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まとめ記事(コンテンツ)
2026/05/07
ナフサの話(有機化学の基礎知識)
ナフサの話をする前に、今回は前提となる有機化学の基本(高校レベル)について、原油の成分を通じて書いてみます。
※化学に興味のない人はスルーしてください。
原油中の炭化水素は、主にアルカン、シクロアルカン、芳香族の3つです。
※このうちアルカンとシクロアルカンで、全体の8~9割を占めている。
つまり原油に含まれている成分の殆どがアルカンやシクロアルカンなど単結合の化合物(飽和化合物)であり、芳香族のような二重結合や三重結合を持つ化合物(不飽和化合物)はあまり含まれていません。
ここで、アルカンだ二重結合だという言葉が出てきましたが、炭素同士の結合が、すべて単結合である炭化水素を飽和炭化水素(saturated hydrocarbon)またはアルカン(alkane)、二重・三重結合を持つ炭化水素を不飽和炭化水素(unsaturated hydrocarbon)と呼びます。
以下、炭化水素(有機化学)の基本を簡単に説明します。
※構造式を考えながら(紙に書きながら)読むと、理解しやすいかも?
・アルカン
鎖状アルカンのうち、ブタン(C4H10)は4つの炭素原子が一列に並んでいるが、このようなアルカンを直鎖アルカン(straight-chain alkane)またはn-アルカン、一方、同じC4H10でもイソブタンのように途中で枝分かれしている炭素原子の並びのものを分岐アルカン(branched alkane)またはイソアルカンと呼ぶ。
※このように、構成原子の種類と数は同じだが、原子のつながり方が異なる物質のことを構造異性体(structural isomer)と呼ぶ。
また、飽和炭化水素で、炭素原子が環状につながっているもの(環状アルカン)をシクロアルカン(cycloalkane)と呼ぶ。
例えば、
①プロパン(C3H8)は、直鎖アルカン
②シクロプロパン(C3H6)は、シクロアルカン
③プロピレン(C3H6)は、シクロプロパンの構造異性体(直鎖アルケン)
・アルケン、アルキン
エチレン(C2H4)のように炭素-炭素二重結合を1つ持つ炭化水素をアルケン(alkene)と呼ぶ。
※同じ骨格を持つアルカンの名称の末尾の“ane”(アン)を“ene”(エン)に置き換えたもの。
プロピン(C3H4)のように炭素-炭素三重結合を1つ持つ炭化水素をアルキン(alkyne)と呼ぶ。
※これも、同じ骨格を持つアルカンの名称の末尾の“ane”(アン)を“yne”(イン)に置き換えたもの。
・パラフィン、ナフテン、オレフィン
これらは化学用語ではなく、一般的に石油化学業界で使われる呼び名。
鎖状アルカンは、パラフィンと呼ばれる(一般式:CnH2n+2)
※例として、上記①のプロパン(C3H8)
環状アルカンは、シクロパラフィン、またはナフテンと呼ばれる(一般式:CnH2n)
※例として、②のシクロプロパン(C3H6)
一方、アルケンはオレフィン(一般式:CnH2n)と呼ばれるが、原油中にはほとんど含まれていない(ナフサを熱分解することにより生成される)
※例として、③のプロピレン(C3H6)
なお、イメージとしては電場(物理学)のことを電界(電気工学)と呼ぶような感じだが、一方でパラフィン=石蠟、あるいは流動パラフィン=ベビーオイルのように、限定的な意味にも使われる。
・芳香族
芳香族は、ベンゼン環を持つ不飽和有機化合物のことを指すが、これも主にナフサを熱分解することにより生成される。
※一般に芳香性があるため、この名で呼ばれている(シンナーが臭うのはこのため)
ベンゼン(C6H6)は、6つの炭素原子が六角形の環を形成し、構造式では炭素間の結合は単結合と二重結合が交互に存在するように描かれるが、実際には全ての結合が等価で1.5重結合の性質を持ち、電子は環全体に非局在化している。
※単結合を挟んで、二重結合を共役していると言う。
この非局在化によりベンゼン環は常に安定しており、付加反応よりも置換反応が起こりやすい特徴があるが、ベンゼンにメチル基(-CH3)が1つ置換した化合物をトルエン、2つ置換した化合物をキシレンと言う。
※トルエンやキシレンはシンナーなどの成分に含まれていたが、最近では有機溶剤中毒を避けるため、TXフリーといってこれらを含まないものが増えている(マジックもよく見ると、これらが含まれていない旨の注意書きがされている例が多い)
・炭化水素基とアルキル基
炭化水素からから水素原子を一つ除いたものを炭化水素基と呼び、中でもアルカンから水素原子を一つ除いたものをアルキル基(alkyl group)と呼ぶ。
アルキル基は多くの有機化合物の部分構造となっており、分岐アルカンにおいて置換基と見做されるものは、すべてアルキル基のことを指す。
※代表例として、メチル基(–CH3)やエチル基(–C2H5)がある。
例えば、
メタノール(メチルアルコール)は、CH3OH
エタノール(エチルアルコール)は、C2H6O
・アルコール
アルコールは、炭素骨格に結合したヒドロキシ基(–OH)を持つ有機化合物の総称(一般式:R–OH。Rは炭化水素基)
1価アルコールは、ヒドロキシ基が1つだけ結合したもの(2価は2個)
第1級アルコールは、第1級炭素にヒドロキシ基が結合したもの(第2級は第2級炭素に結合したもの)
鎖長の短い低分子のアルコールは低級アルコール(長い高分子のアルコールは高級アルコール)
※昔の酒税法の特級とか1級とかとは別物。
まあ、こんな事考えながら酒を飲んでも、美味しくないでしょうが(笑)
Posted at 2026/05/07 17:02:25
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