SJ30 電動コンプレッサー式エアコン取り付け【その5:電気配線】
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2024/6/1~6/15
SJ30に電動コンプレッサー式エアコンを素人が取り付けた記録です。
今回は電気配線編です。
電気配線の構成としては、制御系はJA11純正のエアコンアンプ(コントローラ)やセンサーを用いて、エアコンアンプから出るコンプレッサーON信号を電動コンプレッサーのコントロールパネルに入力する構成を考えました。
図はその回路を描いたものです。
外気OFFスイッチとは、内気外気切り替えレバーのところに付けられたマイクロスイッチの信号で、レバーを「外気導入」にするとスイッチがOFFになり、コンプレッサー信号がOFFになるものです。
(JA11はエバポレータが内気取入れ口に付いているので、外気導入にすると冷気が流れなくなるため、必ず内気循環になっている時のみエアコン作動するようになっています)
また、加速OFFスイッチはアクセルペダルの上に付けられていて、フル加速時にスイッチがONになり、コンプレッサーがOFFになります。(少しでも加速を良くするため)
サーミスター信号はエバポレータが冷えすぎる(0℃以下になる)とコンプレッサーをOFFにします。
(エバポレーターの凍結防止)
水温センサー信号は水温計のセンサーから信号を取っており、水温が高すぎる(105℃を超えた)ときにコンプレッサーをOFFにしてコンデンサーFANを連続ONします。
※参考
水温計センサー(ウォーターサーモゲージ)の抵抗値:80℃の時51.9Ω、100℃の時27.4Ω、120℃の時16.1Ω
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エアコンアンプの黄色いコネクタは汎用品では見つけられず入手できなかったため、中古のエアコンハーネスをヤフオクで入手しました。
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このエアコンハーネスを使用するためにコネクタのピンアサインやハーネスの接続をネットや現品を調べて把握したので、備忘録としてここに記載しておきます。
この図がハーネスのコネクタ構成です。
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これが各コネクタ間のピン接続図です。
ハーネスの現品を1ピンづつテスターで当たって確認しました。
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これはエアコンアンプに接続される黄色いコネクタ(14ピン)のピンアサインです。
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これは車両エンジン側に接続されるコネクタ(10ピン)のピンアサインです。
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これは温度調整ボリュームと外気導入時にOFFにするスイッチにつながるコネクタ(4ピン)です。
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これはACスイッチにつながるコネクタのピンアサインです。
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なお、JA11の温度調整ボリュームは温度調整レバーにスライド式可変抵抗器が付いているのですが、SJ30はレバー周りの構造がJA11とは異なるため、そのままでは取り付けられません。
ネットで調べると、10kΩの可変抵抗のようだったので、汎用の10kΩのロータリー式可変抵抗を購入して、インパネの空いているところに取り付けることにしました。
また、ACスイッチもJA11と同じ空調パネルへはスペースの関係で取り付けられなかったので、スイッチもインパネの空いているところに取り付けることにしました。
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さて、実際の配線作業です。
電動コンプレッサーとそのコントロールパネルは3本の電線で接続します。
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コンデンサの電動ファンはコントロールパネルから接続します。
ハーネス側コネクターはネットで調べると汎用品が使えたので、ネットで購入して接続しました。
・住友電装090型MT防水ブラケット固定タイプ メスカプラー2極
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コンプレッサーのON信号の電線は、エアコンアンプのコンプレッサー信号からエンジンルームに通して、レシーバータンクの圧力スイッチを経由して電動コンプレッサーのコントロールパネルの端子へ接続しました。(写真の細い赤線、上)
中ほどの細い赤線と黒線はコンデンサファンの電線。
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その他、エアコンアンプへバッテリー直の12V、イグニッション信号(12V)、スターター信号(ステアリングコラムのキーシリンダーの黒黄線から分岐:12V)、ブロアファン信号(ブロアファンスイッチの配線(青白)から分岐)の配線をエアコンアンプのハーネスへ先の配線図のように接続しました。
最後に電動コンプレッサーのコントロールパネルの主電源ケーブルをバッテリーの端子に繋ぎ込みました。
ところが配線を仮接続して動作を確認すると、どうしてもコンプレッサーON信号が出ない・・・。
ハーネスは断線しておらず、エアコンアンプはジムニー仲間のJA11に取り付けて動作確認すると問題なく動作するため異常なしと思われます。
