使いました。電源OFFのようなものなのであくまでも最終手段ですが、あるとないでは大違い。助かりました。




以上で完了。なんとかダウンタイム1晩+αで移行できました。やれやれ。
しばらく使って安定動作を確認できたら
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アイドル育成ゲームみたいな名前のNAS(Core i3-N305搭載!)に同じ環境を構築して次期サーバーに、と狙っているところです。
Posted at 2024/07/07 22:50:56 | コメント(2) | トラックバック(0) | オーディオ | クルマ
2024年05月25日 イイね!

CarPlayでUSBオーディオ

CarPlayでUSBオーディオ中学生の時、オーディオ店の試聴会でおじさん達を横目に
「右のスーパーツイーター鳴ってないですよ、それ」
とうっかり口走ったら追い出されました。若かったな~(遠い目)
それなりに機器を買えるようになる頃には聴力が衰えているなんて、オーディオとは無情な趣味です。










遅ればせながら我が車もハイレゾ対応を果たしました。96kHz処理となったプロセッサーアンプは48kHzまで、スピーカーも30kHzまでは出せるはず。
あ、これだと業界の定義には足りないんだっけ。まぁ、40kHzを再生できれば高音質!なんてものではないことは皆さんもう気付いてるんでしょ?気にせず進みます。
これまでプロセッサーが未対応であるのを言い訳にCD音質特化でやってきたのですが逃げられなくなったので、クルマで快適に、しかしダウンサンプルなど無くちゃんとハイレゾ体験するには?と考えていた方法を試してみました。


システム図
こんなシステムで実験しました。普通は黒のライン、今回は下のラインで、ここでのUSBはUSBメモリーではなくスマホからのUSBオーディオ出力であることに注意してください。
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ディスプレイオーディオ(ワイヤレスCarPlay対応品)
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国内メーカーではアルパインに続きカロからも対応機種が出ました(2024/11 ケンウッドも)。そちらはAndroid Autoもワイヤレス対応していますが、今回の使い方ではiPhoneをおススメしておきます。理由は後ほど。
CarPlayでは有線接続の方が音質が良いとされています(末尾に遠回しに書かれています)が、今回さらに高音質を目指すためスマホのUSBは別のUSBオーディオ出力用に使います。ワイヤレス接続となるDAは操作専用に使い音質には関与しません。
この場合車載ルーターなど他のWi-Fiネットワークには参加できません。これはワイヤレスCarPlayが(Android Autoも)通信方式として1対1接続のWi-Fiダイレクトを使用するためです。

USBオーディオ機器
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プロセッサー、DAC、DDCなどお好みで。上でも述べた通りUSBにはいくつかタイプがあり、ここで使えるのはUSB Audio Class対応のものです。

Lightning - USB 3カメラアダプタ
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スマホに給電しながら使えるのは「3」がつく方のアダプタ。本体部のUSB(A端子)側にUSB機器、Lightning側に電源を接続します。
最新のUSB-C対応iPhoneの場合は、Apple純正の同等品はまだ無くHDMI付きの大柄なものになるようです。市販のPD対応HUBは使えるんだろうか。

CarPlay/USBオーディオ対応アプリ

(2024/8/10更新)自分はこんなアプリを使ってます(データ専用SIMのため電話は未使用)。このうち「Apple Music」「Roon ARC」「ベルリンフィル(Digital Concert Hall)」はロスレスやハイレゾロスレスに対応しています。
今回は「自宅からロスレス配信」のRoon ARCで試します(他のアプリも追記)。述べたようにWi-Fiは使えないのでモバイル通信で受信します。


