まとめ記事(コンテンツ)

2016/01/17

High Speed USB Isolator Nr.7054-X

カテゴリ : カーオーディオ、ビジュアル > その他

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オカルト?シリーズ第4弾。

ドイツのIntona社から発売された、世界初というUSB2.0(ハイスピードモード)対応のアイソレータです。
アイソレータとは絶縁器の意味で、前後に接続された回路を電気的に分離するものです。オーディオ用途に絶縁能力など必要ありませんが、副次的に上流(PCなど)のノイズを下流(USBオーディオ機器)に伝えない効果があります。似た効果を持つUSBノイズフィルターに対して、こちらは「絶縁」なのでGNDループの影響も含めUSB全ラインのノイズを遮断できるメリットがあります。

「デジタル伝送のノイズを減らしたところで、データが変わるわけなかろうに。」
ですって?同意。USBケーブルの宣伝文句によく見られる「PCのノイズによるエラーを防止!」なんて説明は正しくないと自分も思います。よく言われる「ジッター」(USB信号側のジッター説)についても、ちょっと疑問視しています。

でも、USBではデータの他に電源ラインも接続していることは考慮すべきでしょう。送られてくるデータが正しくても、それを処理する回路の電源が汚れていたら?コモンモードノイズでGNDが揺すられたら?USBケーブルは電源ケーブルであると考えれば、音が変わるのもあり得る、と思えてきませんか?

自分は現在、Companion One(Celsus Sound)とAudiophilleo2という2つのUSBオーディオ機器(DDC)を使用しています。DACならともかく、DDCの電源ノイズを減らして音質に影響があるのか、というのはなかなか説明が難しい領域ではありますが、バッテリー内蔵のCompanion Oneに比べ、バスパワーで動作するAudiophilleo2はUSB側の電源やケーブルの影響を比較的受けやすいことが経験的にわかってきたため、その実力を引き出せるアクセサリーを探していました。

この製品は、工業オートメーション・計測・医療機器といった高電圧の保護が必要な分野での利用を想定したものだそうです。しかしスペックはこの通り。

・USBの全ライン(データ・電源・GND)を絶縁(耐電圧2500V)
・バスパワー動作で外部電源不要
・出力側電源に低ノイズのリニアレギュレーターADP125を採用(PSRR性能60dB)
・SiLabs社のMEMS発振器(ジッター値2ps)によるリクロック回路
・ドライバ不要でOSを問わず動作可能

・・・これ実はオーディオ狙いじゃないのIntonaさん?

アイソレータには専用のICを使用するのが一般的です。これまではAnalog DevicesおよびLinear Technologyの2社がロー/フルスピード(1.5/12Mbps)対応のICを発売しており、市販のUSBアイソレータにはほぼ全てこのいずれかのICが入っています。
USB信号はデータ伝送に高速の差動信号を使用することから絶縁が難しく、現時点でこれらのメーカーはハイスピード対応ICを発売していません。Intona社がどのようにして480Mbps対応を実現したのか興味あるところです。アメリカのオーディオ関係の掲示板での書き込みを見ると、FPGAと何らかの絶縁素子を併用しているようです。

ハイスピード対応の意味についてですが、24bit×96kHz×2(L/R)≒4.6Mbpsなので、実はここまでは12Mbpsのフルスピードモード(isochronous転送での最大レート1023kB/s≒8Mbps)で伝送可能です。本当にハイスピードモードが必要なのは192kHz以上のLPCMや高レートDSDの再生で、今のところ24bit/48kHzまでしか使用していない自分の環境に必要かどうかは正直怪しいのですが、USBオーディオ機器によっては音源によらずハイスピードモードでの接続が必要なものがあるのと、USBのバス占有率を下げられるメリットもあるので(USBは帯域全てを常に使用できるわけではありません)、対応しているに越したことはありません。

・・・ちょっと苦しいですな。単に新しモノ好きなだけですハイ。

(というわけで、ハイレゾ再生が必要なければ他のフルスピード対応アイソレータでも使える可能性があります。ただし「絶縁」だけ謳って下流側の電源品質に気を使っていないものもあるので注意。)

