
『スカイラインと私』、プリンス誌の小特集(別冊が登場)。
副題、あの名設計者「桜井真一郎」の不変の設計哲学を集大成。
いつかの
イベントで手に入れた櫻井さんの著書(小冊子プリンス誌)にあった「スカイラインと私」の小特集本。スカイライン生誕20周年で出された貴重なもの、自分の備忘録のために見開いてみた。今日から少しずつですが全17話を振り返ってみたいと思います(あくまでも自分の備忘録ですので、汗)。
画像)は
いつかご本人からいただいた著書への自筆。
「直進20年。スカイランは誕生のそのときから、すでに名車であるべく宿命づけられていたのだといえよう・・・・。」と始まる、まえがきのページには青い空と白い雲、スカイライン(ケンメリ)と男女の風景。その後、自動車評論家(柴山洋三)のそれまでのスカイライン20年を語るページ(6ページ)、その後に1話から17話まで本編が続く。
『スカイラインと私』(スカイライン設計主査・桜井真一郎)
スカイラインと私(1) --- ドライバーに語りかける車 ---
私は車を冷たい機械ではなく血のかよったものと考えています。車っていうのは、自分の意思を車に伝えると同時に車から人間に対して話しかけるというのがあって初めてベストな走行ができるものです。
車と人間との心のふれあい、たとえば恋人と山へスキーに行って足を折ってしまった。自分は歩けないから、ひよわな彼女の背中につかまっておろしてもらわなければならない。その時、お互いに愛しあい、信頼しあっていたら恋人の背中の動きだとか、足場の悪さかげん、つらさかげんというのが背中をとおして自分に伝わってくる。車と人間もかならずそのような情のかよわせかたができるはずだと考えました。
今、車がコーナーを走っている。これ以上スピードを上げると、そろそろ危うくなりますよと車がドライバーに話しかけ、教えてくれる。それが本当の対話であり、ドライバーがミスするまで黙っているような車では、本当の対話になりません。
私は走行状態を緻密に知らせ、刻々と話しかけてくれる、そんなハートのある車をつくりたいと思ったのです。
そしてまた、今までいわれているように安定のいい車は乗り心地が悪いとか、乗り心地のいい車は安定が悪いなどスタビリティと乗り心地とは相反するものという考えを変えてみたかった。
計測器を駆使して様々な走行データを検討するわけですが、どういう値に決めるか、最後は人間の感覚でそれが走り味になるのです。
自分の足を車を止めるという感覚を大切にしたかったので、マスターバックはあえて小型のものにし、その他、いろいろな工夫をこらし、車と人との対話をはかりました。人間の心がわかる車。それこそ私が求めていたスカイラインという車だったのです。
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2011/05/15 16:33:16