本日はフォードのディーラーに行きましたヽ(・∀・)ノ
珍し!と思われるかもしれませんが、フォードも繋がりは持っていますw
ディーラーから「新型フィエスタ乗ってみませんか?」と連絡を頂いたので約1年ぶりにフォードに突撃してきましたw
それでは写真をどうぞ!
全体的にシャープな雰囲気を持っていますが、フィエスタは昨年の本国マイナーチェンジで強面になりました。
アストン顔とか言われますが、担当曰く「アストンもフォードグループだからしゃーないw」そうですw
リアも絞られていてかなりスポーティな雰囲気がありますね。
デザインで想像するほど後方視界もリアシートのクリアランスも悪くないです。
日本仕様にはヨーロッパ、アメリカ仕様で言う最上級Titanium仕様のホイール&タイヤを装着しています。
16インチ45タイヤです。
リアにはECOBOOSTのエンブレムも掲げられます。
内装デザインは兄貴分のフォーカスに通じるものです。
質感はこの手のクラスにしちゃかなり高いですヽ(・∀・)ノ
メーターは220km/hスケールで、ブルーの指針が綺麗ですね。
こんな車あったんだ!って方も多いと思われるフォードフィエスタ...存在は知っていても日本に輸入されていることは多くの人は知らないと思います。
実は1か月前から本格的に販売がスタートしました。
日本フォードもやっと重い腰をあげたか...と思うぐらい輸入時期が遅かったのですが、乗ってみると((((;゚Д゚))))
何でこんなにいい車を輸入しなかったんだ!!と思ってしまうほどよくできた車ですΣ(゚д゚lll)
今回輸入されたのはエコブーストと呼ばれる、フォードが環境対応エンジンとして売り出している過給器付きエンジン車です。
排気量は僅か1リッター...そして3気筒。
排気量は5.4リッタースーパーチャージャーだ7リッターだ、V8こそ至高!!なイメージの強いアメ車では考えられないエンジンを積んだ車です。
でもフォードと一口に言っても本国のフォードモーターカンパニー、フォードヨーロッパ、フォードオーストラリアと各市場に別メーカーと言わんばかりの力を持ったグループがあります。
10年ほど前まではフェスティバやレーザーといった、マツダ開発の車を販売していた日本フォードというのもありましたね。
このフィエスタはフォードヨーロッパで開発設計された車で、フォーカスやモンデオといった隠れ名車揃いの軍団が作った車です。
エンジンは1リッター直列3気筒直噴ターボエンジンを搭載しています。
最高出力100psを6000回転で、最大トルク17.3kgmを1400~4000回転で発生させ続けるものです。
数値上では平均的な1.3や1.5の中間ぐらいです。
トルクは17.3kgmとちょっと多いぐらい...でも発生回転数が低いのと3発というトルクに特化できるという特徴があります。
実際乗ってみると、アクセルひと踏みでこのエンジンの凄さがわかります。
全く1リッターのエンジンだとは信じられない位パンチがあってトルクフルなのです((((;゚Д゚))))
普通に加速したつもりなのに、パパッと前に出てしまい予想以上にスピードに乗ってしまいますヽ(´Д`;)ノ
1400回転からフルブーストという特性なのですが、アイドリング直後から与圧を掛けているので出だしのトルク不足も感じません。
街中では煽り抜きでパワフルすぎる...というぐらいで過給器付きとは言っても1リッターのパフォーマンスではありません。
低回転トルクが物凄い厚いので、街中では2000回転以上上がるシーンはほぼ皆無です。
発進の1速で2500回転、それ以降は2000回転差し掛かる寸前で変速されていき、巡航では1200回転前後で...というのが殆どでした。
巡航状態からスピードを上げる時もほんのちょっとだけ踏み足すだけでシフトダウンなしにグイーっとかなり力強い加速が得られてしまうのです(;゚Д゚)
さらに驚いたのが、1リッターの過給エンジンであるのにモタ付き感が全くない...ターボラグが一切ないという完全に過給器付きダウンサイジングエンジンの中では異次元の出来なのです((((;゚Д゚))))
与圧をかけていることもあってか、フルブーストで最大トルクを出す1400回転手前からも力強くてVWなどの1.2TSIよりも極低回転域での扱いやすさというのがあります!!
