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2019年12月08日

⏰ DMC-12 / ジョン・デロリアン

⏰ DMC-12 / ジョン・デロリアン

あれは車でも

スポーツカーでもない


『デロリアン』なのだ


(1925-2005)












1977年、南カリフォルニア___

パイロットのジム・ホフマンは、麻薬密売の現場をFBIに押さえられ、罪を問われない代わりにFBIの情報提供者となります。

彼は、引っ越した家の隣に住むのがゼネラルモーターズ(GM)で自分の愛車ポンティアックGTOの開発に携わったジョン・デロリアンだと知り驚きます。


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「イカす車だろ」「私の設計だ」


美しい妻子とともに素晴らしい家に住み、夢のために自らの会社を立ち上げ、革新的な車『デロリアン』を開発しているジョンの完璧な人生に憧れるジムでしたが...


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ジョンの会社は新車開発で様々なトラブルが発生し、彼が資金繰りに窮していることを知ったジムは、友人となったジョンをFBIに麻薬密売の罪で売り渡す計画を立てて、自分は自由の身となるように画策するのです。





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先週末に DMC-12 の設計・製造者である『ジョン・デロリアン (原題:Driven)』の映画を観てきました。

全国で25館、関東ではその内8館、東京でさえこの1館のみでの上映です。

デロリアンって、開発者の名前だったんですよ、ご存知でしたか?



バック・トゥ・ザ・フューチャー』(BTTF)が公開されたのは1985年。

劇中でタイムマシンとして使われたのが、デロリアン・モーター・カンパニーの DMC-12 でした。

ガルウイングドアを持ったシルバーのボディーは未来感に溢れていましたが、実際にはこの車は映画公開の3年前に生産を終了していたことになります。

会社自体がなくなってしまったから、なのですね。




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BTTFのデロリアンを作った男、の物語






一応断っておきますが、映画『ジョン・デロリアン』にはDMC-12がほとんど登場しません。

映画の舞台となっているのは、多くが彼の周囲の環境と法廷となりますので、DMC-12の開発の映画だと思われて観に行ったら必ず後悔します。

クルマではなく、このプロジェクトを主導したジョン・デロリアンという人物に焦点を当てた物語ということです。

彼はGMの副社長という要職を投げ捨てて独立し、理想のクルマを開発しようとしました。

一種の天才ですから、アメリカ人好みのヒーローなんですよね。

しかし、希代の詐欺師・悪党であるという評価が根強いのも確かなのです。

全く逆の評価が残されているわけですが、この映画ではどちらが正しい判断かを決めることの助けにはなりません。これも一応、お伝えしておきます。


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「手を汚したのは久し振りだ」


全編を通して登場する1964年にデビューしたGTOは、不振に陥っていたGMを窮地から救いました。

コンパクトな『テンペスト』にV8エンジンを搭載したマッスルカーで、シンプルながら印象的なデザインもあって大人気だったそうです。

何を隠そう、1961年に史上最年少でポンティアック部門のチーフエンジニアに就任していた、そう、ジョンが企画したモデルなのです。

彼の才能が分かるというものですが、GMの内規に反した設計・製造の進め方を行なっていたようで、極秘で開発が進められた部分も多いとか... 心の闇のようなものは以前からあった様子です。


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ジョンはクライスラー工業大学で学位をとっており、そのままクライスラーに就職する予定だったそうです。

しかし、技術部門の責任者に「会社の決まりに適応せねばならない、それが生き残る道であり……個人であることは忘れることが重要だ」と言われて気持ちが変わってしまいます。

分からないわけではありませんよね、天才が才能を活かすなって言われているようなものですから...

結果、パッカードの研究開発部門に入り、20代でリーダーを任されるようになったとのことで天才の片鱗は示しています。

実績が認められてGMからヘッドハンティングされ、順調に成功への道をたどりつつあった、ように見えたのですが...

1965年にポンティアック部門の責任者になり、1969年にはシボレーを任されます。

1972年には乗用車トラック部門を統括する、なんと副社長に任命されます。

ただし、個性の強い彼にとって社内は敵ばかりだったようで、社内の政治に巻き込まれることに嫌気がさして、1973年に44歳という若さで退社してしまうのです。

さすが、天才の選択は違いますよね...


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「8000台作って、売れたのは3000台... 」


ジョンは企業のコンサルタント業などをする一方で、新型車の開発も手掛けるようになっていきました。

軽量で燃費のいいRVやグラスファイバー製のスポーツカーなどを提案し、多額の報酬をコンサルタント料として受け取り生計を立てていたのです。

実績を残している彼には信用があったのですね。

いずれの企画も実現しませんでしたが、いよいよ自分の会社を設立し、DMC-12の計画を始動させます。

ジョンはイタリアのトリノを訪れてジョルジェット・ジウジアーロに会い、デザインを依頼しました。

あの、ジウジアーロ、ですよ!


