亜鉛塗料で表面処理・・・ドアハンドル編
目的 |
チューニング・カスタム |
作業 |
DIY |
難易度 |
 初級 |
作業時間 |
6時間以内 |
1
今回は亜鉛塗料を使った表面処理です。
デュアリスの内装は質実剛健というかとてもシンプルで、他車と比べるとちょっと色気が欲しくなるのも事実でしょう。インパネ回りの艶消しシルバー仕上げも、クセは無いものの潔いほど素っ気無い。だからこそアフターパーツとして各種仕上げのパネルをかぶせて、自分好みのインテリアに仕上げる楽しみがあるといえます。
ARJさんから出ているようなショップ製のパネルを装着すれば、文句なく綺麗な仕上がりになるのは分かっていますが、ここはあえてDIYでまだ誰もやっていないことをやります。毎度人柱は覚悟の上ですので(笑)、何かの参考にしていただければ幸いです。
実験台は、Sグレードではシルバーですらないドアハンドルガーニッシュ。Gグレードのパーツは高くないので、ディーラーに注文して交換するのもありです。が、それでは面白くない。
2
まず表面のラバーコーティングを剥がします。これがけっこう面倒なので、あえて禁断の塗料はがし剤を使います。
写真は黒焦げのサンマではありません。ゼリー状のはがし剤をひと塗りしたところ。
めらめらと浮き上がってきますが、これが綺麗にペロンとめくれてくれれば苦労はしません。ヘラで掻きとっても、コーティングが汚くまだらに残ります。そこでもう一度はがし剤を塗りつけると、パーツの樹脂がずるずると溶けます(爆)
ということで、ラベルにも書かれているように、この製品はプラに使ってはいけません。それをあえてムチャしているのは、表面を荒らして粗い仕上げの鋳物を表現しようとしているからです。溶けた表面をヘラでこそげとり、乾いてからサンドペーパーでガシガシ削りまくり、再び面を出してやります。作業中の写真がないのは、パーツ表面の惨状を表していると思ってください(笑)
3
地肌の面が出たら、ミッチャクロンマルチのクリヤーで下塗りをします。
そして今回の主役、ローバルスプレー。缶には「常温亜鉛めっき 96%亜鉛含有」の表示が。亜鉛微粒子を含んでいるだけあって隠ぺい力は高く、さっと噴くだけでサーフェーサーのようなきれいな面になります。このままでも何かに使えそうな味のある艶消しです。
4
この艶消し面を、サンドペーパーや真ちゅうブラシ、コンパウンドで磨き、ドライバーの柄などの金属棒でこすってやると、ご覧のように見事な金属光沢が出てきます。細かいキズは、塗料はがしで溶けた部分をこそげとった痕。粗い仕上げの鋳物を磨いたように見えませんか?
5
磨き上げるとこんな感じで鏡面に近づき、とても中身がプラには見えません。でも亜鉛の薄い薄い塗膜なので、ちょっと力を入れて磨くと、すぐ地肌が出てしまいます。特にエッジなど、こすらないようにしてちょうどいいくらい。そーっとそーっと力を入れずに研磨するという慣れない作業です。
そしてここから先が異種格闘技(笑)
亜鉛の表面に薬品で酸化被膜を作って黒染めしていく、ブルーイングという作業です。金属粉末を含んだヘビーウエイト樹脂と呼ばれる素材で作られたモデルガンを、実銃のように仕上げる表面処理の手法です。
6
使う薬品は元々金属黒染め用のものなので、鉄やアルミなどに本来の使い方をすると、金属表面が塗装ではない独特の綺麗な黒や紺に染まります。いわゆるガンブルーとかガンブラックと呼ばれる深みのある艶です。
車の弄りなので細かいテクニックは割愛しますが、薄めた溶液から始めて繰り返し染めることで、茶色→黒・青と色調の変化が出ます。酸化して表面が煤けていますが、最後の仕上げで磨き上げると元の金属光沢が戻ります。
7
今回のブルーイングは、真っ黒やスチールブルーではなく、ケースハードン仕上げと呼ばれる、鉄に焼き入れ焼き戻し処理をする際に出るむらの模様を再現したものです。うしろに写っているモデルガンM36のハンマー部分がそうなんですが、この写真ではほとんど分かりませんね(^^;
実際に焼き入れをしているわけではないので筆や綿棒でそれらしい模様を書くのですが、それがまたセンスを問われるところで、ヘタすると汚いだけのシミになってしまいます。
8
最後の仕上げにクリヤラッカーを。表面保護だけでなく、酸化が進んで全体が黒くなってしまうのを防ぐ働きもあります。モデルガン用の固く美しい専用塗料もあるのですが、安いプラモ用を使いました。室内だしUVカット効果もあるので、粒子が細かく仕上がりが綺麗な長所も生かせるかと思います。
仕上がり具合ですが、日光に当たると室内で見ていたときよりも茶色くなっていました。もう少し黒っぽい色を予定していたんですが、これはこれでいいかなと。
この表面処理、渋いと思うか焼け跡で拾ってきた屑鉄にしか見えないかは、好みの問題だと思いますが(笑)、こんな手法もあるんだよということで、参考にしていただけたら幸いです。誤解がないように書いておきますが、もっときれいな仕上がりがいいという場合は、上の銃の写真のように全面スチールブルーでも仕上げられますのでご安心ください。
[PR]Yahoo!ショッピング
タグ
関連コンテンツ( 亜鉛塗装 の関連コンテンツ )
関連整備ピックアップ
関連リンク