VWのTSIが最近低回転のドライバビリティの確保とトルクの出し方がスムーズになってきたなぁ...と思ってきましたが、この1.0エコブーストはその上を行くスムーズさで、とても過給をかけてパワーを出しているエンジンだとは思えないものです。
何も言わなければ完全にNAエンジンみたいなフィーリングで、言われてもホントに1.0ターボなのかと信じられないレベルです(´Д`;)
一応100psということですが体感上は150psを優に超えるモノで、排気量も2.5~3リッタークラスのクルマに乗っているんじゃないかと思えてしまう位の低回転域での豊満なトルクとスムーズに出てくるパワー感は素晴らしい!!の一言に尽きますね(*゚▽゚*)
高速の合流も3000回転以下を上手く使ってグイグイ加速してくれます(*´д`*)
その時のアクセル踏み込み量も半分も踏んでいない..といった具合で、それでも「何とかスピードを上げている」ではなく「これ以上踏むと逆にスピードが出すぎる」という感じのパワフルさなのです...
料金所ダッシュも3リッタークラスに楽々ついていけて、周りの流れに乗るのが精一杯...ではなく一気に追い越し車線に躍り出ることも容易いです。
そして3気筒ということもあり振動や音に関しても心配な点がありましたが、これもまた今までの3気筒の概念を覆すぐらい静かなのですヽ(´Д`;)ノ
アイドリング時は同クラス4気筒エンジンよりも振動は押さえ込まれています!!
音は同クラス車と同等の静粛性です。
NAとターボの違いはあれど、同じ3気筒を搭載するVW up!よりも静かで振動はしない...
通常走行域でも安っぽい音は一切しません。
むしろ1.3や1.5の4気筒よりも重厚な音がするぐらいです(´∀`;)
ちょっと多めにアクセル踏んで回し気味にしてもフィーリングのガサツな感じは一切見せてきません。
変わり種過給器エンジンではフィアットの2気筒875ccツインエアーターボがあり、バランサーシャフトなどで3気筒よりも低振動であることが特徴ですが、周期的にブルン...ブルン..という遠心力で出てしまう振動があるのに対し、これはほぼ無振動...しかも3気筒なのに((((;゚Д゚))))
車に慣れたので一通りフル加速も試みました。
Dレンジで発進フル加速をしてみようとして停止状態から一気に床まで踏み込むとトラコンが作動して一瞬出力を絞らないと安定しないぐらいのパワーなのです...
安定したかと思ったらうおぉ...なかなか速ぇ...とちょっと感動するぐらいの加速感です(*゚▽゚*)
4500回転までのピックアップは異常な位軽くてパワーもあります。
そこからレッドゾーンまではダウンサイジングらしくどんどん萎えていきますが、上の回転の伸びもまぁ悪くないかなですね。
でも上まで回してもそんなに美味しくはないので5000回転目安でシフトボタン使ってシフトアップさせるといつまでもパワフルでストレスが全くない加速を味わえます(*´д`*)
中間加速も巡航状態から踏んだ瞬間、一気に回転が上がるというよりは一段落として低中回転からグワーっと上げていくようなもので、シートにしっかりGを感じるぐらいの加速をしてきます((((;゚Д゚))))
もう乗れば乗るほど、小さいエンジンのどこからこんなパワーが出てくるのか!!と不思議でたまりません。
この車にはパワーシフトと呼ばれるゲトラグ製6速ツインクラッチセミATが搭載されます。
このミッションもまた衝撃の出来でありました。
まず、ブレーキをリリースした瞬間にクリープを自然に作り出してくれるというところです。
実際にはクリープでなく、制御で半クラにして進む物なんですがこれはトルコン並みに自然に出ます。
DSGの1.2クラスではエンジントルクが少なくてこの状態を作り出せない、作り出せてもブレーキをリリースしてちょっと経ってから苦しいながらもごく僅か出るか...といった具合なのですがこれは離した瞬間にスルスルっと自然に前に進みます。
そして低速マナーも物凄くよくできたもので、ポロの7速DSGよりも20km/h以下での低速域はスムーズに徐行できてしまいます.....
変速レスポンスもDSGみたいな一瞬で変速するというよりは、レスポンスのいいATという感じでシフトスピードよりも扱いやすさを重視しているものでした。
でも常時直結ミッションなので、スロットルレスポンスは最高です。
常用域ではパワーのあるエンジンと相まって本当に思い通りにストレスなく走れます。
ターボラグもなければミッションの駆動ロスも無いので右足と直結しているかのようなレスポンスの良さです(*゚▽゚*)
そしてDレンジでもDSGのようにアクセルを多めに踏んでも燃料を使わないでロックアップで粘る...ってことをあまりしないので、多めにアクセルを踏めばそのまま1速落ちて爽快な加速感をすぐに持ってきます。
Sレンジでは回し気味になり、さらにパワフルで元気に走れるものですヽ(´▽`)/
正直Sレンジで走ると上り坂でも2リッターや3リッターの車に余裕でついていける...というぐらいのトルクとパワーが乗っているレンジを多用するので、踏めばドーンと気持ちのいい位に鋭い加速を見せてくれます。
そしてシフトスピードも速くなるので、かなり小気味いい走りができてしまうという...
