
2代目のソアラから一月ほど発表時期をずらして登場したのが、このスープラだった。既にFR方式になり、ベースとなったセリカとは異なった道を歩みはじめていたセリカXX。その発展型としての新機種である。基本レイアウトやディメンション、また使用エンジンなど、ハード面ではほぼ同時期デビューのソアラと共通しているが、しかし、しっかりとソフト面を中心に、ソアラとは違う別モデルとして作り変えてあった。
何といってもこのスープラは、アメリカ市場でシボレー・コルベットやニッサンの300ZXと闘わねばならないアメリカン・スポーツだ。したがって、当然のようにマニュアルシフト・モデルが用意され、また、エアロトップというネーミングでのルーフのオープン化が可能なようになっていた。
デザインワークとしては、ソアラが“アジア美人”としての繊細さと優美さを大事にしていたとすれば、スープラには、米人女性アスリートの筋肉感と“マッチョさ”が盛り込まれていた。その意味では、これら二つの機種のメーカーによる作り分けは、なかなか見事だったと思う。スープラは、これに続くセカンド・ジェネレーションで、スポーツカーとしての方向へ本格的にシフトしていく。
(ホリデーオートBG誌「80's 絶版車アルバム」2000年4月より 加筆修整)
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00年代こんなコラムを | 日記
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2016/05/22 14:55:23