先日、ブログのネタ探しでyoutubeを彷徨っていたときに、思わず見入ってしまった動画がありました。
ドアミラー車が大半を占める昨今では考えられない位置に貼ってある、
助手席ウィンドゥの丸いステッカー。
ノーズの先に見えるのは、
ペラペラで何とも頼りない感じのするフェンダーミラー。
そして、
細身の3本スポークステアリングの前にあるのは、これまた
見覚えのあるインパネ。
そして、ドア内張には
メッキのドアインナーハンドルと、
手で回すウィンドゥレギュレーターのハンドル。
確かに、何の変哲のない「車載動画」では有ります。
しかし、その動画で見たのは、私の記憶の奥底に焼き付けられている約30年程前まで繰り広げられていた、ある車の助手席から見た
我が家の日常の光景とほぼ同じものでした。
その車とは、「安全コロナ」こと
T100系コロナ。
この画像は、当時の上級グレードであった
「1800GL」のものですが、我が家にいたのはシルバーメタリックの
「1600GL」(TT100-MNFかも?)。
残念ながら衝撃吸収バンパーでもなく、現代のパッシブセーフティ面ではおよそ考えられない
スチール製のメッキバンパーが前後に付き、サイドモールは付かず、フェンダーミラーの形状が違う以外
見た目はこれとほぼ同じ。
wikiの記述を読んでみると、1973年(昭和48年)10月に2ドアセダンが追加されたとあり、拙くかなり怪しい自分の記憶をたどると、取説にそんなことが書いてあったような気がするのに加え、5歳違いの弟が生まれた頃にはすでに家族の一員であったので、恐らく
私が生まれて間もなく親父殿が買ったのではないかと思われます。
動画はバンのもので有り、トランスミッションも
3速コラムMT(!)なのに対して、ウチのは、当時このクラスの同排気量車としては珍しかったであろう
5速フロアMT。
動画とはいえ、
自動車学校の教則本で初めてその存在を知り、実物を一度も見たことがない3速MTをここで拝めるとは(^^;
さらに細かく見てみると、スピードメーターを中心とする3眼メーターの内、動画では左側が3針式の時計であるのに対し、ウチのコロナには
「EDモニター」(
エコノミードライブ・モニターの略。念のため。)が付いてました。
…尤も、EDモニターと言う程大層なものではなく、
ただのバキューム計だということを知るのはこれよりずっと後になりますが(笑)
しかし、偶然にも一致していた物がありました。
この
如何にもアナログなAMラジオと、
富士通テン製の8トラデッキは
我が家のと全く同じ。
電子チューナータイプしか見たことがない最近の若者の皆さんの中で、
このラジオの周波数プリセット方法を知ってる人はまずいないでしょうし、知ってても私と同世代でギリギリでしょうなぁ。
それに、せっかく同調が取れてプリセットしようにも、希望のボタンを押し込んだ衝撃で微妙にずれてしまい
なんだか悔しい気持ちになることも(^^ゞ
ちなみに、つい最近になってようやく入手できた新車時のカタログによると、
ラジオのスピーカーはインパネ上部中心部に1個だけで、
8トラデッキ用スピーカーはリアシート背面のボード上に左右2つ。
一部のグレードにはカセットデッキやFM/AMラジオのオプション設定があったようですが、
この頃の「カーステレオ」と言えばこの組み合わせが主流で、丁度葉書と同じぐらいのテープカートリッジがあちこちで売られていました。
このカートリッジは初期のカラオケ用に使われていたものの、現在では
路線バスの車内放送用に使われていた物か、
運良く生き残った中古品がマニア向けに流通する程度で、新品は完全に姿を消しています。
そうそう、テープカートリッジと同じ形状で、
8トラデッキに挿入するとFM放送が受信できるパックも存在していて、ウチのコロナにも積んでましたが、結局使うことはなかったですな。
そして、
ブロアファンの風量調整が一発で理解しにくいヒーターコントロールも全く同じでした。
一応、エアコンのオプション設定もあったようですが、
内気循環時のみに作動できるタイプだったようで、現在のように
除湿運転が可能ではなかったようです。
まぁ、動画もそうですが、ウチのコロナにも
エアコンなんてのは付いてませんでしたし、我が家の車に初めてエアコンが搭載されるのは、
平成の世になってから。
私の免許を取得した直後、
脇見運転が元で当時親父殿が乗ってたST170コロナを事故で廃車にしてしまい、急遽購入した
AT175カリーナまで待たねばなりません…。
エンジンは、これまた現代では全く見られなくなってしまった
直4OHVの「2T」型。
AE86と同時デビューした「4A-G」の
祖先であり、70年代から80年代中盤に掛けて、
2.0Lの「18R-G」系と共にトヨタの直4DOHCの屋台骨を背負い、後に
3T-GTEUに昇華することになる
「2T-G」系の基となったエンジンです。
これまたwikiの記述だと、1975年(昭和50年)に排ガス対策の
「TTC」(トヨタ・トータルクリーンシステム)が装備された「2T-U」搭載車が発売となるため、我が家のコロナは所謂
「対策前」のエンジンと言うことになります。
TT100に10年程乗った後、親父殿は「最後のFRコロナ」である
T140系に乗り換えるわけですが、その際、当時最新鋭だった
「3A-II」(これが4A-Gのベース)搭載のAT140・GXエクストラの5速MT車を購入。
余り車には関心がない親父殿ですが、どうも
2Tと同じ感覚で決めたらしく、
昭和53年排ガス規制の洗礼を受けた3Aの余りの非力さに、
1800買えば良かった…
と、時々愚痴をこぼしてたのを思い出します(^^ゞ
その後、その息子である私がST195Gカルディナを事故で亡くした後に、とりあえずの足で
1S-Ci搭載のST150コロナに乗り、親父殿に
黒メタのST195後期型コロナを買わせるに至る訳ですがf^^
それよりも、TT100があった頃、まさか20年以上後に
自分がトヨペット店でメカやることになるなんて考えもしなかったですね。
…同時に、随分と親不孝な息子になってしまったな、とも思ってみたり(^^;
それはともかく、あのとき親父殿がTT100を買ってなかったら、もしかすると違う歩み方をしていた…、かもしれないですなぁ。