唯一残念な点があるとしたら、シーケンシャルモードが使いづらいといったところでしょうか。
これはパドルもなければゲート式でもありません。
シフトノブの横に小さな-+ボタンがあり、そこで変速するシステムですが、これが使いづらくて...
なのでSで走ってもシーケンシャルに入れる事はほとんどなかったです。
せめてゲート式に変えてもらいたいなぁ...と思ってしまいました。
聞けばトルコンAT大国でセミATのギクシャクを最も嫌うアメリカ人を納得させるために相当苦労したらしい...という事でしたがそれは伊達ではなく、日本人が乗ってもセミATだと気づく人は皆無かと思います。
変速とアクセルレスポンスのキレの良さと言う良い部分で違うと気づくかもしれませんが、少なくとも悪い部分では気づく人はいないかと思います。
VWはゴルフやパサートなど、日本と欧州ではDSG搭載車種もUS市場向けでは普通のトルコン6速ATを使っているんです。
VWですらUS市場専用でわざわざトルコンを使う中、フォードはアメリカ本国でもツインクラッチセミATを採用してきたということは耐久性含めて相当な自信の表れだと思います。
これでパドルかゲート式シーケンシャルが付けばDSGも危うい立ち位置になってしまいかねない出来を誇るミッションでした。
現時点でスムーズさや扱い易さといった観点ではダウンサイジング+セミATの組み合わせでVWを超えている。これだけは言えます。
乗り心地はちょっと硬めというか、スムーズさを重視する前の剛健なドイツ車的な味がまだ残っている物でした。
跳ねるほど硬くはないものの、ちょっとゴツゴツ感が強めでスポーツグレードかな?と思うぐらいですね。
でもスプリングの硬さではなくダンパーチューンがしっかりしているので、ゴツゴツ来ても揺すられ感はしないものです。
かなり路面が荒れたところもかなりのスピードで通過したり、逆にゆっくり目に通過したりしましたが脚がしっかり仕事している感があり入力に対してバタバタしてしまうといったことは一切ありませんでした。
硬いのに包容力がかなりあるという、ちょっと前の欧州車テイストがまだ残っているものです。
そしてこれがコンパクトカーか?というぐらいの高速安定性があるのもこの車の特徴です。
高速道路をかなりのペースで走っても、風にも煽られないし路面の継ぎ目が大きめな所を走ってもハンドルが全く取られない、ずーっと真っすぐ走っていられて車の大きさと精神的な大きさの安心感がリンクしません。
安定性といった意味では2クラスぐらい上のFF車以上にビシッとしているなぁ...と思ってしまうぐらい楽に走れてしまいます。
例えばですが、4人乗車して高速走ってもまったく頼り無さは感じないチューニングですね。
ちょっと走れるところに行ってみましたが、この車の真骨頂はやはりこういうところなんだなと思ってしまうぐらい愉しく走れてしまいます(*´д`*)
街中でちょっと硬めに感じた乗り心地はこういうところではホントに光りますね。
高速走行で感じた絶大な安定性はコーナーが連続するようなところでも生きており、かといって重さを感じないもので、このクラス特有のキビキビ感も持ち合わせているという贅沢さなのですヽ(・∀・)ノ
硬めではあるものの決して路面から浮かない4輪がしっかりと踏ん張っている感覚が手に取るように分かるもので、攻めている最中も怖いと微塵も感じません。
日本車コンパクトならもう限界の速度で突っ込んでいっても顔色ひとつ変えずビターっと踏ん張っていて、それどころかあと+何km/hでも行けるっぽいな...とさえ思ってしまうほどのスタビリティを持っています。
車は一切ネを上げません...
