中村屋 デジタルスロットルセンサー
まず、製品を見て率直な感想を、整備手帳のコピペだが、こちらにも書いておく。
アダプターが大きく感じる。バラしては無いが、構造上の必要強度からすると少し余裕を持って厚めに作ってある感じがする。クリアのアルマイトがかけられていて各所面取りされている。スロットル側の位置決めの出っ張り以外では怪我をしない様に配慮されている。結構重要な事だ。狭いスペースでの作業になるので思わぬ怪我をしないための心遣い。
スロットル側のネジ穴裏側に0.1mm程度のザグリがある。締め込んで行った時の浮きやガタつき防止だ。アダプターとは言え作っている人は相当なスキルと知識がある。
可動部の形が純正とは違うが、単に肉抜きが無いだけで動作には問題は無い。
最初にデジタルスロットルセンサーの可動部を回した時に重く感じたが、実はノーマルも同様に重い。
ノーマルの方が気持ち軽く感じるが、軸がベースとスレている感触が有る。対してデジタルスロットルセンサーにはベアリングが入っている分滑らかに回転するので精度は高そうに感じた。
因みにスプリングの重さの差は自分の右足では感じられなかった。
厚みは結構厚くなる。
ノーマルがおよそ25mm。対してデジタルスロットルセンサーはおよそ46mm。ネジ部でおよそ31mm厚くなる。
この差が工具選びを更に難しくしている。
デジタルスロットルセンサーに付属のボルトはM4で7mm頭のスプリングワッシャー付きのボルト。7mmの工具は有るが作業スペースを考えるとビットラチェットのプラスを使う事になると思われる。
作業性向上の為にキャップボルトを用意した。
アダプター固定用でM4×15mm、センサー固定用でM4×10mm。
純正のスロットルセンサーに比べるとかなり調整がシビアに感じる。純正の2倍位敏感に電圧が変わるので良い所で止めるのが難しい。
取り付け当初、完全に暖機出来てないからなのかセンサーの座りが悪かったのか手を離しても電圧が0.02v単位でフラフラした。使っているデジタルテスターが0.001v単位で見れるから気になって仕方ない。
走行テスト中、完全暖機後は数値がフラフラする事なくなったので、調整はし易かった。
純正の方が数値の変化が緩やかなので調整が楽だった。
後は配線が長いので何処かにカプラーを固定する事になるだろう。
デジタルスロットルセンサーのセット電圧によって乗り味がどう変わるかテストをした。
2日間230kmと限られた時間と距離なのであくまでも参考までにとどめて頂きたい。
思った事を書き留めた物を羅列しているので読み難いと思われる。また、書いてある感想は直前の状態からの比較で言っていることもある。
純正スロットルセンサーのレビューと比較して欲しい。
0.7v
純正スロットルセンサー1.0v位のレスポンス、ダイレクト感は有る。
2000回転以下でも車が前に進む。
2000回転以上のトルクの盛り上がりを感じ取れる。
アクセルオフからのゆっくりとした踏み込みにギクシャク感は無い。
高回転は何も気にならない。
0.8v
5速の2000回転以下でも進む。
正圧でゴリゴリとトルクがある。
トルク感が更に増えた。
ゴリゴリ感は踏まなければ少ない。
上り坂は少し弱い感じ。
高回転は違和感なくやはり早い。
0.9v
同じ加速をしても0.7vの時と負圧が0.2位違う感じ。
2000回転付近でモリモリ感アリ。
5速緩い登りでも正圧に入らなくなった。
感覚通りの加速から紙一枚遅く感じる。
が、感覚との遅れはない。
1.0v
感覚についてくる。
トルク感、加速感が良い。
上り坂も付いてくる。
少し踏めば加速する、反面パーシャルもそれなりに有る。
平坦路でアクセル開度が浅く負圧-0.6を割り、フィードバックから外れる事が多々あった。
ダイレクトでコントローラブルなスロットル特性。
誰でも早く感じる。
負圧-0.2が早い。
峠でなければ5速のまま走れる。
左折が3速。
巡航スピードが勝手に上がる。
楽しい。
全体を通して純正スロットルセンサー比で確実にパワーが上がっている。
確認のために計測したらテストコースで60km/hからの区間加速が純正スロセンの時はいつも180km/h前後だったのが192km/hになっていた。
1.1v
トルク抜け感が有る。
2000回転以下で顕著に感じる。
3000回転まで回してもトルク感が薄い。
純正スロセンの1.2v以上に乗りにくい。
反面5000回転からは早い。
圧縮が低い様な感覚。
1.2v
1.1vとさして変わらない感じ。
慣れた分逆にトルクがある様な気がしたが、負圧-0.2以下ではやはりトルクは無く、気がついたら正圧まで踏んでいただけだった。
高回転は1.1v同様、違和感なく早い。
番外編
0.5v
意外と普通に走れる。
スムーズな回転でシルキーさが有る。
2000回転以下も使える。
踏み始めに一瞬スカる事がある。
燃料カット?
