
整備手帳で触れましたが、ハイパーソニックツイーターを3つ付けました。
そもそもの始まりですが、Youtubeで試聴用音源をアップされてる方の或る曲をUSB接続で純正BOSEで聴いたところ、サブスク音源のUltraなんとかよりも音の粒立ち際立ちが生々しくて、リアル感というか臨場感も強かったので、何故?ってところから始まります。
因みにサンプリング周波数ではYoutubeが確か48kHzまで(かつ高域は20kHz以上をカットだとか?)に対し、Ultraなんとかは96kHzなので、数字上の粒度はUltraが上であり、ますます疑問が大きくなります。
いつも聴いてる音源が良くなかったか、あるいは車に付いてるプロセサーやスピーカーは実力がそこそこあるって事になるのでしょうか。
ただ音源の質を上げるとしても、いろいろな楽曲を聞きたいし、いい音源探し尽くすのも面倒だったり、数が限られるので、これからもよくあるサブスクアプリで行きたい。
ポータブルDAPは興味あるけどお値段高いし、車のプロセサーに実力があるとしたら、値段ほどの変化や効果が無いとショック受けそう。
試しに数少ないMQA.FLAC音源を引っ張り出してUSBで繋げて聴いてみたところ、癖や濁りが無い整った音ながら、さほど生っぽいとも感じられないデジタル音に感じたので、ウーン。
手持ちのイヤホン用小型DAPではMQA拾うけど、車側の対応オーディオファイルはFLACあるけどMQAが無いみたい。
でもって悩んだ結果、音源のアップグレードを一旦止め、プロセサーを足すこともせず、いっそお試しでハイパーソニックの世界を覗くことにしました。

まずは純正ツイーターも道連れに、40kHzまで鳴るとかというアルミニウム特殊合金コーンを持つAudio Laboratoria AL−1FTというものに変えてみます。BlamならTS25HRとほぼ同じ再生周波数ですね。
机上で試すと高音は刺さりすぎず、走りすぎず、落ち着いた響きです。フィルター無いと中域から良く鳴り、音に厚みや奥行きが出ますが、スコーカーと音域が被リすぎて雑味か嫌味が増すのも避けたいし、ツイーター保護という面からも役割分担という面からもフィルターは付けることにしました。
4Ωで40kHzまで鳴らしてくれるのなら2.2〜3.3μFくらいのHPフィルターにしてもいいような気もしますが、800Hz前後の中音域も売りなんでしょうか。680から下を-12dBでなだらか目に抑えてくれる様です。
数字としてはスコーカーとかなりの音域が被りますが、机の上では実際の中音がこのフィルターにより結構控えめに聴こえました。このまま行きます。
これになんと20kHz(既に聞こえない高域)から40kHzを超えて150kHzまでの複雑性超高周波を発するハイパーソニックツイーターのBatpureを並列し、いきなり雲の上の世界に飛び込みます。
左右ツイーターもセンタースピーカーも共々に正相のまま、Batpure計3個を並列接続です。
ツイーターカバーの裏に、縁に両面テープを貼ったBatpureを縦に付けます。
新しいツイーターのコンデンサーはカバーを外し、エプトシーラーやスポンジでカタツキ防止してからBatpureの裏に被せ、インシュロックで従来のツイーター固定用の穴を使い、折れない程度の若干のテンションかけて留めます。
Batpureとツイーターコンデンサーからの配線をまとめて、このオスカプラーに接続です。純正BOSEの車両側カプラーに繋がります。並列にしたので太くなったケーブルをまとめてカプラー端子に固定して、カプラー本体に入れるのが大変でした。

外から見るとこんな感じでよく見えませんね。Batpureのピエゾ振動板の色は見えます。
Batpureは抵抗値が高いのと、可聴高音域以下の音がほぼ鳴らないという事もあってフィルターなどは要らないようです。波型ピエゾはカバーもあるし扱いにも気を使わなくても良さそうな感じ。ただ熱には強くないとか。
センターはフロントガラスに当ててから耳方向に反射する位置に据えます。上部にカタツキ防止のエプトシーラーを小さく貼ってます。写真は貼る前です。
なお机上SPならバスレフの穴に逆相にしたBatpureを突っ込むと良い、とかいう記事もあったりします。センターだけスピーカーごと逆相も試しましたが(バスレフポートじゃあないですが)、正相が好みでした。
3個ともほぼ純正スピーカーの位置なので、フラッターエコーとかは発生しにくいかなと勝手に推測。車なので、主な内装は布と革ですし。ま、そもそもエコーさえ高周波過ぎて聞こえない・・・
なおBatpureはツイーターやスコーカーの位置より内側に置くと効果高いとか。よって新たなツイーターの方は従来位置の外側に置きました。
台座は木片の黒塗装に木ネジ留め、その下にスマホ用の金属プレートシール、こっちも穴開けて裏から木ネジ留。
材料費100円未満なら見た目もそれなりに・・・
自分の耳で12kHzが可聴限界のジジイが何をやってんだ?と我ながら半ば呆れます。しかも先にドアにつけたBlam Signature FRS 3N50+でも、30kHzの非可聴域までカバーしてるのに。
でもでも、雲の上は眩しく晴れ渡っていました。
鳴らして見ると摩訶不思議、加齢した耳で聞こえないはずの、というか人間が聞き取れない高域の周波数を追加したのに、何故に違いが分かってしまうのか、それこそが分かりません。
今までドアスコーカーの交換などで音がキラキラと聞こえるようになったと思ってましたが、まだ皆さん方、もう何枚かのカーテンの向こうで歌って演奏してたんですね。
音のベールが取れ、全部の音が何歩も近寄って来て、音像も上に上がります。 出たぁ! 怪談か。いやこれって、空即是色。
こんな小さなもので、と言ったら失礼ですが、低中高の全域にわたって音の輪郭がはっきりしたり、おまけに何故か低音までクリアに聞こえたり。(4.4mmバランス接続ヘッドホンでDACから聞く音ほどの精度はないです、念の為。)
原音の再現性がどうの、ノイズが少なくて定位がどうの(あえて言えば非可聴域はノイズの部類?)、というよりも、何だか周りの空気感が変わって、音の粒の皆さんとお近づきになれました。しかも皆さんこんなに綺麗な粒だったの?