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「これは車でもスポーツカーでもない。デロリアンだ」(2回言ったw)



映画で描かれるのは、この時期のジョンを取り巻く私生活です。

ジョンは毎週ホームパーティーを開き、毎回セレブが集まっていました。

隣に住むジムにとっては憧れの華やかな生活に見えたことでしょう。



彼はジョンが仕事で出かけている間の豪邸の管理や雑用を引き受けるようになります。

良好な友人関係のようですが、ジムには冒頭の様に秘密があったのでしたね。



麻薬密輸入の元締めを捕まえるために泳がせられていたジム。

もちろん、ジョンはそのことを知りません。



史実なので明かしてしまいますが、DMCの資金繰りが悪化し、ジョンはジムの手引きもあって麻薬取引に手を出し逮捕されることになります。

ジムの謀略もあって元締めはFBIに捕まるのですが、資金繰りのためとはいえ、ジョンまで巻き込むことには幾らジムでも躊躇いがあったことが映画から分かります。


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「助けてくれ」


ジムは善人とはいえませんが、悪人でもないようです。

それは、ジョンも同じなのではないかな、と映画を観ていて自分は感じました。

彼は夢を語り理想の自動車の必要性を説きますが、金もうけに執着していたことも事実だからです。

GMを辞めるに至った経緯にも、報酬の問題がからんでいたと言われています。


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詐欺師か、天才か...


映画が描くのは、ジョンが自分を大きく見せようとする姿だ、ということなのかもそれません。


平気でウソをつく、

二枚舌で相手を翻弄する、

燃費のいいクルマという触れ込みだったDMC-12が期待通りの性能にならなくても、データを偽装して切り抜けようとする、

複雑な金融操作で私腹を肥やす、

会社の金庫と自分の財布の区別がついていない、etc.


現在の、誰かさんのことのような...



ジョンがアメリカの自動車業界に新風を吹き込んだのは事実なのでしょう。

DMC-12が斬新で自由な発想で構想されたことも称賛されるべきです。


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「嘘だろ...」


ただBTTFにおけるタイムマシンとしての輝かしい栄光のせいで、DMC-12は過大評価されてしまったのかもしれません。



この映画が指し示すのは、そもそもこの北アイルランドで組み立てられたクルマが、実は名車どころか失敗作であったという事実です。

組み付け精度が低くてガルウイングドアがうまく閉まらず、パワーユニットやサスペンションにも故障が頻発...

夢を壊してもいけないので... ここまでにしておきます。




衝撃の実話...





そういえば、館内で

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おぉ、ジョンがいる...



「皆さん」

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「ご覧ください」

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「夢のクルマです」



久し振りに満足できる映画でした。



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何年か振りにパンフレットまで購入してしまいました。



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「私は名を残す。私の車も名を残す」



なぜか先進性とレトロ的な、この先のD3にも通じるものを感じるのですよね...





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Posted at 2019/12/11 00:08:49

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この記事へのコメント

2019年12月11日 8:34
デロリアン
やはりあの映画で知りました。ジョルジェット・ジウジアーロのデザインであることは、みんカラで知ったような。

でもデロリアンさんの車とは知らないどころか、なんとなくGM製だと思い込んでいました。

早すぎる天才だったのですかね?それとも手段を選ばない詐欺師?
コメントへの返答
2019年12月11日 22:21
天才だったことは間違いないでしょう。

ただ自動車の大量生産における質を確保するためには、ある程度の規模の工場が必要で、そのためには多額の資金が必要だったのではないでしょうか。

夢を追うには、自動車というのはハードルが高いものなのかもしれませんね。

目的のためには手段を選べなかったのでしょう。自分の会社を守りたかっただけなのかもしれません。
2019年12月13日 12:16
BTTFを中学の時に映画館で観てデロリアンに惚れました!
後に大好きなジウジアーロのデザインだと知って感激しました♪

デロリアンが人名とは知らなかったですが、魅力のありそうな方ですねー。
ちょっと映画観たくなりました!情報ありがとうございます♪
コメントへの返答
2019年12月13日 21:29
自分は高校・大学で、ですねw

クルマが主役になる映画って、失敗作がないですよね。潜水艦と同じでww

神奈川だと、小田原コロナシネマワールドで1/24公開とのこと。新宿が現実的ですね、是非お時間をお取りになってwww

中央東口からスグですよ。

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