接続手順
スマホをCarPlayに接続しておきます。といってもエンジン始動で自動接続するので初回以外特にすることはありません。

スマホとUSBオーディオ機器を(こちらは物理的に)接続。
コントロールセンターを呼び出し、右上のAirPlayアイコンをタップ。
※アプリ側に同様の設定がある場合はそちらでも可能です。
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CarPlayとUSBオーディオが表示されています。
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USBオーディオ(「Primary Play Interface」がプロセッサーのUSB入力)を選択すると、画面はCarPlayのまま音声だけUSB側に切り替わりました。成功です。
実は以前USBオーディオの代わりにAirPlayレシーバーで同じことができないかと試した(この場合CarPlay側が有線接続)のですが、その時はAirPlayを選択するとCarPlayの接続が切れてしまいました。USBオーディオに対しては音声のみルーティングできるようです。

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もちろんハイレゾもロスレス伝送できています。CarPlayの音声仕様はUSB接続のロスレスでも48kHz止まりでワイヤレス接続時はAAC伝送(WWDC2016のプレゼンテーションより)、DAにはデジタル出力もないのに対してアドバンテージです。

ただし以前実験した結果では、4G回線でRoon ARCを使ってストリーミングできるハイレゾは24bit/96kHzがぎりぎりいけるかどうかで、安定的に常用するのは困難でした。その後回線を変更し96kHzの成功確率は上がりましたが、それでも100%にはなっていません。
高レートの音源はRoon ARCのダウンロード機能を使って予めスマホにコピーし、CDフォーマットはストリーミングするよう設定すれば全ての音源をロスレス再生できます。自分のライブラリを集計してみたら、512GBのiPhoneが必要と出ました…

このように最初だけスマホでの操作が必要ですがあとは自由。
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通常のCarPlayとしてDAの画面で操作することも、

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カメラアダプターが野暮ったいのと白くて目にうるさいので、CableJiveの延長ケーブルを使ってコンソールボックスに隠しました。

ナビアプリと併用したり、DAとスマホで2画面運用することも可能です。CarPlay対応でないアプリもこの方法で使えます。
残念ながらナビアプリの音声はUSB側には割り込んでくれませんでした。これさえクリアできればパーフェクトだったのに惜しい。(これは再生アプリがUSBを排他的に使用できていることの証左でもあります。96kHzや192kHzで再生中に案内音声を割り込ませる「ハイレゾ対応ナビアプリ」なんてあったらたまげるけどねw。余計な音声が出ないのでかえって好ましいという人もいると思います。)
案内が必要な時は音質を気にしている場合でもないのでアナログ接続を使えばいいか。




以上で実験終了。
ガチなオーディオではUSBと言えどソースユニットによる音質差はあり、今回のようなスマホベースのシステムで高級DAPやハイエンド車載プレーヤーのレベルまで行けるかどうかはわかりませんが、ロスレスで伝送できておりデータとしては同じ。十分高音質と言ってよいと思います。それが使い勝手の良いCarPlayで得られるのは魅力です。
ワイヤレスCarPlayなら今後も純正採用されるでしょうから、社外品の接続が難しくなってきたカーオーディオでは希望が持てる方法ではないでしょうか。

加えて、演算能力に長けるスマホなら信号処理による音質向上も期待でき、「化ける」可能性もあるのでは?と思っていますが、このネタはいずれまた。




(2024/9/9追記)
ロスレス再生が可能な他のアプリも試してみました。CarPlayとスマホの画面を並べています。

Apple Music / アップルミュージック

Apple Musicでは、44.1/48kHzのALACを「ロスレス」、88.2/96/176.4/192kHzを「ハイレゾロスレス」と表示します。配信されているフォーマットはスマホ側には表示されますがCarPlayの画面ではわかりません。


ロスレスのバッジをタップするとフォーマットが表示されます。


ロスレスやハイレゾロスレスでの配信には設定が必要です。設定してもディスプレイオーディオでは48kHz再生となるのは上で挙げた資料の通り。またUSB出力を選択し設定した音源があっても、回線速度が十分でない時は自動で下位のフォーマットにフォールバック(縮退)されるようです。フォールバックとは通信状態に合わせてデータ量を調整する(減らす)技術で、その昔電話回線にモデムをつないでいた人なら実体験としてご存じでは。