この車のカーブに差し掛かってハンドルを切ればいい感じにスパっと切れ込んでいき、そこからは安定性を持ってコーナーをパスして狙い通りのラインで脱出していくという一連の流れは一度でも体感すると病みつきになってしまいますよ(*´д`*)
そして好感触だったのがパワステのチューニングです。
低速でも高速でも割と重めのアシストなのですが、そのチューニングも絶妙で中立付近では反発感をちょっと強めに残してステアリング操作が綺麗に決まるようにセッティングされています。
そして路面状況をいい具合に伝えてくるので、車の状況もつかみやすいものです。
一応電動パワステなのですが、S字などの切り返しやハンドルを切っていくときのアシスト感は完全に油圧パワステ並みの自然さで、反力感も一定だし何よりも全てにおいて正確で適切です。
楽さを追い求めて軽く軽くなっていった剛性感皆無のフラフラパワステとは真逆のものですね。
乗り心地で気になったことといえば、純正装着タイヤの雑な感じでしたね。
フィエスタの純正タイヤはハンコックを履いていましたが、通常域でのロードノイズの拾い方などは大丈夫なのですがちょっとでも路面の荒れたところを走るとガァー!っと呻ります。
車そのものの遮音性の問題ではなく、遠くの方でガーガーうるさかったのでタイヤかなぁ...と思いました。
フィエスタ買ったらまずはタイヤをBSかコンチネンタルに変えるかなぁ。と言う感じですね。
車の動き方のフィーリングはフォーカス=アクセラ、モンデオ=アテンザと同様、フィエスタ=デミオスポルトに近いなぁ...というかZOOM-ZOOM時代真っ只中のマツダっぽいと思いました。
フィエスタはデミオのシャシーをベースに作られているので似ている部分はあるのかもしれませんね。
欧州フォード⇔マツダというのは直接的ではなくとも、こうしてまだ続いているのかも。
欧州フォード車はデフロスターの代わりにフロントガラスにも熱線を使っています。
その熱線も至近距離でじっくり見ないと分からないぐらい細かくなって、光の反射でもわかりにくいようにウェーブ状になっているので運転していて気になるってことはありませんでした。
気になる点といえば、ナビがどうしても入れられないと言ったところでしょうか。
メーカーでもナビを用意していないようでいま現状はPNDかスマホ替わりしかないようです。
まぁ...オーディオスイッチ部分がソニーのシステムで構築されてしまって、しかもコンパクトにまとめられているのでナビを入れるスペースもないし、上もオンボードコンピューターがあるのでそれを取っぱらうわけにも行かないなぁ...
このクラスのコンパクトにしては珍しくも8スピーカー搭載で音質は弄らなくても普通に使う分には満足!!だったので惜しいなぁと思います。
試乗から帰ってきてまず思ったことは、コイツはとんでもない奴に乗ってしまった!!ということでした(*´д`*)
そして予想外すぎる超大物でありました。
車全体の出来の良さや煮詰め方はこのクラスのFF2ボックスの教科書ともいえるVWポロを超えてしまった!?と冗談抜きで思います。
Bセグハッチを考えている人、特にポロなどを考えている人はフィエスタには絶対に一度は乗ってみていただきたいと思います。
個人的には全ての点でポロ1.2TSIを超えたと言ってもいいです。
他のメーカーのBセグコンパクトやCセグに乗っている人、ダウンサイジングターボの低回転域に疑問を持っている人、所詮フォードだろ?と思っている人にホントに乗ってみてもらいたい車です。
走りの質感、エンジンのドライバビリティ、セミATの制御の巧さすべての点においてびっくりする程綺麗に作られていて雑な部分が一切ない。
日本ではほとんど知られてはいませんが、ヨーロッパではポロやゴルフよりもフィエスタやフォーカスの方が売れているのです。
このフィエスタに乗るとそれが本当のことなんだと嫌でも思い知らされます。
しかし、いまの日本におけるフォードの販売網は本当に弱いものです。1県に1店舗あるかどうかと言ったレベルまでになってしまいました。
そしてインポーターも体力がないのかフィエスタのPRをそこまで大々的に行っていません。
例え見つけてもあぁ、フォードね。ぐらいでしか見てもらえないのが実情です。
これもまたモンデオのように隠れ名車となってしまう現実にあります。それは実にもったいない事であると思います。
販売網をしっかりさせてPRも上手くできれば...
そして日本では欧州のフィエスタ、アメリカ本国のシンボルであるマスタング5.0GTが同じ店頭に並んでいてクルマ作りのスタンスが180度違うクルマが同じ看板の下にいる..でも両方ともしっかりとした世界観を確立している、これは非常に興味深い事です。
そして両方潰しあわず共存できているのも凄いことだなぁ...と思います。
フォード日本も元気を取り戻してきて、昨年のフォーカス、クーガ、今回のフィエスタと徐々に欧州フォードからのラインナップも揃えてきています。
私はまだフォーカスとクーガは事情が合わずに乗っていませんが、これからは注意深く見ていくべきメーカーなのかもしれません。