『アリスのままで』見てきました。今年度のアカデミー賞主演女優賞の受賞作品です。若年性アルツハイマーの映画ですがその後半部分がさすがの構成でした。

『アリスのままで』
見てきました。

今年度のアカデミー賞主演女優賞の受賞作品です。

ジュリアン・ムーアの受賞です。



ジュリアン・ムーアやっとの受賞ですよね。
もっと早い段階で評価されてよかった人だと思うんですが・・・


初ノミネートは
ブギー・ナイツ。



ジュリアン・ムーアキレイでした。
このころちょうど単館系映画に行き始めたところで
ポール・トーマス・アンダーソン監督のポルノ映画全盛期を描いた映画で
鮮烈な印象が残ってますw

ことの終わり



アンソニー・ミンゲラの
イギリス人の患者を彷彿させる戦時中の切ない不倫を映画いた作品。
切なかった～


エデンより彼方に



もう有名な女優として認められ始めたことで、挑戦的なメロドラマ。


こう見てみると、ノミネート多いですね。
もちろんこれ以外にも

マグノリア、ハンニバル、めぐりあう時間たちなどなど・・・
あるんですが。

あの最大の見せ場である演説のシーン。
エリザベス・ビショップの忘れる技を引用しての。

「私は苦しんでいない、戦っているんです。
この瞬間を自分であろうとして」

闘病生活でなく
自分であろうとする彼女の忘れることとの戦いに、じわーっときました。

そして、自分の家族と自分の仕事、自分の世界とのすみわけ・・
自分ならどうするんでしょうか・・
って考えてしまいました。


NYコロンビア大学で言語学者のアリス。
夫は医学部教授。娘は弁護士、医学校、末っ子は演劇をしている。
恵まれた家庭、仕事に満足をしていた。
しかし、講演時に物忘れがひどいことを自覚しはじめていたころ
ジョギング中に勤務している大学のキャンパス内で帰りの道を忘れてしまう。

その症状に怖くなり、病院へ。

更年期だと思っていたこの物忘れは、若年性アルツハイマーのもであった。

夫ジョンとともに担当医へ。
その病気への疑問を問うたび、ジョンもその病気であることを確信し始めていく・・・

しかも、この症状は実の父と同じ。
遺伝性もの。
子どもたちの発症を心配する。

仕事では授業でのアンケート結果から学部長に告白し、仕事をやめる。

言語学者である彼女が自分の仕事だった言葉を徐々に忘れていく。
そんな不安なある日。
もし、自分の子どもの名前や誕生日を忘れたら
もうこの世に居るべきではない。

そうしたとき、何も分別がつかなくなった自分にメッセージを残す。
引き出しの薬を飲みなさいと・・・


家族と忘れ去って周囲を困らせていくアリスとの共同生活を始める。
周囲のいらだちを起こさせるが、彼女の無垢な態度に皆彼女の素直な姿勢を認めていく。



この若年性アルツハイマーでの闘病生活を講演するところが
１つの山場になるんですが、そのところで終わることなく
彼女が、彼女であるための戦いを追っていきます。

病気を治すとか、周囲のためにとか・・・
そんなんじゃなくて、自分でいるため。

このことに、想いは様々です。
けど、こうした状況を理解しどのように行動するのかという自分に返ってくる映画なんだな・・・
って感じて映画館を出てきました。

★★★★☆
です。