フォールバック状態ではこのような表示になります。「利用可能」だけど何らかの理由でそうなっていないことを示しており、この時は普段96kHzで再生される音源が48kHzで配信されていました。音質よりも安定して聴けることを優先しているわけで、Roon ARCが音飛びしようとエラーになろうと設定した音質で再生しようとするのに比べると設計思想の違いが見えて面白いですね。どちらが優れているとは言えません。


Apple Music Classical / アップルミュージック・クラシカル

Apple Music Classicalもロスレスやハイレゾロスレスでの再生が可能です。回線速度に対する挙動はApple Musicと同じ。
アプリはまだCarPlayに対応しておらず選曲をスマホで行う必要がありますが、この通り再生中の曲はDAに表示されました。
(2024/11/13追記)CarPlayに対応しました。


Digital Concert Hall / デジタル・コンサートホール

ベルリンフィルの配信サービス、デジタル・コンサートホール。動画が見られるスマホの画面にもフォーマット表示は見当たりませんが歯車アイコンの設定画面で確認可能です。


「ハイレゾ」設定で48kHzまたは96kHz(音源により固定)のFLACになります。回線速度が足りなければ自動的に「通常モード」のAACにフォールバックされます。つまりロスレス再生のためには96kHzまで対応する必要があり、再生システム的にも回線速度的にもApple Musicよりハードルは高めです。


回線が不安ならダウンロード機能が使えます。ただし動画や曲により空間オーディオも含まれるためデータ量は大きく、ダウンロード速度も速くないので家で準備しておいた方が良さそうです。クラシックなら1回ダウンロードすれば一日もつ場合が多いでしょうから負担感はそれほどでも。


Qobuz / コバズ

(2024/11/3追記)
全曲ロスレス対応の高音質配信サービス、Qobuzが日本で待望のサービスインを果たしたので早速加入しました。始まったばかりで楽曲のラインナップやメタデータの整備が追いついていない感はあるもののそのうち改善されてゆくでしょう。
QobuzはRoonと統合可能なためRoonのユーザーはRoonやRoon ARCアプリから利用できますが、このQobuzアプリもCarPlay対応しており使いやすく仕上がっています。高音質をうたうだけに?フォーマットの表示が他より直接的です。

回線速度が遅いと、バッファリングのため再生開始が遅れます。挙動としてはRoon ARCと同様フォールバックを避け音源のサンプリング周波数を守ろうとする傾向のようです。(本当によわよわな回線ではわかりませんが)
バッファリングは再生開始直後の早い時期に1曲分終わらせる動作で、次々にスキップしながら丸一日使ったらデータ量が10GBを超えましたw


ハイレゾ配信の上限を96kHzと192kHzから選べるのは現在のモバイル回線の実力に合っており、(DSPの処理レートが96kHzや192kHzへの移行期にある)カーオーディオでも使いやすいです。Roon ARCではCD Qualityの上はOriginal Formatとなりこういう設定ができないので、自分のライブラリがある程度カバーされたらこっちを主力アプリにしてもいいかも、と思いました。




回線状態さえ良好なら、という条件はつくものの各アプリとも音源通りのサンプリング周波数でUSB出力できており、アプリを切り替えても特に問題なく周波数がスムーズに切り替わります(USBDACモードにしたDAPで確認済み)。iOSでのUSBオーディオの処理はAndroidはもちろんMacOSと比べても洗練されているように思います。
また今回利用したアプリでは強制的なアップサンプリングもなくCD音源が44.1kHzで出力されるのもオーディオ的には安心できる動作です。Roon ARCでは明示的にアップサンプルすることも可能で、この「明示的に」選択できるのが大切なんです。

