MiniCar|RAI'S 日産スカイラインGT-R (1993) 埼玉県警察高速道路交通警察隊
投稿日 : 2011年07月17日
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交通取締用の覆面パトロールカーといえばクラウンに代表される4ドアセダンが圧倒的に主流。しかし中には例外もあって、3代目のトヨタ・ソアラなどは少数ですが国費導入されて全国に配備されていました。
数少ない2ドアの覆面パトロールカーですが、デビュー当時に誰もがその存在を信じられなかったのが、R32型・日産スカイラインGT-R。1989年に復活を遂げた伝統のネーミングを誇る、スーパースポーツモデルを埼玉県警察が県費予算で導入して覆面車両として運用していました。
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デビュー当時のイメージカラーであったガンメタリックのボディカラーをまとうGT-R。前面警光灯はフロントナンバー脇の奥に備えていますが、一見すると反転式赤色警光灯を収納している限りは、ごく普通のGT-Rにしか見えないでしょう。
さらに興味深いのはフロントバンパーをnismo製のものに交換している点。制服仕様と比べていただくと一目瞭然、ナンバー上部に空気取り入れ口が開けられています
もちろんドレスアップのための装着ではなく、前面警光灯の装備によって空気の取り入れ量が減少することを嫌っての対策と言われているとか。
最近ではスバルレガシィB4が前面警光灯の被視認性確保のためにオプションパーツのグリルを装着してるという事例もあります。
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大径の扁平タイヤを装着するためにワイドフェンダー化されているGT-R。ゆえに登録上は“3ナンバー”となりますが、あくまでもボディの基本は全幅1700mm未満の“5ナンバー”サイズ。さらに全長は4,545mmと、最新のブルーバード・シルフィよりも50mm以上短いのです。
ゆえにキャビンスペースはとても限られたもの。さらに内装には純正装着のバケットシートが奢られ、当然ですが無線機なども装備されているので、体格の良い隊員2名乗車は少しばかり暑苦しさも感じてしまうものだったかもしれません。
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キャラクター的にトランクリッドのアンテナはやや違和感を覚えるところでしょうが、なによりこんなに巨大なリアウィングを備えるスポーツカーが警察車両であると、一般的には想像出来なかったであろう後ろ姿。
いまや日本車の最高出力上限については280ps自主規制も撤廃されて、300psを超えるモデルも珍しくなくなってきました。
しかし、やはりこのR32型・スカイラインGT-Rがデビューしたときの衝撃は、個人的には最新のR35・GT-Rのそれよりも大きかったというのが偽らざる心境です。
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R32で復活したスカイラインGT-Rは、その後のR33、R34と三世代に渡って歴史を刻み、現在のR35・GT-Rへという流れになっています。
そして警察車両としては三世代のスカイラインGT-Rを全て採用してきたのが埼玉県警察。
なぜこうも決して安価ではないスカイラインGT-Rを採用し続けてきたのか、その本当の理由は知る由もありませんが、確かにハイパワー+フルタイム4WDというスペックや、高い存在感による啓蒙効果は現場からの評判も良かったのではないかと思います。
さすがにR35型・GT-Rの導入には至っていませんが、果たしてこれまで使われてきた“GT-R予算”がどんなかたちで使われるのか、そこが気になるところです。
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