皆さん、あこがれの車ってありますよね??
僕、今までそれが全くなくて「まぁ、どれでもいいや―」とか思ってたわけです。
でも、最近真面目に考えてみたところ・・・やっと見つけました1台の車。
それが
ロータス・エキシージ S PP (MK-2)!

最大出力 243PS/8,000rpm
最大トルク 230N·m(23.5kgf·m)/5,500rpm
全長 3,805mm
全幅 1,725mm
全高 1,160mm
ホイールベース 2,300mm
車両重量 930kg
まずエキシージの魅力的なポイントをひたすら列挙します。
1、車高が低くてそもそもスポーツカーとして設計されている
2、小型かつ高品質マテリアルへの置換により軽量化
3、MRでヨー慣性モーメントが小さい
4、ホイールベース・トレッド比(W/T)が実用車の限界と言える1.5に近い
5、4輪ダブルウィッシュボーンの採用
6、エンジンが小型かつ軽量で、過給器付き
7、前後オーバーハングが短い
一つ一つ列挙してくと、結構な数になってしまいました。
1、車高が低くてそもそもスポーツカーとして設計されている
これはもう言わずもがな、自動車は低いほうが重心位置が低くなるので運動性能が上がります。
人が乗れる範囲内で低くしましょう。
2、小型かつ高品質マテリアルへの置換により軽量化
基本的に自動車のパッケージングとコンポーネントは変えることができないので、剛性を落とさずに自動車としての性能を維持するには高品質なマテリアルへの置換が必須です。
鉄に対してアルミは1/3の比重ですが、同時に剛性も1/3に落ちます。
じゃあ鉄でもいいじゃん!ということになりますが、金属は整形の仕方によって剛性を変化させることができるので、エキシージのような利便性無視!の車にはとてつもなく高いサイドシルを設けて鉄ボディと同等の剛性を保ち、素材としての比重の低さでボディを軽量化しているわけです。
一般車のような利便性を確保したモノコックボディでは高いサイドシルを設けることが困難なため、結果的に鉄ボディをアルミに置換しても剛性が保てず、剛性を保とうとすると板厚を厚くするなどの重量増加処置を取らなければならないためコストとの折り合いがつかずあまりメリットが見られません。
また、剛性に関係ない部分はFRPでできています。
「FRPならカーボンの方が良いのではないか?」というコメントが出そうですが、カーボンといってもドライカーボンでない限り、重量はFRPと殆ど変わりません。
ウェットカーボン呼ばれるものはFRPで整形したあと、表面の皮膜だけにカーボン繊維を用いているだけなので、基本的にはFRPになります。
コストを考えると、一般車では(現状では)FRPがベストであると言えるでしょう。
3、MRでヨー慣性モーメントが小さい
「車両の中心に重いものを置いたほうが旋回性能が高くなる」なんてのはもう近年では使い古された言葉になってまして、フロントとリアの重量が5:5のフロントミッドシップなんて言葉もあります。
でも、フロントミッドシップって果たしてホントに良いんでしょうか?
後輪駆動車でイメージしてみましょう。
アクセル踏んでトラクションかかってる時にはリア荷重の方が良いですし、ブレーキングでノーズダイブした時に4輪の接地圧が一緒なのが望ましいです。
そう考えると、ドライバーより後ろにエンジンがあった方がいい。
ターンインの時にはフロントタイヤに面圧をかけたいので更にフロント荷重が欲しくなりますが、ある程度向きが変わって立ち上がるときには再びリアにトラクションがかかるのでリア荷重が欲しい・・・つまりリアエンジンが望ましいわけです。
つまり、MR車やRR車は「ターンインはブレーキングしながらじゃないと認めないよっ」と車が言ってるわけですが、ちゃんと車の乗り方がわかってればMRでもフロント荷重にして旋回させてあげることができます。
ブレーキング・トラクション性能ならMR・RRの圧勝です。
ちなみに、FR車やFF車のリアブレーキが貧弱ですが、あれはリアの荷重がかからないためにリアはブレーキング時に仕事を仕切れていないことを意味しています。
MR車はターンインからクリップに付くまでのX/Y方向の斜めにGが生じる付近ではブレーキングでフロント荷重にしてあげる必要性がありますが、それさえクリアすればブレーキング性能・トラクション性能でフロントエンジン車より勝るわけです。
4、ホイールベース・トレッド比(W/T)が実用車の限界と言える1.5に近い
ホイールベース・トレッド比が小さいと、車は四角くなっていきます。