対してAndroidの場合ハイレゾ再生するには、というかそれ以上に重要なOSによるデータ改変なく再生するには、UAPPやRoon ARCのように独自のUSBドライバーを備えたアプリが必要で、その仕組みをもたない多くのストリーミングアプリではOSのミキサーを介した48kHz(ビット数はAndroid OSのバージョンにより16または24bit)での出力となります。ただ一部の機種では独自にOSを拡張してハイレゾ対応していたりと状況は複雑で、このあたりの事情は自分がAndroidでUSBオーディオを追いかけ始めた2014年から大きくは変わっていません。
HiByやiBassoなどSRC回避機能を備えたDAPという選択もできるようになりましたが、スマホのようなディスプレイオーディオとの連携は困難です。OS側ではようやく対応の動きがあったところなので、市場の入れ替えが進みアプリが対応するまでもうしばらくかかりそうです。

Android派の自分ですが、オーディオ端末としてiOSは優秀と認めざるを得ません。ストリーミングとローカル再生を取り混ぜ利用するには様々なアプリでイイ音で楽しめることが要求され、そういう使い方では依然差は埋まっていない感があります。
(2024/11追記)試していませんが、QobuzはUAPPやRoon ARCに対応しており、この組み合わせがAndroidにとって一つの解になるかも。


Geminiさんにちょっと意地悪な質問をしてみました。




(2024/11/17追記)自分の環境ではワイヤレスCarPlayとスマホのテザリング(インターネット共有)を併用可能なことがわかりました。レー探などWi-Fi接続が必要な機器がある場合はこれで対応できます。
共有はCarPlay接続後にONにする必要があり、ONのままにしていると次にエンジンを始動した時にCarPlayが自動接続されません。ちょっと面倒なので

iOSのオートメーション機能を利用し、CarPlayの接続に連動して共有をON/OFFさせるようにしました。
(2025/8/14追記)
ワイヤレスCarPlay接続用Wi-FiではDAがアクセスポイント、テザリングはスマホがアクセスポイントのため、スマホは親機と子機の同時動作が必要となります。このうち子機の周波数帯(2.4GHz/5GHz)はCarPlay接続時にDAとのネゴシエーションで決まるため選べません。自分の機種では2.4GHz、ワイヤレスAndroid Autoが5GHz必須のため両対応の機種ではCarPlayも5GHzとなるようです。
このときテザリング(=親機=アクセスポイント)動作が可能か・周波数帯がどうなるかはスマホのWi-Fiチップ次第で、自分のiPhone SE(3rd)ではクライアントと同じチャンネルが使用され2.4GHzでテザリングできています。
5GHz接続時のテザリングについては確認できていませんがこの周波数帯の屋外利用は制限が厳しく、DAが利用する5.2GHz帯でのテザリングは禁止(総務省HP)となっています。5.2GHzで子機動作しながら2.4GHzや6GHzで親機になれるかどうかですが、「ワイヤレスCarPlay接続時にテザリングはできない」という情報も多いところをみると不可かもしれません。5GHz(6GHz) Wi-Fi対応のレー探もまだ無いので2.4GHzしか使えないDA7Zで結果的に正解でした。
Posted at 2024/05/25 15:49:08 | コメント(1) | トラックバック(0) | オーディオ | クルマ
2023年11月05日 イイね!

Qobuz、来!

Qobuz、来!こ 【来】
動詞「来(く)」の命令形。(出典:学研全訳古語辞典)








ハイレゾ配信サービスQobuz(コバズ、コーバズ)の日本進出発表から1年。もともとクラシック系のタイトルが充実しているのと、e-onkyoの事業取得を行ったので邦楽も含め期待しています。

この度ようやく続報が届きました。現時点で判明した情報は以下の通り。太字が公式の情報、それ以外は自分の想像です。

・2023年12月プレオープン

→12月の時点では何か限定的なスタートとなるようです。
Qobuzアプリからの邦楽アルバム購入など、e-onkyoとの統合はもう少し後になるのかも。

・CDロスレスクオリティだけでなく、最大192kHz/24bitのスタジオ・クオリティでのストリーミングに加え、DSDやDXDのカタログも取りそろえたダウンロード・ストアも展開。

