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2010年11月18日

1995年WRCの思い出 ~トヨタ事件~

1995年WRCの思い出 ~トヨタ事件~ おそらく・・・

1995年のWRCと言えば、あの大事件がシーズンを通じての一番の出来事だったのではないでしょうか。

ということで「1995年のWRC」、これで最後のネタになると思うのですが、トヨタが犯したレギュレーション違反事件について思うことを・・・

事件の概要は以下の通り。

第7戦カタルニアにおいて、TTEのセリカ3台に装着されたリストリクター(エンジン吸気量制限装置)が、吸気制限を緩和できるよう細工されていた。
これは故意にこのような細工を施してエンジン出力を高めようとする、明白なレギュレーション違反である。
この違反により、95年WRCにおけるTTEのチーム、およびドライバーが獲得した全てのポイントを剥奪し、次戦RACラリーと96年WRCの全戦への出場を禁止する。


当時、この罰はあまりに重すぎるのでは?との声もありましたし、逆に何故永久追放としないのか?との意見も耳にしました。
あまりにもあからさまなルール違反ということで、FIAも相当に厳しい対応を決定したのでしょう。
私は95年のポイント剥奪は妥当だと思いましたが、今でも96年の参戦禁止は厳しすぎたのではないかと感じています。

結局この裁定を受けてTTEは96年のみならず、97年のフル参戦も中止を決めました。
そして97年以降導入となったWRカー規定に合致する新マシン(カローラWRC)を開発して、97年の幾つかのラリーにテスト参戦し、98年からフル参戦を再開すると発表されました。

当時はこの事件に酷く失望したものでした。
王者トヨタが、その座にすがり付こうとするがゆえの違反ですから・・・
それほどまでに、新興のスバル、三菱の存在はトヨタを追い詰めていたのでしょうね。
しかし、素直に新鋭に対して負けを認めることもまた、王者の資質というものではないでしょうか。
それが出来なかったトヨタは、やはり王者たる器ではなかったのです。

負けること、或いは失敗すること、何かを失うこと・・・

これは酷い苦痛を味わい、誇りや尊厳を失うことでもあります。
けれど、その経験によって得られるものは、何者にも代え難い貴重なものではないでしょうか。
負けた経験や失敗体験は人を強くするものですよね。

トヨタは98年鮮烈に復帰、翌99年にはマニュファクチャラーズタイトルを獲得してWRCから撤退しました。
復帰後僅か2年の活動でしたが、再び競争力溢れる独創的なマシンを開発し、勝利数こそライバルに敵わなかったものの、タイトルを獲得して去っていったのは、トヨタがあの事件によって一段強くなったことの表れではないでしょうか。

負けて、失敗して、失って強くなるということ。
これはチームだけでなくドライバー個人にも見受けられたことです。

私が現在ミッコ・ヒルボネンを応援する最大の理由はこれなんです。
彼はスバルワークスから放出された後、プライベートエントリーでままならない参戦に苦しみながらも、その努力によってフォードのワークスシートを手に入れました。
確かにセバスチャン・ローブに対抗するにはまだ力不足は否めません。
しかし、ミッコには「浪人時代」というセブにはない経験があるのです。
苦汁を舐めた経験が報われて欲しいし、彼ならばあの経験を無駄にはしないだろうと思うのです。
「思う」と言うより「思いたい」、と言うべきかもしれませんが(苦笑)

現在同じような苦境の中にあるのはペター・ソルベルグとダニエル・ソルド。
ペターは来年の参戦が確定できず、状況によっては参戦できないかもしれないとか・・・
スペインやGBでは、なんと参戦費を持ち出ししていたとも聞きました。

ダニも同様、長年のサポート約としての仕事がそれほど評価されず、ワークスシートを追われてしまいました。
持ち込みスポンサーが必要だ、などの条件面で折り合わず、恐らくは長年在籍したシトロエンを去ることになるでしょう。

今が一番キツイ状況であろうと思うのですが、これを乗り越えた時、この二人は更なる強さを身に付けるのではないかと、期待・・・というより希望をもって応援したいと思います!

・・・なんだか1995年の話題が2010年の話題にすり替わっちゃいましたね(汗)
ブログ一覧 | WRC | 日記
Posted at 2010/11/18 23:11:21

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この記事へのコメント

2010年11月20日 23:26
この時、リアルタイムでNHKのBSでみていましたが、このとき初めてリストリクターというのを知りました(笑)。 とはいえ、キャスターで出演されていた自動車評論家の国沢氏が、関係者からきいた違反リストリクターの仕組みを説明されていて、わずか数センチだけあの管が動いただけで、ロケットのような加速をするとは個人的に信じられませんでしたね。 パワーだけなら、ポルトガルのロウサダでもかなりパワーが出ていましたから、リストリクターに絡む新レギュレーションに対してのアンダーソンと、モズレー以下、当時のFIA首脳陣の確執が要因だと思っていました。

最近ではヒルボネンですけど、究極はやはり、グロンホルムでしょうね。

10年以上の下積みで、純粋培養でチャンピオン候補として育てられていた同い年のマクレーに対して、まさに雑草魂という言葉がピッタリ当てはまります。
コメントへの返答
2010年11月21日 4:36
私はBSを見れなかったので、確かラリーXで初めて知ったんじゃなかったかな・・・
リストリクターの写真が載っていたような覚えがあります。
最初は事の重大さが理解できず、“スバルファンとして”
「あ~あ、トヨタやっちゃったよ・・・。スバルのタイトル獲得決まったな♪」
くらいにしか考えていませんでした(汗)

その後CGTVでの放送で事態はただならぬものだと理解し始め、トヨタ不在のRACの様子に、ようやくその意味が飲み込めたような有様でした・・・

トヨタが・・・いない、と。

参戦するワークスがいなくなる事の重みは、あの時初めて痛感したと思います。
そして、今2ワークスしかいないことの物悲しさにも通じるような、なんともいえない寒々しい気持ちでした。

マーカスの下積み時代と言えば、95年ポルトガルでの走りがCGTVでもチョットだけ紹介されていました。
「フィンランド人期待の若手」ということでST185で走る様子、そしてクラッシュ、リタイアしたことも・・・(苦笑)

現在ではスポンサーの有無がドライバーの命運を分けてしまうような悲惨な状況で、苦労したり苦汁を舐めている実力者達が大勢居ますからね・・・
彼らが報われて欲しい、活躍して欲しい、と思わずにいられません。
2014年5月12日 23:17
この年の処分は甘すぎると今でも思っています。
普通の社会ならこの様な悪質極まりない行為をしたら日本のレース界でもどこの世界でも
永久追放ですよ!!!

プロフィール

「生活リズムの更生?」
何シテル?   10/04 02:19
WRCが好きです。 希少車が好きです。 ハッチバックが好きです。 つまり、ラリーに出てる珍しい2BOXが好きなんです。
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