トルク感は無いが、純正のスロセンの0.6vの時ほどでは無く、純正0.7vの時と同等。
レスポンスは純正0.7vよりも良い。純正0.9v位のレスポンスは有る。
高回転は普通に早い。
アクセルに対してのツキも良い。
アクセルの踏み込み量は多い。
平均スピードは遅い。
1.6v
アイドリングがラフ
エアコンコンプレッサーを入れないとまともにアイドリングしない
アイドリングが500回転まで落ちてコンプレッサーが入らなくなるとアイドリング回転数まで回復しない。
アクセルオフでエンストしそう。
中止。
2.0v
調整中に不意に回し過ぎてなったのだが、一瞬回転が落ちた後に意外と普通にアイドリングし始めたので観察してみた。
アイドリングはする。
…以上!アクセル踏んだらストールした。
総評
電圧が低く、トルクが薄く踏み込み量が多くなるとフィードバック制御から外れる。
デジタルスロットルセンサーなら0.7にしてもトルクが痩せにくいからフィードバックに入りやすい。
高回転の差は0.1v刻みでは分からない。レスポンス遅れを感じない。
ただし、1.0の時には明確にパワー感を感じた。
電圧調整は主に低回転に変化がある。
空燃比の変化は僅かなのでリセッティングの必要性を感じない。
1.1v以上は、特に1.2vは昔のドッカンターボのフィーリング。選ぶ理由は無い。
他のレビューで0.7vがしるきー、スムーズでオートマの様に楽だと言うのをみたが、個人的には1.0vでトルクが出る方がシフトダウンも無く、乗りやすいと感じた。
反面僅かなアクセル操作にも敏感に反応するので楽に感じるかギクシャクに感じるかは個人差だろう。
回転落ちが早い。
今回意識して比べたから違いが分かるが、ずっと乗っていたら分からなくなる。
0.5v〜1.2vまで通しでラフアイドルは無かった。調整中に不意に高くなると回転がストンと落ちたが、エンストには至らなかった。
1.6vはラフアイドル、エンストしそうなど、セット電圧を高くするとてきめん不調。
反面低い方には致命的なものは感じない。
販売時の出荷時のイニシャルセットを測った人は大体0.93v〜0.98vと1vを超えない所にセットされている様だが、正解だと思う。
確実に純正スロットルセンサーとの違いが分かる場所で個人的には美味しい場所だと思う。
理屈は仮定の範囲から出ないので明言は避けますが、1.0v時にパワーは確実に上がっていると思われます。
純正スロットルセンサーに対してのマイナス面ですが、どのセット電圧にしても高回転にダイレクト感が有り、パワーが付いて来て良くなった代わりにセット電圧を低くしてもマイルドな特性の高回転にはならない。多分テスト直後の今でさえ高回転のみをブラインドテストしたら間違うと思う。実際、1.0vだと思って走っていてだ時にいつズレたのかやり方が悪かったのか、1.2vだった事がありました。
純正はセット電圧での変化が全域で分かりやすかった。
やはり調整がシビアで、難しくなった。これはセンサー自体の小型化で回転軸に近い所を触って調整をするからだと思われる。
あと、調整時に熱い。今回ロードテストをするのに頻繁に調整を繰り返していたからもあるけど、センサーが小さくなったからアルミ部分に触って指先が低温火傷みたいになってる。
サーモワックスのパイプ付近がバカ熱い。
コレもセンサーの大きさに起因するものだが、サーモワックスのホースと圧力センサーのホースが干渉する。何か巻いて保護するかホースを長くする必要がある。
最後に
感じ方はそれぞれだと思うが、やはりセット電圧による差はある。自分はもう1.0v信者になってしまったが、0.9から1.0vの間、又は1.0vを少し過ぎた所にもっと美味しい所があるかもしれない。今回は0.1v単位での変化をチェックしたのだが、もう少し詰めてみる余地はありそうだ。
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