先ずはブログの前に記事の紹介から
神戸製鋼など、米国で自動車サスペンション向けAl合金鍛造部品の生産設備を増強
神戸製鋼所、三井物産、豊田通商の3社が出資する米国ケンタッキー州の自動車サスペンション向けアルミニウム(Al)合金鍛造部品メーカー、Kobe Aluminum Automotive Products社(KAAP社)は、約6600万米ドル(約52億円)を投資して生産設備を増強する(ニュースリリース)。2014年春の稼働を目指し、2013年春に着工する。
北米市場では、燃費規制の大幅強化に伴う軽量化へのニーズが今後、より一層高まると見られており、軽量化に貢献するAl合金製サスペンションの需要も拡大すると見込まれている。現在、KAAP社では、サスペンション向けに月平均約27万個のAl合金鍛造部品を生産している。今回の増強で、溶解鋳造ラインを1ラインと鍛造プレス2機を含む生産設備を追加し、需要の拡大に備える。増強分の建屋面積は約8100m2になる予定だ。なお、KAAP社への3社の出資比率は神戸製鋼が60%、三井物産が25%、豊田通商が15%。
で、ニュースリリース先は
米国における自動車サスペンション用アルミ鍛造部品の生産設備増強について
(株)神戸製鋼所・三井物産(株)・豊田通商(株)が出資する自動車サスペンション用アルミ鍛造部品製造合弁会社「コウベ・アルミナム・オートモーティブ・プロダクツ社(Kobe Aluminum Automotive Products, LLC)」(ケンタッキー州ボーリンググリーン市 以下「KAAP」)は、北米における自動車サスペンション用アルミ鍛造部品需要の拡大に対応する為、溶解鋳造ライン・メカニカル鍛造プレスなどの一貫生産設備を増強することを決定しました。KAAPによる設備投資額は約6,600万米ドル(約52億円)で、2014年春の稼動開始を目指して今春に着工します。
KAAPは、北米における自動車サスペンション用アルミ鍛造部品の製造販売拠点として2003年5月に設立、2005年より生産を開始し、自動車の軽量化ニーズと共に拡大するアルミサスペンション需要に対応するため、順次設備増強を行ってきました。現在は鍛造プレスが4機の体制で操業しており、月平均で約27万本を生産しています。
北米における自動車生産は、リーマンショック後に一時低迷したものの、2010年以降は順調に回復を辿っており、引き続き増加が見込まれます。
更に、北米市場では、燃費規制が今後大幅に強化されることから、自動車の軽量化ニーズは特に高まっており、アルミサスペンション需要の拡大が期待できます。
KAAPが得意とする中/大型の自動車サスペンション用アルミ鍛造部品につきましては、北米で大きなシェアを有しており、設備増強により拡大する需要を確実に取り込めることから、新たに鋳造ラインを1ライン及び鍛造プレスを2機導入し、生産能力を拡大することを決定しました。
(株)神戸製鋼所のアルミ鍛造事業は、日・米・中の3極生産体制を構築しており、現在、三井物産(株)及び豊田通商(株)と事業展開している中国の神鋼汽車絽部件(蘇州)有限公司でも、設備増強を進めています。
今回の設備増強も含め、グローバルに拡大するアルミサスペンション需要へ対応するための供給能力を確保し、燃費向上やCO2削減に繋がる自動車軽量化に貢献していきます。
転載おしまい
もう少し読み進めると、最大雇用時100人ほどという話ですので規模は「それなり」です。
今回のニュースリリースで感じた事は、以前から云われ続けていた事もですが、北米市場が回復して来た事で国内の生産を強化するのではなく、直接現地で設備投資し現地の雇用を促進する方針へ転換して来ている事です。
規模そのものはたいした事がないように思うかも知れませんが、是に付随して設備などに使用する油類やその他消耗部品など多岐に渡り、様々な事柄の需要が「転がっている」状況ですが、それらは全部現地で賄われる事となります。
よく目にする記述で「日本の国内総生産から見た輸出割合は低く、外需に頼っていない」様な内容が有りますが、何度も指摘しているようにミスリードです。
日本の製造業を生業とする企業の99%は中小企業で残り1%が大企業ですが、製造業で大企業の大きな相手先はその殆どが海外需要向けです。そして中小企業の客先というのが大手製造業メーカーである訳です。
