【前回からの続きです】
人間というものは見たものを感覚的に擬人化して捉えてしまう習性があるのだそうで
例えば子供の頃に
なかなか寝付けない夜、柱の節が人の顔のように見えて恐ろしかったという経験や
撮った写真の木々の陰影がやはり人の顔のように思えて
コレ心霊写真なんとちゃう?
なんて色めき立った事ってありませんでしたか?
(中にはガチなのもありましたけど…)
まあ、それはさておいて
クルマにとってニンゲンでいうところの目に該当するのってやっぱりヘッドライトだと思うんです。
そのヘッドライトですが、
ウチのお嬢には、出会った頃から俗に筆記体キャレロと呼ばれる物が入っていました。
1959年という
型式が750から101へと移行する過渡期に製造されたウチのお嬢は
型式750ながら灯火類は後の101と同じく大型化されていましたから
この筆記体キャレロも汎用性のある一般的な7インチの規格サイズです。
でも大きさこそ同じ7インチ丸目と言っても
レンズカットの違いやフラットorコンベックスによってもその表情って随分違って見えるものなんです。
私としても
20数年間この目をしたお嬢を見続けてきた訳ですから、
今、ちょっとした戸惑いを覚えています。
「こんなんプチ整形みたいなもんやん」
「どや?惚れ直したか⁇」ってグイグイ来るなぁ…
とにかく…もうちょっと時間ちょうだい
流石にもうお察しの通り
お嬢は今、違うレンズカットのライトを付けています。
それでは事の次第を順を追ってご説明しますね。
ヘッドライトの点灯不良からの復旧作業も終盤
後は元通り組み付けるだけという所にまでこぎつけて思ったんです。
ただ元に戻すだけでいいのか?って
転んでもただでは起きない
壊れたのならそれを好機により良く、強く
今までもずっとそうやってきたじゃないか
とは言っても、そんな大した事をする訳じゃないんです
灯火類のLED化
追加する補器類の設置場所に悩んでお蔵入りしたHIDの時と違って
ライトバルブ入れ替えるだけのポン付けですから難しい事は一切なく
あまつさえ今は都合よくライトも外れている
今やらないでどうするの。
筆記体キャレロに使われているライトバルブの規格はH4
但し端子は同一ながら
台座の形状は今のそれとは異なるH4Eなるもので
そのため現在一般的に流通しているH4規格のバルブでは取付けることが出来ないのです
ただ、対策として変換アダプターが現在でも複数経路から入手できますし
実はかなり以前から所持しておりました。
アルミビレッドのゴージャスな物もありますが、
これは安価なプレス製
これを使えば台座の問題はクリア出来るでしょうから
あとバルブ選定に際して留意しなければならないのは台座から後ろの寸法
ライトユニットの外からバルブをはめ込んで
そこにソケットを差し込む現在の方式とは違い、
ソケットまでがライトボウル内に収まりますから、ここがあまり後ろに長いと底づきしてしまいます。
以上の点をふまえて私がチョイスしたのが
MADE IN JAPANを標榜するからにはそれほどおかしなモノではないでしょうし
いかにもLEDな白色光よりは多少電球色に近いというのも理由の一つです。
とりわけ明るさを強調した商品ではありませんが
そもそもハイワッテージでこそないものの、シールドビームでなくハロゲン球の
リレーを介してバッ直に配線を引き直してあるお嬢のライトは
LEDだHIDだといった現代車に比べたら見劣りしますが、
決して絶望的に暗いといったものではありません。
レトロフィットの目的は、あくまで節電なのですから
ネット通販でたまたま安売りされていたソレは
注文した翌日には手元に届いていましたので早速フィッティングを試みます
【既に組み付けてしまってから撮っているのでこれは件のLED球ではありません】
が、
固定できません…
爪の長さが足りず、H4の台座を押さえてくれないのです
アダプターだけならこの通り
いっそのことこの部分を矢印のように起こしてみようかとも考えましたが、
上手くいかなかった場合、悲惨な結果になるので止めておきました。
ちなみにお師さんにも見せて相談しましたが
手に取って暫くいじって出した結果は私と同じものでした。
おかしいなぁ
Galacyさんによればポン付けなはずなのに
もしかしたら私の知らない方法でもあるのかと尋ねましたところ
電話越しじゃあ上手く伝わらないだろうと
ありがたい事にスパイダーのをわざわざバラして画像を送って下さいました。
【提供Galacyさん】
【提供Galacyさん】
それを見れば一目瞭然
バルブの固定方法が違う
よく見てみればこれはブロック体になってからのキャレロ
でも私のストックは皆どれも同じ筆記体
そこでお師さんに事情を説明し、在庫の有無を問い合わせたところ
使えそうな物を見繕っておいてくれるそうなので
仕事を無理やり早めに切り上げてお伺いしました。
おっ!!
流石ですねぇ
これこれ、これが正に欲しかったそのもののブロック体キャレロって
喜んだのも束の間
ペアのうち片方のバルブ押さえ金具がありません
(それ以外は完璧なだけに悔やまれる)
諦めきれず、
使えそうな金具だけでも見つからないか、許しを得てヤードを漁らせてもらうことにしました。
ここ来るのも久しぶりだけど、記憶とあんまり変わってない
懐かしいナ
世間一般の認識としてはガラクタに過ぎないのでしょうが
私等にとっては宝の山
丁寧にかき分けて目当ての物を探しますが、こういう時に限ってこれだけあってもなかなか見付からないものです
こんなものは発掘しましたけれど
(笑)
おおよそ小一時間ほど籠っていたでしょうか
棚の隅々まで探して、それでも目当ての物は見つかりませんでした…
見落としはないハズ
これはもう諦めるしかないのか
でも人一倍諦めの悪いこの男
灯火類の棚を離れて普段そんなものを置きそうにない所にまで捜索範囲を広げた結果
別の棚の上、埃をかぶった箱の中から
新品とおぼしきソレを見事掘り当てたのでした(喜)
よし!
