• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+
イイね!
2015年05月05日

【90's コラム】スズキ・アルト(1979)

【90's コラム】スズキ・アルト(1979) 軽自動車がその短くない歴史の中で、さまざまな方向へと進化していった時に、ひとつだけ、ふと忘れられそうになっていたジャンルがあった。それが「ベーシック車」だった。そもそも「軽」とは、より多くの人に、クルマを使うことの便利さと喜びをもたらすためのカテゴリーだったはずなのだが、その原点が見えにくくなっていたのだ。

軽自動車にはどのくらいの基本性能があればいいか。価格は、もっと安価にならないか。そもそも「軽」は何人を運べればいいのか。そして、4人きちんと乗れるというのは、軽自動車にとって、果たして重要なことなのか……? 

このような軽の原点の再考が行なわれた際に、おそらく、当時の「商用車規格」を乗用ユースに転用するという発想が生まれたのだろう。法的に軽の後席を“荷台”としてクルマを作ると、税制面で圧倒的にで有利になり、「乗用車」として作るよりも、はるかに安価にクルマをカスタマーに提供できる。そういうアイデアであった。

その結果、このアルトのプライスは、何と47万円! それも、全国一律の価格だった。また、その商用車規格にミートした車室の後半部は、カーゴルームとして多彩に活用できるというメリットも生んだ。この商用車を「乗用」に使えるように展開するという“コロンブスの卵”的な発想は、法的には「ボンネット・バン」(通称ボン・バン)と呼ばれ、これ以後、「軽」に携わるすべてのメーカーが追随することになる。

「アルト・バン」の性能は、ベーシック・トランスポーターとして、必要にして十分だった。「商用」かどうかなんてことは誰も気にせず、この「バン」によって、たくさんの人々がクルマと一緒に生活することを楽しんだのである。

(「カーセンサー」誌、1995年。「昭和名車伝」より一部加筆)
ブログ一覧 | クルマ史探索file | 日記
Posted at 2015/05/05 09:13:26

イイね!0件



タグ

今、あなたにおすすめ

ブログ人気記事

峠ステッカー収集の旅(群馬県)、毛 ...
tarmac128さん

朝の一杯 8/14
とも ucf31さん

資さんうどん:すけさんへ・・・(^ ...
hiko333さん

真夏のメンテナンス走行 2025
ofcさん

あいち健康の森ドライブ&BGM
kurajiさん

カーステ・・・📻️🎶
よっさん63さん

この記事へのコメント

コメントはありません。

スペシャルブログ 自動車評論家&著名人の本音

プロフィール

「【 20世紀 J-Car select 】vol.14 スカイラインGT S-54 http://cvw.jp/b/2106389/39179052/
何シテル?   01/15 10:59
家村浩明です、どうぞよろしく。 クルマとその世界への関心から、いろいろ文章を書いてきました。 「クルマは多面体の鏡である」なんて、最初の本の前書きに...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/8 >>

     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      

愛車一覧

スバル R1 スバル R1
スバル R1に乗っています。デビュー時から、これは21世紀の“テントウムシ”だと思ってい ...
ヘルプ利用規約サイトマップ

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!

あなたの愛車、今いくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離(km)
© LY Corporation