2014年09月25日
ペダルの踏み間違いで、もうひと言…
クルマが停止するとエンジンが止まる。いわゆるアイドリング・ストップのクルマが増えてきましたが、そうした最新仕様のモデルを実際にお使いになっていて、カタログに書いてあったようにエンジンが止まることもあるけど、(あれ、止まらないこともあるな?)……といった経験をされたことはないでしょうか?
このシステムも、いま各社が研究中でして、どういう「条件」であれば、クルマが止まった時にエンジンも止めるか。この設定と作動は、各社で微妙に違っています。ブレーキペダルを、ある一定以上のチカラで踏まないと(ペダルに大きな「入力」をしないと)エンジンは止めない。こういう制御を入れているクルマもありますし、一方で、クルマがある速度以下になったら、それはもうエンジンは止めようね……と、いわば割り切った仕様と制御にしているメーカーもあります。
これとも通じますが、アクセルとブレーキの「踏み間違い」による事故に対応する各社の対策も、あくまで、ある条件下でアクセルが「不当に」踏まれているなら、その場合は、ドライバーのその動作(入力)を無力化するということ。……そうですよね、仮にいつも、アクセルを踏んでもエンジン回転が上がらないなら、クルマとして役には立ちませんから。
その「条件」とは、この場合、ブレーキのつもりで、ドライバーがアクセル・ペダルを「ベタッ」と踏んでいる。しかしクルマが止まる気配がないので、さらに踏み続けている……です。それに対して、そうした状況を検知したら、エンジンが上まで回らないようにハードウェア的な制御を行なう。
しかし一方、見方を変えれば、これはある条件下以外では作動しないということです。そして、その「条件」とは、アクセルを(ブレーキと間違えて、ブレーキと信じて)ベタッと床まで踏んでいる。したがって、ゆ~っくり、そしてジワーッとアクセルを踏んでいると、多くの場合、その「制御」は働きません。
これは体験談ですが、このシステムを搭載した試乗車で、テスト用に設定された障害物と、その手前に置かれたクルマ留めに向かって、アクセルを踏んでいったら、何と、クルマ留めを乗り越えてしまったことがありました。
もちろん、ジワッと、そしていつでもキャンセルする前提でペダルを踏んでいましたから、乗り越えたといっても飛び越えてしまったわけではなく、よっこらしょという感じでクルマ留めを越えただけでしたが、ともかく、せっかくの「安全対策」は、この場合作動しませんでした。まあ、開発スタッフには注意されましたけどね、「あ、もっとベタッと踏んでください」と。
そういえば、前方の障害物を検知して、自動的にブレーキングするという新型車で、ディーラーでの試乗会でユーザーがテスト走行したら、クルマが停止しなかったという事故がありました。この場合は、進入速度が速すぎた──つまり、そのクルマの自動ブレーキが作動する速度域は、時速※※キロ以下と限定されていたのに、それ以上の速度でテスト走行をしてしまった……ということだったようです。
この例でもおわかりのように、メーカーが設定した種々の対策とは、ほとんどの場合、「ある条件下で」という“シバリ”が付いています。したがって、安全対策バッチリの新型車を購入した、もう安心だ……ではなく、そのクルマが持っている能力というか、どういう時にどういうサポートをしてくれるのかということについては、しっかり把握しておく必要があります。
「ペダルの踏み間違い」に話を戻せば、あくまでもジワーッと、そして、いつでもキャンセルするという前提でペダルを踏んでいれば(「入力」していれば)、クルマが暴走してしまうことはおそらくない。また、そういうドライバーにとっては、いまメーカーが行なっているような「踏み違い対策」も、実は必要がないことだった。そういうことは言えるのかもしれません。
しかし、パニックとは、いつどこで、そして誰を襲うか、わからないものであるはず。クルマを運転している間だけは、自分自身と、そして周辺の状況を観察するようにしたいですね。
ブログ一覧 |
茶房SD談話室 | 日記
Posted at
2014/09/25 11:29:43
タグ
今、あなたにおすすめ