→DSDやDXDのストリーミングは無し。e-onkyoで32bitやWAVの音源が配信終了となったことと関係しているのでしょうか。

・日本での、ストリーミングサービスの月額価格は税込1,280円から*の予定です。
*スタジオソロ年間プラン(ストリーミングプラン+ダウンロードのアラカルト購入)を月額換算した場合


→本国のプラン構成はこうなっています。
(英語サイトのためポンド表記ですが、Qobuzはフランス発です。)
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StudioとSublimeの2種類、それぞれ付与されるアカウント数が1(Solo)/2(Duo)/6(Family)の3種類で計6プランあります。Sublimeだとストリーミングに加えてファイル購入時のディスカウント(最大60%)がつきます。StudioとSublimeで配信可能なスペックに差はありません。
なおStudioプランの「ダウンロード」とはQobuzアプリでのオフライン再生のことで、FLACのファイルが手に入るわけではないので注意。ファイル購入はストリーミング契約が無くても可能です。

日本では最安のプランが1,280×12=15,360円の年払いということですね。本国のサイトだと同じStudio Soloの年間プランが£10.83×12=£129.96となっており、現在の為替レートだと24,000円ほど。差が大きいので本国のStudio Soloと同じ内容ではないかもしれません。個人的には仮にCD品質限定でも十分魅力的な価格設定だと思いますが、さてどうなるか。

何より、本国のQobuzでは可能なRoon(Roon ARCを含む)との統合が日本版でも確保されているのか、自分の興味はその1点ですがまだ情報なく詳報を待ちたいと思います。




(2023/11/8追記)
既に日本語サイト↓が閲覧可能と話題になっています。まだ登録はできませんが、この内容で来るなら文句なし。上に書いた心配事は問題なさそうで、やるじゃんザンドリージャパン!と震えています。

(2023/12/20追記)
延期だそうです。まぁ、長く待っているので少しくらい遅れても。

(2024/7/18追記)
まだ開始しておらず、ペシミスティックな外野の声には心底ウンザリ悲しくなりますが、Xandrie Japanからは「着実に移行準備を進めている」とのメールが届きました。期待しているので、がんばって!

(2024/10/4追記)
e-onkyo musicサービスの終了が発表されました。間もなくのようです。

(2024/10/24追記)
旧e-onkyo music会員を対象にプレオープンとなりました。プランはStudioのソロ・デュオ・ファミリーのみでSublimeはなし。シンプルに「高音質ストリーミング」一本で来た感じですね。
未完成なところは散見されるものの、日本国内で正式に利用できるサービスとしては唯一の「全曲ロスレス再生可能」なサブスクが登場したことを、まずは喜びたいと思います。もちろん加入しましたよ。
Roonとの統合もとりあえず実装はされているようで、もう少し待っていれば使えるのかな。

(2024/10/25追記)
プレオープンの翌日ですがグランドオープンとのメールが届きました。

(2024/10/26追記)
RoonおよびRoon ARCとの連携も機能するようになりました。こちらはRoon ARCの画面です。

「Q」の形(レコード?)のアイコンがQobuzのコンテンツ、本棚のアイコンは自分のライブラリです。タップすればQobuzのアプリに飛んだりせず、Roonの中で普通に再生が始まります。区別なく、というかアイコンを見なければ意識さえすることなく一つのアプリで聴けるのが素晴らしい。統合とはこういう事か!
Posted at 2023/11/05 20:00:57 | コメント(0) | トラックバック(0) | オーディオ | クルマ
2023年08月12日 イイね!

Roon ARCに思う

Roon ARCに思う自宅からのロスレス配信を実現したroon ARCを導入して8か月ほど。我が車の主力音源として定着しました。
思えばクルマ用のライブラリを作る作業はカセットテープの時代から連綿と続いてきたわけで、それが必要無くなったのは大きな変化です。
ドライブのシチュエーションを想像して選曲する、そこに意義を感じる人もいるでしょうけどプレイリストに変わったと思ってください。味気ないですか?

