丸和オートランド那須で開催された全日本ダートラで、2本目を観戦中に若干場違いな雰囲気の男性2人がオイラに近づいてきて声をかけてきた。
なんとそのお二方はJAFの人だとかで、いろいろと質問してきた。
その中で、ダートトライアルは見ていて面白いですか?それと、どうしたらお客さん(ギャラリー)を呼べると思いますか?との問いが。
その問いはオイラのハートに火を点けちまった。
まず、面白いかとという点では、以前も書いたけど20年ほど前と比べると面白くないと思う。
モンスター田嶋やキャロッセの大井選手が、トンでもないモンスターD車を走らせ、異次元なタイムを叩き出していた90年代前半と比べると、ワクワク感が無いに等しいのが現状。
ダートトライアルを参加型モータースポーツと捉えるのと、全日本みたいなのを“見せ物”と捉えるのとでは意見が当然異なるのだが、前者側の見方では改造範囲を極めて狭くしているが、初年度登録から何年以内という新しい車両に限定したPNクラスは参加者を増やすには効果が薄いと。
だからといって、現行モデルが走るPNクラスがギャラリー目線で面白いかと言えば、ちょっと違うような気がする。
何しろ、非力なFF車だけに迫力が無い。おまけにマフラーが純正だけに音が無い。
だいぶ前だけど、“日本一速い男”と言われたあのお方が、モータースポーツの最大の魅力は音である。AVの音を消して見たって面白くもなんとも無い…とジョークを交えてコメントしていたけど、まさにそうだと思う。
自分が初めてダートラを観に行ったのは、1990年の丸和で行われた全日本最終戦オールスターダートラ(↓)
この時は土曜日にAクラス(今で言うNクラス)を、日曜日にC、Dクラスをやったのだけど、オイラが観に行ったのは日曜日だったんで、改造車ばかりの競技を見て引き込まれていった。
そもそもダートラを観に行こうと思ったきっかけは、1987年のオートスポーツ誌のたった1ページの記事で、そこでダートラのD車を紹介していた。
確か、キャロッセ87D、それとTom’sオクヤマFX、そしてツインエンジンカルタスだったと記憶しているが、表現方法が適切かどうかは個々の判断に任せるが、“まるでラジコンのオフロードマシンみたい”という感想だった。
それ以前に、WRCでグループBマシンやさらにその上を行くグループSマシンなどの記事を見たときも同じ感想だった。

(↑はフォードRS200)
これらに極めて近いインパクトがあったのが当時のD車両で、是非とも間近で見たいし、その走りも見てみたいというのがきっかけだった。
その初めて行った90年のオールスターでは、昼休みにパドックがギャラリーに開放され、間近でキャロッセ90DもスズキスポーツカルタスMIDも見れた。
感想はやはり“ラジコンみたい”だったのだが、もの凄く長いロアアームがホイールの内側まで伸びていたり、リバウンド側のストロークがもの凄く取られていたりと、驚いたものだ。
その後キャロッセは三菱のGTOをモチーフにしたマシンを登場させた。
ミッドシップにエンジンを積みながらTMはフロントに置き、フロントにも重量物を持っていったり…と、究極のダートラ車を追求。
スズキスポーツは新型V6エンジン搭載のエスクード(の形をした)を登場させ。前後に巨大なウイングを付けたハイパワーかつ空力マシンへと進化したりと、ワクワク感が半端なかった。
その後、両者共にダートラから撤退。
その間に市販車のレベルが大幅に上がり、ランサーやインプレッサなどはN車でも改造車と差が無い速さを身につけた。
確かに全体的に速くはなったけど、迫力は…。
あの時代をリアルで見ていたオイラからすれば、今のダートラは“見せ物”としての魅力が感じられない。
ここ数年は、丸和でのイベントでは新井選手がデモランをやったりしていたので、それを見るのが最大の目的になっていた。
もしそれが無かったら、恐らく行かなかっただろう。
今後、ダートラの方向性が変わらないのであれば、ギャラリーが増える要素は無いと思う。
こればかりは、JAFを含め主催者側の問題ではないと思う。
昨今の経済状況や車を取り巻く環境が変わり、迫力あるダートイベントがゆくゆくは淘汰されてしまうだろう。
仮に継続していたとしても、参加車両の大半がEVになったとしたら、たとえ異次元の速さを見せたとしても、オイラの価値観では観に行かないだろうと思う。
※あくまでオイラ個人の価値観からの意見ですので、異論はあると思います。
Posted at 2012/03/29 10:06:49 | |
モータースポーツ | 日記