ベルギー・メテで行われた世界ラリークロス選手権第3戦のファイナルレースは、トピ・ヘイッキネン(VWポロ)とペター・ソルベルグ(シトロエンDS3)の息付く暇を与えないバトルが最終ラップまで続いたが、ポールポジションからスタートしたヘイッキネンがペターの激しい追撃をしのいで、0.84秒差で逃げ切って優勝を飾り、今シーズン3人目のウィナーとなった。
17日午後に行われたベルギー・ラウンドのファイナルレースは、セミファイナルをトップでフィニッシュ、ポールポジションを決めたヘイッキネンと世界RX選手権のファイナルを初めてフロントローからスタートすることになったP-G.アンダーソンというマルクルンド・モータースポーツのチームメイト同士のバトルになるかに見えた。しかし、ヘイッキネンが素晴らしいスタートで1コーナーをトップでクリアしたのに対してアンダーソンはワイドに膨らみ、後続に飲み込まれてコースオフ、最後尾まで順位を落としてしまった。
この混乱をうまくすり抜けて2番手に浮上したのはソルベルグ。予選ヒートで2位となったソルベルグは、セミファイナルでジャンプスタート、2周のジョーカーラップを走るハンデを撥ねのけて2位に食み、ファイナルレースは2列目のグリッドからのスタートとなっていたが、イン側有利なタイトな1コーナーをヘイッキネンに続いてうまく回りこみ、2番手で首位にプレッシャーを掛けながらラップを重ねることになった。
ソルベルグは3周目にジョーカーを選んだものの、勢いあまってグラベルのコーナーでワイドになったためにタイムをロス、4周目にジョーカーを選んだヘイッキネンはソルベルグの前でコースに戻ることに成功、そのまま逃げ切って優勝を飾ることになった。
「素晴らしい結果になった。僕らはこの結果がでると信じていたよ。マシンはとてもいい仕上がりだったからね。来週はリッデンヒルだから、またプッシュして戦うよ」とヘイッキネンは歓びを語っている。
激しいバトルとなったスタート直後、ソルベルグに続いて3番手でシケインに向かったEKSチームのマティアス・エクストロームは、アンドレアス・ベッケルド(フォード・フィエスタST)と接触、逃げ場を失ってしまいシケインに積まれたタイヤにヒット、サスペンションを壊してしまったためリタイアとなった。
ベッケルドはこのあとペースを上げることができず、オルスベルグMSEのレイニス・ニッティス(フォード・フィエスタST)が3位でフィニッシュ、1コーナーで出遅れたアンダーソンもベッケルドを抜いて4位でフィニッシュすることになった。
最終日に天国から地獄を経験したのはVWスウェーデンのヨハン・クリストファーソン(VWポロ)だった。彼は日曜日のヒート3とヒート4でともに総合トップタイムでフィニッシュして予選ヒートを一位で通過したが、順当に首位を快走していたセミファイナルでパンク、コーナーをオーバーシュートして最後尾まで後退したためファイナル進出を逃している。また予選ヒート7位でセミファイナルに進出したティミー・ハンセン(プジョー208)も同様にパンクのためファイナルを走ることはできなかった。
予選ヒート19位に終わったフランソワ・デュバル(フォード・フォーカス)は、世界RXと併催されたユーロ・ラリークロス選手権のファイナルレースに出場したものの、メカニカルトラブルで一周目でリタイアとなってしまった。ユーロRXの開幕戦はフランスのジェローム・グロセット-ジャナン(プジョー208)が優勝、オーレ-クリスチャン・ヴェイビー(VWポロ)が2位となっている。
以上、RallyX mobileより抜粋
いつものようにライブストリームで見ていたのだけど、ぺターの走りは圧巻としか言いようが無いね。
予選ラウンドは全車横並びスタートでIN側スタートが有利なのだが、そのIN側スタートの時にチャンスを逃がさないというか、一瞬スタートで出遅れたと思いきや1コーナーへのブレーキングで一気に詰めて、立ち上がりではトップに立ち、どんどん後続車を引き離す速さを見せつけてくれた。
セミファイナルではなんとジャンプスタート(フライング)をしてしまいジョーカーラップ2周のペナルティを負ってしまう。その瞬間、「ああ、終わったなぺター」と思ったのだが、再スタートでは圧巻の走りを見せて後続を一気に置き去りにする。ファイナルラップで2度目のジョーカーを消化して本コースに戻りVWポロを駆るヘイッキネンとサイドバイサイドでフィニッシュラインを通過。わずかな差で2位となったが、あの走りは凄すぎるのひと言だった。
ファイナルはセカンドローに付けたぺター。フロントローは2台のVWポロ。ヘイッキネンと元WRCドライバーのP.Gアンダーソンだ。
スタートで2台のポロに前を塞がれたペターだったが、1コーナーでアンダーソンのIN側をこじ開け2位に浮上。トップのヘイッキネンの背後にピタッと付けテールツーノーズを展開。
ぺターはヘイッキネンの後ろでタイムロスしたくなかったのか、3ラップ目にジョーカーへ。しかし、ここで痛恨のミスでタイムロスをしてしまう。
ヘイッキネンは5周目にジョーカーを消化し、ぺターの前で本コースに復帰。ぺターはヘイッキネンに食い下がるが、セミファイナルでタイヤを酷使したためかペースがやや落ち2位のままフィニッシュ。
ヘイッキネンは今期初勝利で、フィニッシュ後に派手なドーナツターンでタイヤスモークを上げ、それにぺターも参加。
それにしても、ぺターの鬼のような走りは凄いとしか言いようが無い。派手にドリフトしながらコーナーを攻めているのにもかかわらず、トラクションがかかり前に進んでいる。
ぺターのマシンが縦置きエンジンであるのは過去のイベントでの動画や画像で判明しているが、ギアボックスはどうなっているのかとか、詳細は不明。
シトロエンDS3のあの短いノーズにギアボックスが納まっているとは思えないので、もしかしてトランスアクスル化しているとか。
こんな激しくてワクワクするレース、生で見られない、TVで見られないのは残念だ。世界選手権なら来年のカレンダーに日本ラウンドが追加されると嬉しいのだが。
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モータースポーツ | 日記
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2015/05/18 08:48:28