パーソナルストリーミングとしてはApple Music(iTunes Match)が先行していますが、自分のライブラリはAACに変換されるので音質にこだわりたい向きにはARCをオススメします。もちろんroonの使い勝手に惚れた人にも。








一番の心配事であり興味でもあった、
モバイル回線を経由したロスレスストリーミングは使い物になるのか?
については、音質設定を「CD Quality」にすれば車載ルーターや格安SIMでもほぼ実用レベルにあります。実際、自分がこれまで走った道ではトンネルを含め全く聴けなくなったことはありません。
カーオーディオの「5G無し」「高速移動」「地方」と、考え得る最悪条件でこれなら優秀、携帯さえつながる場所なら少なくともCD音質で楽しめる可能性は高いと思います。

ハイレゾもロスレス再生する「Original Format」設定の場合は当然ながら音源のフォーマットと回線次第となり、例えば45Mbpsにも達するDSD512なんて100%無理、自分の回線では24bit/96kHzでも時々音飛びや「Poor Connection」エラーを起こすので常用はちょっと厳しいかな、という感じです。車ほど動かないモバイル利用、都市部の安定した(最近は都市部がネックのようですが)高速回線、大手MNOの大容量プランとかなら使えるのかな?
なおopus圧縮となる「Balanced」や「Bandwidth Optimized」設定ではエラー無く配信できるものの、音質に少しデグレードを感じるため使っていません。

Roon ARCにはダウンロード機能があり、任意のアルバムをスマホの内蔵ストレージにコピーしておくことができます。自分の回線で再生できない高レートの曲だけダウンロードしておけば、全てのライブラリをダウンサンプルすることなくロスレス再生可能です。そういう意味で「CPUだけ最新の安い機種でいいだろう」とiPhone SE(3rd)の64GB版を購入したのはちょっと失敗でした。ハイレゾ再生にこだわる場合は、Roon ARCであってもストレージの大きな機種が良いです。

フォーマット毎のデータレートはExcelで簡単に計算できます。
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Roon ARCの「CD Quality」では最高24bit/48kHzまで通すので、flacで少し縮んで2Mbps以下、バッファリングを加味して4Mbpsもあれば安定再生できそうなものですが、車載ルーターの
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DCT-WR100D(carrozerria、回線はドコモin Car Connect)
では日によって、また時間帯によってエラーが頻発することがあります。昨年購入した頃はこんなことは無く快調だったのに、少しずつ速度低下して4月頃にどん底、最近は持ち直してきています。1年分の通信料と2年分のSIMを前払いして性能が保証されないのはちょっと、ね。

「主力」音源として使うからには、たまにでも聴けなかったり音質モードを落とすのは許せません。そこでバックアップとして
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のSIMを契約し別のモバイルルーターにセット、docomoの調子が悪い時は24時間の無制限プランを購入して運用しています。24時間といっても翌日24時まで有効※なので実質2日間使えて330円、土日だけならドコモ以下のコストで運用可能です。
※2024/9/17からはきっかり24時間となるそうです。

in Car Connectは停車時間や同時接続数の制限に少しストレスを感じてはいるもののデータ量無制限としては格安で、最終的な体制をどうするか?引き続き検討中です。
回線速度を担保してくれる業者が無い以上、「最終的」な解などなく2回線を確保して切り替え・状況により契約先も入れ替えるといった対応が必要かもしれません。

それにしても、たかだか数Mbps(それも下の方)のストリームでも100%安定再生できるわけではないのですね。5Gのギガbpsなんてどこの世界線の話ですか?と思ってしまいます。
携帯各社はいつ出るかもわからない最高速度なんて訴求するより最低速度を、10Mbps位は「いつでも」「どこでも」出せるようになってほしいものです。




さて、ここからは昔話をしてみようかの。

インターネット元年は何年?フレッツADSLが2000年12月提供開始だそうなのでその前後でしょうか。BSデジタルの放送開始も同じ2000年12月で、ネットにPCにAV機器(どれも今ほど安くはない)と、当時のオタクは欲しいものが多くて大変でしたなぁ。

