
今日はフォードのディーラーに行きました(^-^)
お目当ては新型フォーカスですw
でも担当が申し訳なさそうに「実はですね...昨日の夕方に試乗したお客さんがブツけちゃいまして、とても試乗できる状態じゃないんですよ...連絡できずホントすいません」
マジっすか(゚o゚;;
「でも今日は飛びっきり良いのを用意したんで良かったらこれ乗っていってください( ´ ▽ ` )」
渡されたキーのタグには「MY2013 MUSTANG GT」と書かれていました。
実はずっと前から乗ってみたかった車なのですが、V8仕様はデモカーとしては中々卸せない車でした。
それが今回、当番制でこのお店に回ってきたという事です。
まずは写真をどうぞ!
フロントは現行型になって初代のリバイバル版的なデザインになりました。
2013年モデルでMCが入りシェルビー顔になり更に迫力のある顔つきになってます。
リアスタイルもどことなくクラシックに..でも古さを感じさせないデザインに仕上がってます。
試乗車は5リッターV8仕様車でしたw
そしてフォードの伝統とも言えるGTエンブレムはリアの中央に配置されます。
GTという名は歴代も含め、V6モデルでは一切使われません。
フォードの魂が込められた名前です。
タイヤ&ホイールも5リッター車は19インチが標準となります。
内装もどことなくレトロな雰囲気です。
メーターは若干見づらいデザインでした。
2013年モデルでは6速ATにシーケンシャルモードが追加されました。
早速キーを貰ってエンジンスタートです。
マスタングは古典的なキーで、キーを差し込んでエンジンをスタートさせるタイプです。
エンジンをスタートさせた瞬間に「キュルル...ブロォォォォン!!!」と迫力に満ちた始動音が聴こえて来ます。
Dレンジに入れて発進です。
このマスタングGTには時代と逆行しているともいえる5リッターV8NAエンジンが搭載されています。
店から出て道に出た途端に5リッターのパワフルさを実感します。
アクセルをほとんど踏んでいないのに周りの流れに速攻で乗ります。
回転数だって1200~1300回転も回らぬうちに変速していくのですが、トルク感は物凄いものです。
トルクの出方もターボ過給で出すものと違って滑らかに湧き出る様に出てきます。
フィールも「これぞアメ車!!」と言えるもので、BMWのM3やフェラーリのV8みたいな緻密さというのは無いのですが、大らかさがあって包容感があります。
回してナンボではなく、低速回転のトルクに物言わせてユルユルと流すのが似合う物です。
幹線道路に合流して、流れがかなり速い車線に乗るのも力を入れない程度にアクセルを踏み足すだけで「モモモモモモ....」という如何にもアメリカンV8の音を響かせながら、いとも簡単に流れに載せてくれます。
このまますぐに流れをリードするのも容易いものです。
その時も回って1500回転程...といった具合です。
街中では本当にアクセルをほとんど踏まなくても進んでいってしまいますww
この有り余るほどの余裕感はクセになりますww
感覚的にはメルセデスC63AMGの6.3リッターV8に似ているのですが、いい意味で大雑把さがあるのはこちらの方です。
このマスタングに乗ってると回したい..とか踏みたいなぁ..とか、そういった感情はあまり出てこないです。
音楽聴きながらまったり流したい気分になる車です。
でもこの車は踏んでも楽しい演出がなされています。
吸気管に細工がなされていて、エアクリから通される一部の空気は運転席の足元の近くのダクトを通ってからエンジンに吸い込まれるという方法を採用しています。
これはレクサスのLS460FsportやIS Fなどにも似たものが採用されていますが、ちょっと多めにアクセルを踏み込むとエンジンの吸気音が一段としっかり聴こえてかなりの迫力のある音が室内に響きます(・∀・)
聴こえてくるとは言ってもガサツな音は一切聞こえて来ず、V8の「モモモモモ...」という重厚感のある音が大きめに聴こえて来るという感じです。
そしてゆったり流すのが似合うとは言っても、シェルビーなどの特殊なメーカーチューニングモデルを除けば現行フォード最強のV8エンジン搭載車...
牙を剥くと正直言って手を付けられないぐらいの暴れっぷりですヽ(´Д`;)ノ
試しにDレンジのまま一気に踏み込んでみるとESPが作動してるにも関わらずリアタイヤがキュキュキュ!!!と滑り出して、物凄い勢いで加速していきます(;´Д`)
加速感もかなり豪快なもので、5リッターの大排気量のトルクにモノを言わせて何処から踏んでも超が付くほど暴力的な加速感です:(;゙゚'ω゚'):
トラクションが安定してからの加速は先日のポルシェ911カレラ4やBMWM3よりも断然速くて、シートに押し付けられる力もコッチの方があります...
中間加速も踏み込んだ瞬間にリアタイヤがムズムズしながら物凄い勢いで一気にすっ飛んで行きます(;´Д`)
音も3000回転を越えたあたりから「ドゥルルルルルルルルルルルル!!!!!!!!!」というホンモノのアメリカンチューンドV8の音を響かせながら豪快にレッドゾーンまで回ります。
この加速感...ポルシェ911カレラ4とは全く違う種類の暴力的な加速です(*´ω`*)
カレラ4は回せば回すほど伸びてアクセルとリンクしてスッ飛ぶ感覚ですが、このマスタングは大排気量マルチシリンダーをいかしたトルクの塊とも言える濃密なフィールというか、何処から踏んでもパワーがギッシリと詰まっている感触です。
高回転型エンジンが好きな方には刺さらないかもしれませんが、そこまで高回転型に拘らない方であれば「これもまた面白いなぁ」と思うかなと...