つまり、この様なリリースが有る度に99%居る製造業を生業とする中小企業の仕事が減っていると云う事です。(設備メーカーは儲けているかも知れませんが)
但し、労働人口が減少の一途を続けている日本の現状では、或る意味「自然の成り行き」とも云えなくもない状況です。それでも、こういう現状こそが不景気と云いましょうか景気が良くならないと思う最大の原因です。
で、此処から書く内容は間違いなく賛否両論に分かれるとは思いますが、現実論なので先ずは読み進めてください。
日本の中小製造業は、かなりの数で優秀な技術を擁しています。その技術力が大企業の「縁の下の力持ち」だったという側面も有り、日本のものづくりにおいて非常に大事な役割を担って来ました。
ところが、私たちが就職をする頃から云われ出した事ですが製造に携わる仕事に対し「3K」などと云い、忌み嫌い優秀な人ほど他業種に進みました。また、長引く不況の影響下から製造業では長らく就職が滞り、団塊世代が退職していくと一気に熟練作業者が激減し、ものづくりの根幹が今や崩れようとしています。
其処へ来て、昨今の円高の影響で各企業は国内ではなく海外にシフトしている途中です。
で、日本のものづくりを廃れさせないで昇華させて行くには大きく分けて2つしか有りません。
第一に、より付加価値の高い商品を製造する事。他社では真似が出来ない特別な技術を擁する商品の製造。それには技術的に切磋琢磨する事も然る事ながら手先の器用さだけではなく、様々な意味合いで頭脳明晰な社員教育をし「少数精鋭化」でなければなりません。
なので、第一に取り上げているケースでは極僅かの人しか対象になり得ず、どういう世の中でさえも生き抜くだけのベースが有るので心配はいりません。
問題なのは第二の方法です。
製造業で部品単価が物を云うのは此処で説明は不要でしょう。製造業の部品単価で一番ウエイトを占めているのは人件費である事も説明不要でしょう。そして、いま安倍内閣で始めた政策はデフレ脱却であるので、必ず物価の上昇がある訳ですが人件費が還元され給与が上がるまでとなると、そう容易い話では有りません。つまり競争力と云う意味では第三国の安価な人を使う事が一番メリットになるからです。しかも今TPPなどの話題で明らかなように近未来において日本は各国との関税を撤廃する方向で動く事でしょう。つまり今までなら人件費が安価とは言え相手国の関税などがネックで、障壁が有った諸外国の関税が殆ど無くなってしまえば、人件費問題も人材枯渇も無縁なアジア諸国へと企業は活路を見出し、更に日本の若年労働者層は辛酸を舐める事となるでしょう。
と云う事は、ごく簡単に云いきってしまえば若年層は能力の有無を度外視しても管理者として採用し、日本へ多くの外国人労働者を受け入れて、彼らを安価な労働力として働かせる事しか道が無い状況となります。
でもそれは多くの人が望んでいる日本の将来ではない筈です。
他国でも例が有る様にみるみるうちに治安悪化は免れなくなり、教育は荒廃し更に日本人が少数派民族になり、やがては日本が日本人の物でなくなるかも知れません。
(ちょっと誇張して話を飛躍させ過ぎですが)
ただ日本の将来を見据えた時に、一番大事な物は何かと問われたら「逆転サヨナラホームラン」という奇策などではなく、いま一度足元を見つめ直す事ではないでしょうか。
日本人が日本人らしくというのは、私は最大の武器だと思います。風見鶏よろしく上手に世渡りをして「口だけで中身が無い」様な国民ではなく、労働に対して真面目に取り組み結果だけでなく過程も重視する様な、一見すると不器用でも愚直に正確に確証を積み上げる事が世界に冠する日本の武器である限り、早々簡単には日本は潰れません。将来的に儲ける事は厳しいかも知れませんが、実体経済の正体が信用・信頼である限り、ちゃらんぽらんな国になど後塵を浴びせられる訳ないのです。
ところが、一たび短絡思考で「楽して儲けよう」などと甘い考えを持った人が上の立場に立てばあっという間に会社の体は崩れ、優秀な技術者は流れて行き、その時が本当の意味で日本の危機に直面したと云えるかと思います。或る意味、以前から起きていた電機メーカーの人材流出などはその後の電機メーカーの衰退を目にする限り、その兆候だったと云えると思います。
(あくまで結果論ですが因果応報だとも考えられます)
そこで安倍政権下になり、デフレ脱却、円高是正、これらの処方箋のおかげで株価の上昇を招き、結果的に今年は緩やかな景気回復を呼び込むと大筋誰もが疑わない事です。その意味では大変うれしい事です。
