ピストンリングの交換
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今回は”ピストンリング”の交換をやっていきます。ピストンリングは”ピストン”に取り付けられ、シール剤の役割をする部品です。
”ピストン”には3つの溝があり、そこにピストンリングは5個取り付けられます。
サービスマニュアルの図でピストンリングの種類を解説すると
⑧が”トップリング”でピストンの1段目の溝に取り付けられていて、燃焼室内から圧縮が抜けないようにするのが役割です。
⑨は”セカンドリング”でピストン2段目の溝に付いており、トップリングからわずかに抜けた圧縮をさらにガードする役割のようです。ただしトップリングよりは強度が無いようです。
⑩は3つのリング合わせて”オイルリング”と呼ばれ、上下の”サイドレール”と間の”リングエキスパンダー”で構成され、ピストンの3段目の溝に一緒に入っています。ピストン周りを潤滑するために上ってきたエンジンオイルを、シリンダー内面から掻き落としてエンジンオイルが燃焼室内に入らないようにする役割があります。
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エンジン焼き付きや経年劣化によるピストンからの圧縮抜けや”オイル上がり”等の修理でピストンリングの交換はされる事が多いです。ピストンリングの純正部品番号は写真の通りです。
僕は今回、せっかくエンジンバラしたので一応新品交換しておこうかと思います。
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まずは古いピストンリングを取り外します。
(写真はサービスマニュアルの取り外しの項目)
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ピストンリングには途切れている部分(合口)があるので、その部分から取り外します。
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細い棒などがあるとやりやすいです。
合口の片側だけ外に出して、リングの隙間に棒を突っ込んでスライドさせながら、リングを指で外に押し出していきます。
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グルっと一周すればリングが外れます。
ピストンリングは多少なら曲げれますが、無理に曲げると折れたりするらしいので、気をつけて慎重にやった方がよいです。
まぁぶっちゃけ古い方は捨てるので折れても困らないのですが、新しいリングを取り付ける時も外す時と同じ様な感じ(逆の事をするだけ)なので、折らないようにリングを付け外しする練習だと思って慎重に外します。(新品を折ったら終わりなので)
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1番上の溝に入っていたコイツは”トップリング”です。2段目の溝の”セカンドリング”も全く同じ様に外すのですが、いきなり外すのではなく、1度トップリングが入っていた1段上の溝に入れてから外した方が良いです。
ピストンリングの外し方(付け方)は説明が難しいので、youtubeとかで動画を観て確認したほうが分かりやすいです。
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3段目の溝には3個のリングが入っています。
もちろん上のものから外していきます。トップリングやセカンドリングよりも合口が小さくて分かりにくいですが、ちゃんとあります。
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真ん中の波状のリング(リングエキスパンダー)も合口というか途切れてる所があるので、そこから外します。(後に新しいのを付ける時のためにこの途切れ目の向きを覚えておきます。)
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ピストンリングを全て取り外しました。(外した順番に並べています。)
①トップリング
②セカンドリング
③と⑤サイドレール
④リングエキスパンダー
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ピストンリングの溝をパーツクリーナーをかけて、柔らかいブラシで掃除します。
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あとオイル通路の小さい穴もパーツクリーナーで詰まりが無いように洗浄します。
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ピストンの点検の仕方です。
僕は今回”マイクロメーター”を持っていないのでスキップします。
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ピストンピンも、
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それでは新品のピストンリングを取り付けていきます。外す時の逆の手順でまずはオイルリングの3枚から取り付けていきます。
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オイルリングはサイドレールを付けてからだと、リングエキスパンダーが入らなくなってしまったので、先にエキスパンダーを入れてから下と上のサイドレールを入れました。
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オイルリングを付けたらセカンドリング→トップリングの順番に取り付けます。
①トップリング
②セカンドリング
③オイルリング
新品は古いリングよりも固くてしなりづらい気がしたので、折れそうでヒヤヒヤしながら取り付けました。
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トップリングとセカンドリングには”R”や”2R”などの文字が書いてあるので、文字がある方を上向きにして取り付けます。
(僕が購入したのは純正品ですが、Rがトップリングで2Rセカンドリングでした。)
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(サービスマニュアル ピストンリング取り付けの項目)
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