
本日はマツダのディーラーに行きました(*´ω`*)
実家放置の初代アテンザ23Sを点検に出しに行ったのですが、さすが決算期最終週..平日で予約入れてたのにかなりの混み具合でした。
しかも駆動系の至る所に経年劣化が見られて、足回りはちょっと時間掛けて看たいと言われましてヽ(´Д`;)ノ
「これ貸すから今日1日高速でも峠でもテキトーに走ってきちゃって」と担当に言われて「これ」ってまさか...
新型アテンザでした(*゚∀゚*)
まずは写真をどうぞ!!
最近のマツダの顔って相当迫力ありますね...
これの横にいる青いのが家の23Sデスww
試乗車はセダンでした。
このセダンがまた最高にカッコイイんです(*´ω`*)
リアデザインは何となくですが、90年代のマツダ車の面影が感じられます。
新型のセダンはUS仕様と統合されてボディが大型化しました。
全長4865mm全幅1840mm全高1450mmと、高さ以外はMPVとほぼ同じという...
このクーペみたいに伸びやかなライン見ると大きさも許せますが、かつてのカペラがミレーニアやルーチェ、センティアのクラスに格上げされるなんて、Zoom-Zoom戦略が始まりカペラからアテンザに改名された11年前は想像も付きませんでしたね。
それにしても...このデザインなら欧州車はもう必要無(ry
マツダの新世代技術の総称であるスカイアクティブのエンブレムもしっかりと掲げられています。
試乗車は19インチという大径ホイールが履かされていました。
内装の質感も完全に欧州車クラスの物です。
試乗車はディーゼルターボでした。
シートの出来も素晴らしくて日本車もこんなしっかりした掛け心地のシート作れるんだな...と感心しました
今回はもう1台実家に放置してあるMPVの2.3リッター直噴ガソリンターボ仕様と、アテンザとほぼ同じキャラのディーゼルスポーツセダンのBMW320dとの比較も若干交えながらレポしたいと思います。
エンジンを始動させると外ではやはり、カラカラカラ...というディーゼル特有の音は聞こえてしまいます。
BMWのディーゼルみたいにゴロゴロゴロ...と低く篭る音ではなくて、軽いカラカラ音でした。
でも中に入ってドアを閉めてしまえばガソリン車とほぼ変わらぬ静粛性です。
MPVのガソリンターボよりもアイドリングが静かじゃないか...www
アイドリングの静かさというか振動はBMWよりも抑えられている印象です。
気を取り直して発進してみると良い意味で何これ?(;´д`)といった感じです。
もうディーゼルと言われても信じられないほどスムーズでパワフルな印象です。
今回マツダが新開発したSKYACTIV-D 2.2と言われる2.2リッター直噴4気筒ツインターボディーゼルは、恐らく皆様ご存知のとおり圧縮比をディーゼルとしては異様に低い14:1を実現した物です。
ディーゼルエンジンで圧縮比を下げると圧縮圧力不足による失火や出力低下や着火性の不良によるディーゼルノックが起きるはずなんですが、インジェクターの改良により始動性の確保やノッキングの抑止を実現した物です。
圧縮比を低めるということはガソリンエンジンに近い特性を持つということであり、このエンジンはシリンダーブロックをアルミにする事も可能になりました。
それによりディーゼルでは信じられないほどのスムーズな特性を得ました。
そしてパワーもガソリン車並みにあります。
最高出力175psを4500回転で発生させて、最大トルク42.8kgmを2000回転から発生させる物となります。
出力はマツダがスカイアクティブの前に主力として使っていたMZR2.3リッターNAのハイオク仕様並み、トルクはマツスピアテンザやアクセラ、MPVに使っているMZR2.3リッターDISIターボよりも4~5kgm高い物となります...
