
信濃町に借りた駐車場にセブンを停め、
新国立競技場へ世界陸上を観戦に訪れた

旧国立競技場は1991年の世界陸上東京大会を含め十数回行ったが新国立競技場は初めて
と言うのも東京オリンピックに合わせて作られたこの競技場、
当初の構想では陸上トラックの常設はせずサッカー等の球技を主体とした運営が計画されていた為に旧国立競技場には隣接されていた陸上の練習用サブトラックが廃止されており、
陸上競技会を開催する為には離れた場所にある競技場で練習した選手を輸送するバス等の交通手段の手配がいちいち必要となる為に世界大会や日本選手権といった複数日に渡る大規模な大会でないと開催が難しく、
昔は旧国立競技場でも数多く実施されていた1DAY開催の競技会がすっかり消え観戦の機会も無くなってしまったのであった
というわけで日本人選手の応援をメインに久々の観戦を楽しむのである

会場内で行われていた武井壮のトークショー
元十種競技日本選手権者である彼だが喋りがうるさくて正直好きではない

フィニッシュラインを見下ろせる位置の3階席7千円也
ホームストレートの1階席3万円だとう!?
次いつ巡ってくるかわからん貴重な機会とは言えさすがに買えんわ
余談ながら競技の合間合間にDJ系の場内MC?の英語を交えたアナウンスが場内に流れるのだが、
ボリュームデカいわワンワン響きまくるわで何を喋っているのかいっこも聴き取れなかった
以下携帯カメラの届く範囲にて競技を撮影したが、
望遠ゆえ撮れていなかったり撮れていても鮮明でなかったりするのでご容赦を

男子800m予選 第5組
第7レーン 落合晃
今年駒大に入学した元スーパー高校生の落合くん

落合 1分46秒78 7着 予選敗退
前半抑えたペースでも上位陣は落合の持つ日本記録に近いタイムでゴールしているため、
よほど後半のキックを強化しなければ彼らと肩を並べるのは厳しいか

男子走高跳決勝
瀬古優斗
赤松諒一
今年になって2m33を跳び一躍名を上げたメガネ君こと瀬古と東京五輪5位入賞の実績を誇る赤松
この種目の決勝に複数の選手が勝ち残るのは日本選手としては初の事となる
瀬古 2m20 10位
赤松 2m24 8位タイ入賞
ここは経験の差が表れたといったところか

男子110mH 準決勝第1組
第3レーン 泉谷駿介
第8レーン 野本周成
昨日スタートの出遅れにより僅かの差で準決勝進出を逃していた筈の2023年ブダペスト世界陸上5位の泉谷がスタート地点に居て驚いた
欠場者が出た為に繰り上がりで進出が決まったものの彼にその報せが届いたのはスタート1時間前の事であり、
自宅で寛いでいたところを慌てて会場に駆け付ける羽目になっていたのだと後で知った

泉谷 29秒71 (転倒により途中棄権扱い)
野本 13秒30 3着
泉谷はアップ不足が祟ったか転倒を喫した後ゆっくりとゴールまで「完走」
野本は2着と1/100秒差の3着も3着以下のタイム上位2名に入れず無念の敗退となった
しかし泉谷も珍しいケースとは言え気の毒な結果になったものだ
転倒で怪我などしていなければ良いが

男子110mH 準決勝第3組
第7レーン 村竹ラシッド
日本人には夢の領域だった12秒台へと足を踏み入れた村竹がメダルを目指し決勝進出を賭ける
(競技中の写真撮れず)
村竹 13秒17 2着 決勝進出
着順で堂々の決勝進出となった

男子400m 準決勝3組
第7レーン 中島佑気ジョセフ
東洋大時代から44秒台を期待されながらも果たせず、
佐藤拳太郎・佐藤風雅の「W佐藤」44秒台コンビに後れを取る形となっていた未完の大器
社会人2年目の今年は世界陸上の直前に44秒84と初めて45秒を切ると同時に世界陸上の参加標準記録を突破し400mの代表へと滑り込むと、
本番となる今大会の予選では44秒44と日本記録を大幅に更新し準決勝へと駒を進めていた
(競技中の写真撮れず)
中島 44秒53 2着 決勝進出
300m地点で7位辺りを走っていて正直駄目かと思っていたところ、
最後の直線で驚異の追い上げを見せ5人をごぼう抜きして着順であの高野進以来34年ぶりの決勝進出を果たして見せた

ゴール後インタビューを受ける中島
脳に酸素足りなくて吐き気するわクラクラするわ尻から腿の裏にかけて乳酸溜まって締め付けられる様に痛むわ(「ケツ割れ」と呼ばれる400mあるある現象)で一番ツラい時間帯だと思う…お疲れさん
決勝も期待大!

女子1500m決勝
2位に2秒77もの大差を付け独走で世界陸上3連覇を飾ったこの種目の世界記録保持者ケニアのキピエゴン
他の決勝進出者と比べ一際小柄でありながらも凄まじい強さだった

男子110mH決勝に向け整然とハードルが配置されて行く

男子110mH決勝
第4レーン 村竹ラシッド
決勝進出者が顔を揃える
因みに第1レーンを空けて第2〜第9レーンを使うのは、
第1レーンが当然ながら最も踏まれる頻度が高く荒れている為に割り当てられた選手が不利になってしまわない様に使用を避けているのだ

村竹 13秒18 5着
1着から0秒19
3着から0秒06の差
1着アメリカのティンチは12秒8台の記録保持者の実力を見せ付け、
2着・3着のジャマイカ選手は共に自己ベストをこの決勝の舞台で叩き出して見せた
思えばこのレース後にもまだ続いていた男子走高跳でのニュージーランドのケール選手も自己タイ記録を決勝で跳んでの優勝だった
レース後村竹は「何が足りなかったんだろう」と悔し涙に暮れたとの事だが、
何より彼は世界のトップに手が届くところまで辿り着いたばかりである
これまで国際舞台における日本人選手に対して感じていた「大舞台で萎縮して実力を発揮できず」といった歯痒さがようやく払拭されつつあり、
ここからもう一皮剥けるには何よりまず場数を踏む事だろう
トップ選手たちに顔を売り「こいつはヤバいぞ」と意識される存在となり大一番で彼らをねじ伏せる日が村竹にはやって来るだろうか
そんな事を夢想しつつ熱気冷めやらぬ国立競技場を後にセブンの待つ駐車場へと足を運ぶのであった

おまけ
ハンマー投げで圧勝したカナダのカツバーグ
「カツでバーグとか最強やん」とネットで話題となった