ISDNがADSLに変わり、接続時間という概念が無くなったのはまさにパラダイムシフト、衝撃的でした。さらに光回線になって上り速度も上がったちょうどその頃登場したのが、かの
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上り帯域をガンガン使うアプリケーションで、日本で広く知られた最初のものではなかったでしょうか。

Winnyの技術的な仕組みは見れば見るほど興味深く、アップロードするデータ(暗号化されたキャッシュ)を多く持っているクライアントがダウンロードも高速に行えるという発想に、
ブロードバンドらしい使い方が現れた!
と軽い興奮を覚えたものです。
まぁ、作者の意図と関係あったかどうか不明ですが、主な使われ方が割れDVDISOの共有というアングラ行為※だったためにその後は残念な経過を辿ることになります。
※当時はまだ違法ではなくグレーゾーンだったかな?インモラルであることは間違いないでしょう

アニメでは1995年(Windows95の年)ヱヴァンゲリヲン放送。全人類の思考が共有されてLCLに溶けちゃう描写はネットが急速に広がってゆく、そんな時代背景と合致しています。(2023/9/20:年号を修正しました。)
攻殻機動隊やserial experiments lainあたりもそうで、個人が高速回線で常時つながる時代はすぐそこなんだろうと、割と普通に思っていました。

ところが世の中そうはならず。補完計画は発動しませんでした。
ソフトバンクのおじさんあたりが仕掛けてくると期待していたのですが。
全ユーザーが回線容量を使い切るような使い方にはネットワークが耐えられないとして、プロバイダーや携帯会社は回避呪文「ベストエフォート」を発動。「ベスト」という名の「出来たなり」を提供し、
ユーザーが行き過ぎた大容量の通信を行うのは悪(abuse)である
との認識醸成に成功します。

「行き過ぎたデータ量」って何だろう。
他の人より多いのはダメ?
事業者の想定(=価格)に見合わないから?
理由は理解もしますが、なんか楽しくない。

携帯の料金体系しかりで、
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「コネクテッド」の時代に、まだこんなことやってる。
接続時間分の電話代を払っていた頃に引き戻されたみたいで、もやもや。
これで「ギガ」の代わりに「Mbps(最低値)」だったら良いのに。
いちおう擁護しておくと、IIJmioは十分魅力的な価格で提供していると思います。しかし、その社名の通り日本のインターネットを切り開いてきたIIJさんだけに、こんな従量制の料金体系は打ち破って頂きたい。

mp3がflac、CDはハイレゾ、映像はHDになっても、ユーザーはサーバーのコンテンツを想定された回線容量の範囲内でダウンロードするだけ。
これではインターネット黎明期のユースケースと変わらないではないか。

あるいは、データ量の足りない双方向アプリの典型として古くは2ch、今ならTwitter改めXでしょうか。短絡的な感情だけは簡単に伝わるけど思考の共有なんて無理、すぐにミスコミュニケーションを誘発するので疲れます。

Winnyの作者である金子さんが亡くなって10年。あの事件以降ネットは進歩が止まってつまらない、と思うのはシニカルに過ぎるでしょうか。
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Roon ARCは久しぶりに登場した「ユーザーが上りも下りもフルに活用する」ネットワークアプリケーションで、もちろん違法性はなく便利だから使っているのですが、入れ込んでいるのはこんな意識があるからかもしれません。

ARCのようなアプリが当たり前になって、ユーザーは自由に大容量の通信を活用する時代が来て欲しいし、関係各社は「ベストエフォート」とか「速度制限」からの脱却を目指して欲しいと、真面目に思っています。
Posted at 2023/08/12 17:59:57 | コメント(1) | トラックバック(0) | オーディオ | クルマ

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「@なかるう のではなく、CableJiveのライトニング延長ケーブルが機能しなくなっていました。メジャーバージョンアップ怖い。」
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