ですが、以前から指摘している様に実体経済の真の問題点は製造業の人材なんです。
昔から「耳にタコが出来る」と云われる程、製造業などのブルーカラーな人材不足が叫ばれていましたが、途中に「ゆとり教育」などというバカげた政策で学力は落ち、かと言って確かオランダ教育だと思いますが子ども自身が自主的に勉強する環境を創る事で、生産性を向上させるとかの話が有り、教育現場の人々はオランダの様にとまるで日本の教育そのものが周回遅れの様に云ってます。
しかし、その話は家庭環境が杜撰な子どもとそうではない子どもが同じ教室に居る日本の教育現場とを同じように語るのはおかしいと思います。
子どもの自主的行動とは、先ずは一丁目一番地の「その子の親」が規範となるからで、親がイイ加減なら子も「背中を見て育つ」のですから、結果で云うのではなく理由を探すことこそが大事かと思います。
大人の真似を子どもがすると云う事に説明など不要でしょう。
親がゴミをゴミ箱に入れないなら、その子どもはゴミをゴミ箱になど入れないという意味です。
現に、いつまでもフランスのパリはゴミが一向に減らないですが、其れは日本の様にゴミを道に捨てないという教育が全員の認識に無いからで、日本は子どもが大人の背中を見て同じ様にゴミを捨てないから街の美化が保たれているのではないでしょうか。
わが国では率先して公共の道路に落ちているゴミを拾う姿も海外からはよく絶賛されていますが、其れは元々の日本人の価値観が世界の人々と違うからです。
私たちには先祖代々から、公共性や協調性というDNAを受け継がれているのです。
日本のように公共物を綺麗に大事に使用する美徳観は、「恥の文化」から発している事なので(つまり、他人様に後ろ指を指されない生き様を美徳とし、非公共性を恥と考えて来た文化)他国から来た方々が同じ価値観を抱かない限り、海外から労働者を受け入れてしまうと日本文化は間違いなく崩壊の一途を辿る事になるでしょう。
損得勘定しか判断基準が無い考えの人だと、究極は罪に問われるか否かが最大の争点になるので、罪に問われなければ何をしても良いという具合になり、「恥の文化」を重んじる我々日本人と「罰の文化」で育った多くの外国人とでは価値観が合うわけないのです。
是は鎖国や差別などでなく、国の体を為すか為さないかの話なので日本の文化を受け入れる素養が無い人が増えるのは国益を損なう事と同義だと思います。
その上で私たちが採るべき道は、残念ながら宝くじを買って夢を見る生活ではなく、無駄な出費を抑えながらも、安物買いの銭失いにならぬ様、海外からの安価で無用な大量生産品ではなく、たとえ高価でも国産の製品を選び、修理しながらメンテしつつ、例えば腕時計などは機械式なら定期的にオーバーホールしクォーツなら電池交換すれば、街の時計屋さんも潤い、その様な生活様式こそが身の丈に有った「回り回って自分の為」であり「因果応報」なのであり、例の原発の話も新規は勿論止めておく事が大事ですが、直ぐに廃却ではなく有効利用が可能な限りは上手に運営すべきで、メンテ費用が運転費用と採算が合わなくなったり危険度が明らかに高くなれば、そこで初めて廃炉とすれば良い訳でそういう諸々の意味合いに於いても国益とは何か、イデオロギーで政治などしてはならない=国民の代表が国会議員なのですから、変な思想の人には投票しない事なども踏まえての日本人の為に日本人が出来る最善を尽くす事。
是が一番大事な事だと思います。
そうすれば自ずと結果は付いて来ると、そのように考えます。
ですからデフレ脱却後、円高是正後は、不景気は誰かの所為とか国の所為にするのではなくて、今まで以上に何が国益なのか、何が公共性が高いのか、何が本当の意味で公平なのか、その為には何が必要で、何をどのように進めば良いのかを一人一人が真摯に受け止めれば自ずと結果が必ずついて来てくれます。
なので、たぶん不幸の始まりは誰かと何かを自分と比較することからだと思います。
比較する事が悪い事だと全否定はしませんが、比較して幸せになるとも思えないのでオンリーワンを貫く事がこれからの世の中、一番カッコイイ生き方でこれからの日本人らしい生き方だと感じます。
と、私は考えますが あなたは如何思われましたか?
ちょっと長いですし、まとまりが悪かったのですが云いたい事は伝わりましたかね…(汗)
ではまた。