演奏する全員が、相対的な位置関係はそのまま、少し広がりつつも一斉にこっちに寄って来て輝くし、雨音もせせらぎも自分にかかりそうだし、鳥も虫も隣で鳴くし。でも定位が犠牲になっていない様子。
ここは車の中か?
得体の知れない何かに包まれます。
例えばアンプラグドとか言いながらもアコギからマイクで音を拾って結局アンプで音を増幅して離れたところから聞かせる、とかではなく、生楽器を耳でそのまま目の前で聴く様な感触に近くなるのでしょうか?
また複数種のアコギをピックアップとプロセサー通してアンプスピーカーで聴くと、ギターの木材等の違いからくる音色の違いを薄めてしまいがちですが、生音なら違いがわかります。これが原音なのかな?
プロセサーが天女の羽衣なら、ハイパーソニックは裸の王様ですね。
腹が出てたメタボでも、シックスパックでも、むき出しで晒されそう。
服も帽子も靴も全部剥ぎ取られ、裸の音になったら、美しさもエグさも粗さも全部出てきます。
脱いでビーナスの誕生か、恐ろしいイザナミの逆襲か、両刃の真剣と向き合う様な緊張感と臨場感がセットで生まれたり。
つい音に集中したり、吸い込まれてしまいます。
素人が調べたところ、この超高音域の音、耳で聴こえる周波数を超えても、人間はこれを外耳道から聴覚を介して受け取るだけでなく、皮膚を通して感受し、数分後には脳内の視床や脳幹が刺激され、自律神経が整ったりNK細胞や免疫系が活性化し、ポジティブな気分になると、臨床試験などで出たらしい。
ついでに血糖値の上昇を抑え糖尿病に良かったり、鬱の治療にも使われたりしてるらしいのです。
身体的効果を狙うなら80kHz前後が有効かという記事も。(そんな音源、探しきれませんが、一般にはガムランとかハープシコード、パイプオルガン、熱帯雨林の環境音に含まれるようです。)
よってこの物体は、冬でも皮膚が出ている顔周辺に向けて据えた方が良いと思われます。
メーカーのサイトではヘッドホンで耳を塞いで、顔のド正面にこれを据えて聞くという絵がありました。
超高音域ってもはや耳で聞く必要がないのですね!? 長距離ドライブで疲れなければ御の字です。音の世界は不思議なことだらけです。
でもって今回の2種のツイーターも発見をもたらしましたが、もう少しエージングが必要でしょう。暫く鳴らし、ある程度全身で超高周波の心身マッサージ効果を感じ取れたら、沼が見えない位置まで少し遠ざかって、さらに鑑賞(治癒?)に注力します。
小さな小さなハイパーソニックツイーターを付けただけで、こんなに長い話をグダグダ書いてしまいました。そこまでハメルのもBatpureの力なのかな。一度付けたら外せなくなります。
(スーパーツイーターならパイオニアにもありましたが昔は村田製作所もホーム用を作ってたらしいですね。京セラなどからも近々室内用が登場しそうです。
なお非可聴音だけで鳴らすと効果がなくって、可聴音とセットになったら初めて効果が出るようです。
機能は全く違えども鹿島建設のスピーカーや曲面振動板のミライスピーカーの機能も凄そう。将来応用されるのでしょうね。)
蛇足です
密林音楽が提供するDOLBY ATMOS(結構人工的な加工音ですが)で聞く
アルバム MAGNIFICAT
の5曲目 FECIT POTENTIAM で
BATPUREの超高音域
Audio Laboratoriaツイーターの高域
BlamのSignature FRS 3N50+のフルレンジ
純正ウーハーの低音
の実質4Wayを楽しめました。
全スピーカーがフル稼働。
Batpureがあることで、高音から低音まで、全て解き放たれたかのように鳴ります。パイプオルガンやバイオリンの高周波の倍音も鳴ってることでしょうし、たくさんの楽器や声の中高音がきれいに輝きます。コントラバスの低音も。
が、同時にパイプオルガンの重低音により足元ウーハーのエンクロージャーが壊れるかというほど震えます。ドアスコーカーも低音拾うのでしょうか、ドアトリムが震えて恐ろしや。
ツイーターのHPフィルター繋げといて良かった。
(3曲目 Quia Fecit もいきなりパイプオルガンの超重低音から入ります。 スマホなどのスピーカーではこの低音は再生できないので聞こえません。)
Dolby AtmosでなくUltra・・の方が変な加工感が無くていいかも。