これで遅い訳がありません(^-^;
街中では余裕の塊とも言えるぐらい余裕綽々で、アクセルに力を入れるって事はどんなシーンでも全くありません。
動き出しもかなり軽いので発進時のアクセルの踏み込み量も本当にごく僅かです。
街中域で周りの流れに合わせた加速ではアクセルを4分の1も踏んでいないのに周りの流れにスッと乗ることができます。
しかもノロノロ加速ではなく、流れの速いバイパスの流れに乗る加速のしかたです。
高速の合流などの40km/hぐらいから100km/hないし120km/hまで加速していく際も3分の1も踏んでいれば伸びやかにスーッと加速していきます。頭打ち感などは全く感じません。
上り勾配の強い坂道でも持ち前のトルクを活かして坂道であることを忘れてしまうほどの粘り強さとパワーを持っています。
アクセルの踏み量も然程変わっていないのに平坦な道と同じように加速させていきます...
そして高速の巡航ではディーゼルの静粛性を活かして本当に静かで落ち着いたクルージングができます。
追い越しを掛ける際も右足首をちょっと動かすだけで欲しいと思った分の加速がいとも簡単に得られてしまいます。
ディーゼルのトルクを活かしてスムーズに..なおかつパワフルに走る感覚は病みつきになりかねないですww
そして吹け上がりもかなりスムーズで滑らかなのでディーゼルに乗っているというのを意識しません。
BMWの2リッターディーゼルはディーゼル特有の重みがあるのに対し、このエンジンはそういったものがほとんどありません。
全開加速はどんな感じだろう...と気になったので発進と中間追い越し加速の両方を試しました。
いろんな意味で衝撃でした...
吹け上がりがディーゼルとしては考えられないほど軽いのです...
よく回るなぁと思った、320d用のBMWのディーゼルでも4800回転以降は頭打ちになる傾向ですが、このエンジンはレッドゾーンのある5200回転まで一気に吹け上がります。
1速2速では吹け上がりが良すぎて回転リミッターの5500回転まで回ってしまうほどです。
ガソリンNAエンジンみたいに回るターボディーゼルってあるんだなぁ...と感激しました。
高回転の吹け上がりの良さといった意味では、2.3のDISIターボよりも気持ち良く吹ける印象です。
この吹け上がりの良さは悔しいなぁ...
試乗後に聞いた話なんですが、開発段階の回転リミッターが付いていない状態では6000回転オーバーまで軽々回ったらしいです(驚
速さも相当なもので、マツスピアテンザ並...とは行かないものの、やはりMPVより速い...
アクセル踏み込んだ瞬間に一気にドカーン!!とトルクが襲ってくるような感覚で、体感的には230psクラスと言われてもおかしくは無い加速Gと共に一気にスピードを載せていきます。
全開発進ではあまりの強大なトルクのおかげで、直進状態でありながら若干のトルクステアを感じるほどのパワーです...
上での伸びがかなり良い分、BMWの320dよりも断然速いです((((;゚Д゚))))
中間加速も高速の合流で40km/hぐらいから一気に全開にしてみましたが、ターボラグもなく踏んだ瞬間にウォォォォ...と思わずビビってしまうほどの出足の鋭さです...
恐らくRX-8のタイプSや後期型RSに乗っている人もフィーリングは別として単に「速さ」だけであれば納得行くものだと思います。
トルクの立ち上がりも2.3DISIターボよりも速いもので、アクセルを踏んだ瞬間に過給が掛かる感じで一気に高回転まで行くので、感覚的には4.5リッタークラスの高回転型エンジンに乗ってるようなものです。
でも改善して欲しいかもな...と思う部分もありました。
緩くアクセルを踏んでいけばまったく症状は出ないのですが、アイドリングからハーフスロットルから上の踏力で踏んでいくと3000回転を境目に「グワッ」とトルクの変動を感じます。
ドッカンターボ的な感覚が少なからずあります。
このエンジンのターボは、今のマツダでは「2ステージターボ」と言っていて、低回転域では小型高圧ターボを回し高回転域では大型低圧ターボで過給する物です。
所謂、昔の言い方で言うシーケンシャルツインターボです。
そのタービンの切り替え時期が3000~3500回転だと思うのですが、切り替え時にトルク変動が感じられます。
でも、間違いなくこのスカイアクティブ2.2ディーゼルは静粛性や燃費そしてフィーリングは現段階において世界最高のターボディーゼルだと自信を持って言えます。
この車にはマツダ渾身とも言える新開発6速トルコンATが組み合わせられています。
通常のATのトルクコンバーター部に湿式多板クラッチを組み込み、ツインクラッチセミAT並の変速スピードとレスポンス、低速域でのトルコンATならではのスムーズな走行性を両立したという物ですがこれも凄い...
