『河原で宝石が出たらしい、住民多数が夜明け前から「それっ」と殺到 専門家「どこにでもある石英です」=中国』
山あいを流れる川。人々は夜明け前から集まってくる。スコップで川床を掘る。四川省瀘州市合江県を流れる川の石に「玉(ぎょく)がまざっている」との噂が出たのは12日ごろだ。たちまち多くの人が未明から、河原で「玉さがし」をするようになった。華西都市報が18日付で報じた。
人々が「玉」ではないかと思っているのは、黄色がかった半透明の石だ。「玉」とは「翡翠(ひすい)」のことで、中国では古くから人気が極めて高い。
夜明け前の河原で、すでに100人以上が作業をしていた。懐中電灯の明かりが、あちこちで揺れる。川岸に陣取りスコップで穴を掘る。水がたまって池になる。池の底から掘り出した石を懐中電灯で照らす。「玉」はないようだ。再び掘る。腰まで水につかり、掘り続ける。
夜が明けた。あたりはまだ薄暗い。霧の中で人々がうごめく姿が、次第に浮かび上がってくる。明るくなってから来る人も多い。1000人を超えた日もあった。ときおり「あったぞ!」と声が響く。
きっかけは、近くの南灘鎮に住む賈さんが1カ月ほど前、河原で見つけた石を「きれいだな」と思い、毎日のように集め始めたことだった。賈さんによると11月12日、重慶から来たという石のコレクターが、賈さんの集めた石を買った。賈さんはそれまでに50キログラムほどを集めていたが、コレクターはうち10キログラムを4000元(約7万7000円)あまりで引き取ったという。
「川から拾ってきた石が売れた」との噂が広まった。「玉だったらしい」と、話が“進化”した。「河原で玉を見つけよう」、「儲かるぞ!」、「それっ!」と、人々が殺到するようになった。
「玉」だったら、10キログラムが4000元であるはずがない。賈さんに「本当のところを教えてよ。何万元、儲かったんだい?」と尋ねる人がいるという。賈さんは「そんなオーバーな。そんなにもらったわけじゃないよ」と答える。
しかし「噂」は止まらない「数十万元(50万元=約962万円)儲けた人がいるらしい」、「玉を売った金で、自家用車を買った人がいる」とエスカレートした。人々の一攫千金への夢、言い方を変えれば欲望は、膨らみに膨らんだ。
ただし、おかしいと思う人も出始めた。賈さんが重慶から来たコレクターに売ってからは「玉を買いたい」という人が、一向にやってこないからだ
華西都市報の記者が、「玉らしい」石を2つ、四川省地質鉱産局に持ち込んで、地質や鉱物鑑定の専門家である杜光栄氏に見てもらった。杜氏は「普通の石英ですね」と述べた。黄色いのは、鉄分を含むからという。
石英ならば、変わった形に目をつけた石コレクターが値段をつけることはありえるが、物質そのものとしては極めて安価だ。華西都市報は「一文の価値もなし」と断じた。
中国では以前にも、石の加工業者が、さほど価値のない石と知りながら「宝石です。加工すればもっと価値が出ます」などと住民をだましたことで「石集めブーム」が発生したことがある。地元当局は、現場に大型重機は持ち込まれていないが、住人が河原に次々に穴を掘ることで、環境および安全上の問題が発生しているとして、事態に介入する考えだ。
「玉探し騒動」で最も大きな恩恵を受けたのは、地元の雑貨店だ。スコップが飛ぶように売れた。「普通なら1年分の本数が、5日間でさばけてしまいましたよ」と、経営者はホクホク顔だ。
流石、欲深い馬鹿民族っすよねぇ(笑)
ブログ一覧 | ニュース
Posted at
2015/11/28 07:17:12