これでいざという時の保険は出来た♪
え⁇
コレ取り付けてめでたしめでたしじゃないの?って思いますよね。
理由は簡単
だってブロック体とはいえ、こんなに程度の良いのはお高いでしょ
お師さんに尋ねても「わからん…幾らなんだ?」って逆に訊かれる始末だし
(笑)
だからコレはどうにも打つ手がなくなった時の為にキープさせてもらっておいて、
もっとお気軽に手を出せるようなモノ、何かないかな?
真っ先に思い当たるのは
信頼の小糸製作所 HSSB-16
お値段格安、間違いなく左側通行帯仕様なのですがフラットレンズなんですよ。
レンズカットのデザインが変わるのは仕方がないとして
材質がガラスである事とコンベックス形状である事の二つは譲れない
そんな条件で検索して次に目を付けたのが
同じく車検対応品のIPF製
レンズカットのないマルチリフレクターですが、このルーカス風のデザインならLEDのライトバルブも目立たないんじゃないかな
奥行的にもライトボウルへの底づき問題はクリアしていますし
特売がかかっていたのも後押ししてお取り寄せ
(後に重大な見落としが発覚しますが、この時には全く気付かず…)
到着するのを待ってライトボウルへのフィッティングを試みます。
当然ながらライトバルブはすんなりと収まり
ソケットを挿してライトボウルへ… 入っていきませんな
ソケットが底づきしている様子はない、なのに入っていかないのは
矢印のこの部分がリフレクターに干渉しているから
嘘やろ~
改めて2つ並べて見比べてみますと
襟のようなカバーのせいで見づらいかもしれませんが、奥行きに関してはほぼ同等と
ここまでは良かったのですが
リフレクターのプロフィールに差異が!!
【こんなご時世ですので予めお断りしておきますが、セクハラの意図は全くございません】
IPFのがお椀を伏せたかのような豊〇型とするならば、
キャレロのは逆すり鉢状の貧〇型
大きさ奥行に気を取られるばかり、形への配慮が足りませんでした。
痛みを伴う失敗をした
それ即ち経験であり、痛みを伴ったのならそれだけ強く心に刻み込まれた事だろう
そしたら次は情報の共有だ
ライトボウルの画像を前に、こうこうこういった理由で上手くいかなかったと
身振り手振りで豊〇貧〇の例えも交えてお師さんに報告。
例えが例えなので心なしか苦笑いをこらえているような表情でしたが、肝心なことは無事伝わった事でしょう。
こんなドマイナーな記事に目を通すような奇特な方は少ないでしょうし
そもそもアルファのライトに王道以外のそんな変わったモノ入れようとする変人はもっと少ないとは思いますが
今回の経験から私が得た教訓としてここに記しておきます
貧〇尊し選ぶべし
さて、IPFのライトは駄目でしたが
その時点で既に次のあてはありました。
それは最後までIPFのとどちらにしようか迷った挙句
車検適合とは明記されていないのとポジション球があるという理由で選から漏れたもう一つのライト
こちらはマルチリフレクターではなく普通にレンズカットのあるタイプでルーカスのコピー品
MADE IN TAIWANであるならば高品質でしょうし
(もう8年目になるスマホもHTC製ですし20数年間愛用しているラチェットハンドルも台湾製)
IPF製よりもさらに激安なソレは紛うことなく貧〇タイプ!!
時間との戦いでもあるので躊躇なく取り寄せて
三度目の正直
今度こそライトボウルに収めることが出来ました♪
レンズ縁の厚みはキャレロに比べてやや厚く、その分ホルダーも前に押し出されてしまいましたが
ライトリムとのクリアランスは多少なりともあったと思いますから多分大丈夫でしょう
・・・確信はないけど
適合するライトが手に入ったので
ライトボウルを車体に取り付けます
今後の作業性を向上させる為に、ボルト・ナットから車体側をナットリベットにしておこうと準備してありましたが
現状空いている穴が芯の出ていないバカ穴であるため
そのまま拡大してナットをカシメてしまうとボウル側と穴位置がずれてしまう可能性が高く
なおかつボウル側を長孔加工するには余裕がほとんどありません
時間をかければ方法は何かあるのでしょうが、如何せんタイムリミットが迫っており
再びボルト・ナットでの固定となりました。
点灯テストを済ませ、ライトを固定し
リムもちゃんと嵌りました。
タイヤハウス内での配線の取り回しは
【before】
【after】
スモールとウインカーを兼ねる
コレへの配線が長くてダブついているのを切り詰めればもっとスッキリするかな
翌日(3/17)は快晴とまでは言えないまでも晴天に恵まれ・・・
念願かなっての房総ツーリング
先程言葉を濁したその訳は
写真には写らなかったけれど、実はこの日
真っすぐに立ってるのも難しい、まるで台風並みのの強風だったのですよ
(道理でライダーが少ないわけだ)
潮風の直撃を受けたくないから、常に風向きと波頭に注意しながらのコース取りになってしまい、
当初のシーサイドを2台でゆったりクルージングという目的は果たせなかったからなんです。
房総グルメも含め、おもてなし不発となってしまいましたが
これに懲りずまた房総に走りに来てくださいね、Galacyさん
(その時はもっとましなツアコン用意しておきますから)