製品には標準モデルのNr.7054(写真上)と、工業用グレードのNr.7054-X(下)があります。性能は同じで、保証する耐電圧や温度などに違いがあります。クラシックファンならご存知でしょうがNr.はNo.のドイツ語表記。
今回は車載利用のため、使用温度範囲の広い「-X」の方を選択しました。日本からは本社サイトのネット販売で購入できます。

本体のコネクタはUSBのAとBの2つのみで、Bを上流、Aを下流に接続します。単純にUSBラインに挟むだけでその前後を完全に絶縁することが可能です。とりあえず運転席横のコンソールBOXに設置してみたら、写真の通り大きめの箱の前後にケーブルが出るので収まりませんでした。近くDDCと最短距離のトランクルームに移設予定です。

ノイズ除去という観点からは理想的に思える製品ですが、1つ弱点があります。
上流のUSBから電源を取って動作し、出力側には効率の低い(代わりにノイズ除去能力の高い)リニアレギュレーターを使っているため、下流に供給できる電力は上流より少なくなります。逆にホスト側からみれば接続するUSBデバイス以上の電力が必要ということになり、消費電力の大きなUSBオーディオや、給電能力の貧弱なスマホ・タブレットに使うと問題が出るかもしれません。
(仕様では300mAまで5V保証、それ以上500mAまでは電圧が低下します。)

実際、自分の環境でも、上流にスマホ(Xperia Z3 Compact)、下流にAudiophilleo2を接続すると最初は認識させることすらできませんでした。
そのため、電源をスマホとは別にアイソレータに供給してやることで使用可能になりました。別供給といっても外部電源端子などないので、USBの電源ラインに割り込ませるようなアイテムが必要になります。セルフパワーのUSB-HUBで良いと思いますが、自分はそれまで使っていたラトックのバッテリー電源RAL-EXTPW01を再利用しました。

ただしRAL-EXTPW01によるバッテリー駆動では、エネループプロ4本で3時間持ちませんでした。アイソレータ内で電源を作り直す以上、上流側の電源品質にそこまで気を使う必要はないと思うので、モバイルバッテリーか車載USB電源で駆動してみようと思っています。
(追記)システム接続図をフォトギャラリーに上げました。

で、効果については・・・
こんなのを使わなくてもデータは正しく伝送できるので、アナログケーブルほどの変化はありません。

・・・

位だろうな、と下書きしておいた以上のものがありました。
バッテリー電源の時もそうでしたが、デジタル伝送においてノイズを減らしても、聴感上ノイズが減るとは限りません。バッテリー電源の長所はそのままで、今回はヴォーカル・楽器とも実体感がかなり増しました。(自分の駄耳と拙い文章ではうまく表現できません・・・)

こういう製品ですし先の電力の問題もあるのでお勧めするのは止めておきます。おそらく、効果の有無や程度は組み合わせるUSBオーディオ機器の種類や設計によるでしょう。個人的には当たりでした、とだけ。

気分的には根本的な対策をしている(はず)という納得感があり、ケーブルの沼にハマる位ならこれ買って終わりにした方が幸せではないかなぁ、なんて思ったり。

あ、アイソレータより後に低品質なケーブルを使ってノイズを混入させては意味がないので、そこは配慮が必要だと思います。結局終わりにはならないか。まぁケーブルへの依存度が下げられるだけ良いでしょ。

(2016/6/29追記)ホームオーディオ用に追加購入しました。

(2016/9/22追記)PCオーディオ用の高音質再生ソフト、JPLAYの公式サイトで、Intona社の基板を使ったUSBアイソレータが発売されているのを見つけました。

(2017/5/14追記)USBオーディオをAT-HRD5に変更。32bit/384kHz PCMや5.6MHz DSDもちゃんと通してくれました。ハイスピードモード対応の本領発揮です。

(2019/7追記)新型の7055シリーズが発売になりました。USB3.0対応の7055-Cと、USB2.0対応で耐電圧を5kVにアップした7055-Bの2種類で、従来の7054シリーズも併売されるようです。
新型では下流側のUSB用に外部から電源を供給できるようになり、オーディオ用のリニア電源と組み合わせてみると面白そうです。
(2020/1追記)7055シリーズに、USB3.0対応で耐電圧5kVの7055-Dが追加されました。


関連情報URL:http://intona.eu/en/products

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