この車にはトルコン6速ATが組み合わされマス。
このATのフィーリングもアメ車そのもので、欧州ハイパフォーマンスカーのキチッとした感は然程ありません。
これもやはり5リッターの大トルクに物言わせてズルズルと行く感覚ですww
でもこのテキトーさというか大らかさはやっぱりアメ車だな...と言える物でした。
2013年モデルからはセレクトシフトと呼ばれる、シーケンシャルモードがつきましたが、この車にとっては正直言ってそんなもの必要ないですw
これはMTモードで走るよりもV8のサウンド響かせながらDレンジでダラダラ走らせるほうが似合ってるし、トルクも半端ないので回さなくとも事足りちゃうんです。
MTモードでびっくりしたのが、3速発進も容易に出来てしまう事でした。
逆に1速発進するとあまりのパワーにリアタイヤがすぐに負けてESPが入りっぱなしになっちゃうので、2速発進が一番安定して速かったです。
キチッとパリッとした感じはあまりないんですが、6速ATなので変速レスポンスは速いです。
乗り心地の方はというと意外にもしっかりとしたもので、欧州ハイパフォーマンスカーに近いものがありました。
現行マスタングの初期型は往年のアメ車らしい直線番長的なキャラでコーナーはそこまで強くなかったんですが、エンジンが5リッター化された2010年モデルからリジットサスだったリアサスにも手が加えられてコーナリングでもそこそこ行けるセッティングになったのでした。
そしてこの2013年モデルからはリジットサスに更に改良が加えられてパフォーマンススタビライザーが追加されて更にリア周りの剛性が増した印象です。
確かに乗ってみるとコーナリングでの安定感や食いつき性が上がってる印象です。
試しに近くの峠..と言うほどじゃないんですが、かなりの攻められる場所を走ってみると、相当な安定性を持っていてもはや欧州ハイパフォーマンス車と完全に肩を並べるものでした。
それと同時に「直線番長」というキャラクターは完全に過去のものになったと言える脚の味付けがなされていました。
リジットサスだから...という逃げ言葉は完全に通用しないというか、言われなければリジットサスとは分からない程のリアの素直さや扱いやすさ、そしてスタビリティが向上しています。
マスタングなのにコーナーを攻めていてとても楽しいんです(*´ω`*)
脚は軽快感というよりも素直に動く方向に振られていて、M3やポルシェみたいにスパスパ切れ込んでいく特性ではないものの、ハンドルを切った分しっかりと曲がるような味付けで全体的にしなやかな印象を受けました。
フロントはフロントで相当にいいセッティングが成されていて、しっかりと踏ん張りつつ突っぱねることのない丁度いい硬さ、粘り感を両立していました。
S字の様に左右に素早く切るシーンでも今までのマスタングじゃ考えられないほど俊敏に頭の向きを積極的に変えてくれます。
鼻先に5リッターもの巨大なV8エンジンを載っけている事をそこまで意識するものではありません。
そしてコーナーの立ち上がりではリアがしっかりと踏ん張ってくれるのでアクセルを一気に踏んでもパワースライド...なんて事もなく5リッターのパワーで鮮烈な立ち上がりを見せてくれます。
でもタイヤが少しでも冷えてたり減ってたらちょっとドリドリ気味になりそうですが(^_^;)
街中では優しい乗り味でした。
ゴツゴツ感など脚の硬い印象は全くと言っていいほどありません。
普通のセダンに乗っているかのような快適性です。
峠で見えたキャラとは全く違ってちょっと戸惑いますwww
街中でもリアのリジットサスのふわふわ感、揺れの収まらなさは全く感じず1発で揺れは収まります。
リジットサスの柔らかさをある程度抑えてはいるものの、完全には抑えずに乗り心地の良さとして少し残してあるので優しい乗り味になっているのかと思います。
フロントもしなやかさ重視でしっかり感を残してはいるものの、いなす方向もしっかりと出来ているので乗っていて心地が良いです( ´ ▽ ` )
今回思いもよらぬ形でフォードの魂、そしてシボレーコルベットと並びアメリカの魂の1つとも言えるマスタングGTの試乗ができましたが、これは欧州勢とは全く違う方向で成長したパフォーマンスカーで「これぞアメリカン!」という仕上がりになっていました。
欧州車に乗っている方はちょっと違和感を感じるとは思いますが、車の実力の高さと心意義は十分伝わると思いますし、これはこれで面白い!!と思ってくれると思います。
日本車のスポーツカーに乗っている人も有り余るパワーに圧倒される部分があって、自分で繰っている感覚は弱いと感じるかもしれませんが、アメリカ流のスポーツカーとはこういうものだ!というのを実感できるんではないかなと思います。
そして変な話、パフォーマンスに対しての値段が破格と言えるぐらい安いのもポイントかなと思いました。
これでメルセデスAMGやBMW M、マセラティやポルシェに対向するのも面白いかもな...と思いました( ´艸`)
そして次期モデルではエンジンがダウンサイジングされるという噂があり、「V8エンジンは無くさないとは思うけどV6ツインターボがトップモデルになって直4ターボがV6と置き換わる」なんて社内では言われてるんですよね...という話を聞きました。
V8のマスタングが欲しかったらこれが最後...ということになりそうです(ノД`)