世間一般ではホイールベースが長いほうが直進安定性が良い!なんていいますが、実際はホイールベース・トレッド比のことを指していて、ホイールベースが長くてもトレッド比が広いならコーナリングマシンになるわけです。
ちなみに、エキシージのホイールベース・トレッド比は1.55と、ロードスターの1.59よりも低く、この事からもコーナリング車だということがわかります。
5、4輪ダブルウィッシュボーンの採用
よくフロントで採用されるストラット形状のサスペンションがありますが、ストラットは車がコーナリングして車体がロールするとネガティブキャンバーじゃなくて、ポジティブキャンバーがかかります。
車がコーナリングして、路面に対してタイヤが斜めに接地しようとしているのにキャンバーが起きてきちゃうんです。
車をロールさせないことを前提とするならストラットでもデメリットは見られない・・・と言うより、下回りを軽量化できるのでメリットが大きいですが、高荷重のクローズドコースを走行する前提だとすると、ロールさせないなんてのは無茶な話です。
つまり、ロールをある程度させることを前提にサスペンションを考えていくと、ベストなサスペンション形状はダブルウィッシュボーンかマルチリンクに帰着します。
6、エンジンが小型かつ軽量で、過給器付き
エンジンの重量と馬力を考えると、やはり過給器付きが一番です。
ただ、過給器から捻出された強靭なトルクを駆動輪で受け止めることができることが大前提となります。
その点、常にリア荷重となるMR車はこの点でも有利で、例えフロントミッドシップ車であってもMR車よりパワーを有効に活用することができません。
レースなどでレギュレーションが決まっているならばNAでも十分に楽しいと思いますが、オープンクラスとなるタイムアタックや街乗りでは絶対にターボ車の方が機械的な効率が良いです。
7、前後オーバーハングが短い
3の「MRでヨー慣性モーメントが小さい」という点と一致しますが、ヨー軸から離れた場所に重量物があるのは運動性能を落とします。
つまり、オーバーハングは短ければ短いほど運動性能には良いのです。
しかし、空力を考えるとそうも言ってられず、基本的には鼻先を滑らかにボンネットまで持っていくということが必要になってきます。
この点でもMR車の方が有利で、鼻先にラジエーターしかないため、ボンネット高を低くすることができ、ノーズが短くてもボンネット自体が低いために滑らかに風をルーフ側まで持っていけるのです。
エキシージの前後オーバーハングの合算値は1505mm。
普通乗用車で限界までホイールベース伸ばしてると考えられる日産キューブ(Z12)でも前後オーバーハングの合算値が1360mmなので、エキシージのオーバーハングの短さはほぼ限界値かと思います。
以上がエキシージが良い理由です。
ちなみに、このポイントを殆ど満たす車って他にもありまして、それが・・・
フェラーリ屈指の名車、
F40だったりします。
最高出力 484PS/7,000rpm
最大トルク 58.80kgf·m/4,000rpm
全長 4,358mm
全幅 1,970mm
全高 1,124mm
ホイールベース 2,450mm
車両重量 1,100kg
エンジンが小型かどうかを考えると、?マークが灯る部分もありますが、まぁV8だけど3Lしかないですし。
それにV8 3Lって4気筒エンジンをそのまま2機つなげているようなものです。
エンジンに関してはやはりF40の方がよく、ドライサンプによる低重心化、ビッグボア・ショートストロークエンジンによる高回転の吹け上がり&回転馬力の増加などが挙げられます。
ボア・ストロークが82.0×69.5なので、恐らく連桿比は3.8~4にあるはずです。
エキシージのエンジンはトヨタ製の2ZZエンジンのため、ボア・ストローク比は82.0×85.0と、ストロークのほうが長く、連桿比も3.247のため、そもそも8000回転も回す素性のエンジンじゃありません。
2ZZエンジン車のチューニングには詳しくありませんが、チューニングしても純正以上に回転馬力は求められない気がします。
しかも、普通のウェットサンプタイプのオイル循環機構のため、エンジン下部にオイルパンを設置することなり、結果的にエンジン全体の重心高のアップがおこっています。
ということで、「もしもエキシージがもっと最強だったら!」というような、「最強の車(笑)」が選べるとしたら、EJ20のようなビッグボア・ショートストロークエンジンで、尚且つ圧縮比が9.0から9.5に設定されたローコンプターボを選択します。
もちろんこのエンジンをドライサンプにしてエキシージのミッドにローマウント・・・。
いつかそんな車に乗ってみたいです。