車両から外し、机上で安定化電源やセンサー、スイッチ、リレーなどをつないで詳細に確認するも、結局、動作しない原因が分かりませんでした。
※私の接続などが何か間違っているとは思いますが…
コンプレッサーON条件は色々調べて間違ってはいないはずですがね・・・
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残念ですが、このエアコンアンプの使用は諦め、汎用のリレー2個を組み合わせて「ブロアファンON かつ ACスイッチON」の時にコンプレッサーをONさせる回路を組むことにしました。
なお、自分で回路を構築するのであれば、コンプレッサーはせっかくインバータ制御となっているので単なるON/OFF制御ではなく、PWMボリュームによる無段階電圧可変制御としてみました。
ちなみにCRUIZEさんでもコンプレッサーの消費電流を3段階に可変するスイッチを品揃えしており、回路を確認するとコンプレッサーの信号ラインに入れているので、たぶんコンプレッサーへの信号(電圧)を可変すればコンプレッサの稼働能力(消費電力)が可変できると考えました。
(この方法はメーカー推奨されていないので自己責任として行いました)
ネットで調べてみるとボリューム付きのPWMモータードライバーはたくさん市販されており、さらに開始最低電圧を可変(例えば6V以上を出力するなど)できるものも存在することが分かりました。
これらを考慮して、『イグニッションON時』で、かつ『ブロアスイッチがON』で、かつ『ACスイッチがONの時』にコンプレッサーが稼働するような回路を市販のリレーで組みました。
なお、スターターONの時にはコンプレッサーがOFFするようにもしました。
(SJ30はスターターを回した時にイグニッション電源やブロアファン電源が切れる仕組みがないため)
修正した回路図です。
なお、この回路では純正エアコンでのコンプレッサーOFF条件がいくつか動作しないので使用するときには注意が必要です。運用でカバー?(下記に詳細を記します)
・内気外気切り替えレバーを外気にしてもコンプレッサーOFFにならない
・冷却水温度が105℃を超えてもコンプレッサーOFFにならない
・エバポレーターのサーミスターが0℃以下になってもコンプレッサーOFFにならない
・フルスロットルにしてもコンプレッサーOFFにならない
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これが私が選択したボリューム付きのPWMモータードライバー。
コンプレッサーへのON信号(電圧)を無段階に可変できます。
また、開始速度(最低電圧)を可変できるのが重要。最低電圧があまり低いとコンプレッサーが動作しないためです。
これを使ってコンプレッサーの回転速度を可変して、吹き出し温度を調整できるようにしてみました。
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この回路を車に取り付けました。
温度調整PWMボリュームとACスイッチはインパネ右側のスイッチパネルに取り付けました。
基板が干渉しないようにインパネをギリギリまで削り込みました。
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また、基板むき出しではショートする危険があったので、基板はハーネステープを巻いて絶縁保護しました。
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アルミプレートをカットして黒塗装したものを接着しました。(上側2カ所)
この穴にボリュームを取り付けました。
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動作確認してみると、コンプレッサーON信号は出るのですが、ACスイッチのインジケーターランプが点灯しません。
スイッチ内の回路を確認すると、どうやら回路的にLEDに電圧がかかっていない(電位差が付いていない)ので、電流が流れていないようです。
よってLEDの下流側をボディーアースに落とす必要があることが分かりました。
図はスイッチ内部の回路を表現しました。
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そこで、スイッチ内部の基板で一つになっているグランドパターンをカットして、LEDのみ別の配線出しにしてボディーアースへ落とすことにしました。
修正した回路図がこれです。
※修正部は赤枠内
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スイッチをばらして基板を取り出し、パターンカットした写真です。
リューターを持っていないので精密マイナスドライバーでゴリゴリ削りました。(汚いのでお恥ずかしい)
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カットして独立させたLEDの下流側に電線(真ん中の黒線)を半田付けしました。
この黒線をボディーアースへ落とします。
写真下の円盤は基板を保持するためのジグとして使っています。
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雑な加工ながらもうまくいき、スイッチON
時に無事インジケーターランプが点灯するようになりました。
これでやっとコンプレッサーの電源を入れる準備ができました。
ただ、発電容量をアップさせないと電動コンプレッサー+電動ファンが必要とする電流(最大75A近く)が流せないので、次回は大容量オルタネーターへの換装について書きたいと思います。
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