ビートのラジエターファンモーターのベアリング化
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まずはモーターを単品にし、カシメを外して分解します。マイナスドライバーと平ポンチを使用しながらカコン!と何発か食らわせると、このように分解します。
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さっそく軸受けを確認。
……ベアリングじゃないんかい!
ただの滑り軸受けです。
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軸と反対側も確認。やはり滑り軸受けです。ブラシは残りの長さからそんなに減っているようには見えませんが、カーボンと思われる粉が周りに付着していました。せっかくなので掃除しておきます。
滑り軸受けの交換か……と思いましたが、なんか、空間ありません??ベアリングが入りそう。
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ということで、ニッパで切断、ラジペンでグニグニ……滑り軸受けを破壊し、無理やり分解した画像になります。
軸側とケツ側で、空間(径)が異なります。
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空間を実測し、モノタロウでベアリングを購入。モーターの筐体により密閉されるためメンテ性が悪く、さらにカーボンの付着する環境を考慮し、両側接触ゴムシール形を選択。
大きさは、6000と6001です。
型式:6000-2RS・6001-2RS
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モーターの軸径8mmとベアリングの穴径10mm/12mmに合わせるため、スペーサーを入れます。イグスのフランジ付を選択。
型式:GFM-081221-08・XFM-0810-08
結構固いので、ヘタに押し込むとベアリングのボールをつぶしてガタつきが出ます。必ずベアリングの内径のみに力がかかるようにしましょう。
(…私はベアリングを1個ダメにしました。)
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うーん、ほぼジャストフィット。
微妙に緩くなってしまったので、センターポンチでベアリングがはまっている外側部分を叩き、板金作業で微調整。手で押し込んでスゥ…っとハマる程度になりました。ここのガタはファンのガタつきや異音に直結します。
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モーターを組み合わせて軸方向のクリアランスを調整します。フランジが厚すぎて元のカシメと合わないため、全長を縮める必要があります。フランジ部分を削ることで微調整……
削りカスがベアリングに混入しないよう注意。
この加工と分解時にいくつか手に入るワッシャの枚数で、最終的な軸方向のガタを微調整します。
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ケツの部分は、ブラシを固定するプラスチック製のブラケットがベアリングと干渉するので、こちらもいい感じにカット。
プラスチック片が筐体内に残留しないよう注意。
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数々の微調整を終え、最後はセンタポンチで再カシメ。確実にカシメないと、モーターが回転中に分解するので、かなり重要な作業です。また、カシメている最中に筐体の勘合がずれると、スムーズに回転しなくなるばかりか軸がブレるので、慎重さも必要になります。
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乾電池4個を繋いで動作確認。よく回っています。
ガタの確認、カシメ状態の確認、軸ブレの確認……など、しっかりと行う必要があります。
(ちなみに私はこのタイミングでベアリングを壊していたことに気が付きました。ベアリングの再購入とスペーサーの入れ直しからやり直しです。)
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最後にモーター全体を防錆塗装し再組付けして完成です。
ついでに、アルミラジエターに交換しました。モーター共々整備万端、これでエンジンの冷却はバッチリです。
改めまして。
今回のDIYは、専門知識・技能が要求されます。金属加工、プラスチックの加工、ベアリングの扱い、微調整のカンコツ等、1つでも自信のない方はおやめください。必要な工具も多岐にわたります。
また、失敗時のリスクも相当に高いです。純正部品が廃盤ですし、一見うまくいってもモーターが分解するリスクは付きまといます。くれぐれも自己責任でお願いいたします。
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