トルコンといってもほとんどセミATに近いトランスミッションですが、これも悔しいぐらい良く出来たATでした(*´ω`*)
このATはトルクコンバーターを使う領域は発進時の一瞬のみで、あとは全段全域ロックアップさせてしまい、ダイレクトに駆動力が繋がるようになっています。
走行感覚もトルコンというよりもセミATに限りなく近いものです。
通常のATはアクセルを踏むとちょっと多めに回転が上がり、実加速がそれについてくる滑りのある感覚ですが、これはアクセルを踏んだら滑りも一切なく踏んだ分しか回転が上がらず実加速もアクセルにリンクしたものです。
変速スピードもセミAT並みに早いもので、パドル操作で変速しているとついつい攻めがちになってしまいます(^-^;
今までのマツダ車のMTモードの泣き所だった操作から実変速までのラグも完全に無くなっていて、思い通りにシフトできるようになったのは嬉しいところでした。
全段ロックアップだとレスポンスもいいし、高速や街中での巡航時のちょい踏み加速でも不必要に回転が上がることがないので燃費にもいい...
MPVやCX-7に使っていたアイシン製の横置き6速ATも変速スピードは割と早い方ですが、ロックアップするのは4速からで反応もスカイアクティブATと比べてしまうとどうしてもルーズに感じてしまいます...
何よりもMTモードでの反応スピードが全く違います。
BMWは全面的に8速AT採用でロスを極限まで減らしているし、ランドローバーはついに横置きユニット用の9速ATを最近発表しました。
多段化によってレスポンスと駆動ロスを極限まで減らすという手法も確かにアリだと思います。
対してこのスカイアクティブATは6速ですが、クラッチ制御を改善することで極限までレスポンスを良くしてロスを減らしています。
乗り心地の方はこれもまた日本車最強レベルのしなやかな脚を持った素晴らしいものでした(*゚∀゚*)
元々マツダは大径ホイールを履かせた車のセッティングは上手い方でしたが、今回の19インチは流石にマズイんじゃない?と思っていましたが、余計な心配でした。
19インチの45タイヤを履かせておきながらゴツゴツ感というのはほとんど感じません。
最初にお店から出るときの段差で硬いのを覚悟してたのですが、ドスン..ドスン..通過音のみで実際に伝わってくる感覚というのは優しい振動だけでした。
街中を走っていても揺すられ感やあたりの硬さを意識することが全くなくて、これ何インチ履いてたっけか?って言うほどしなやかな脚なのです。
意地悪にも工事中のかなり荒れた路面の所を何回か走りもしましたが、不快な揺れやバタつき感というのは全く感じませんでした。
轍のひどい幹線道路を走ってもハンドルの取られ感は全く感じませんでした。
高速道路ではビシッとした直進性で、ホイールベースもかなり長いのでレーンチェンジを繰り返しても不安定になることやちょっと怖いなぁ...と思うことっていうのは全く感じなかったです((((;゚Д゚))))
Rのキツいカーブが連続してちょっと怖い首都高4号線を割とハイペースで走っても全く不安にならなかったです。
高速ではホイールベースの長さが効いている感覚でした。
ワインディングに持っていくと、やっぱマツダ車だ(*´ω`*)と安心出来る物でした。
実は内心ロングホイールベースになってアテンザらしさが無くなったんじゃないかと心配していましたが、これも余計な心配でした。
ハンドルを切ればスッと素直に向きを変えてくれるし、車の挙動や癖もつかみやすい物です。
攻めていて気づいたのは、ある程度ロールも容認しているという事でした。
カタログの言い分では「何より大切にしたのがドライバーとの一体感」という事ですが、確かに独特のリズム感というかロードスターみたいに狙った通りのラインを踏みながら、ひらひら~っと軽快にコーナーを曲がれるんです。
絶対的な重量はあるものの、フィーリングはロードスターに近いものがありました。
でもトレッドは広いし、ホイールベースも長いのでロールしても怖くないんです。
さらにロールしていてもしっかりと粘る特性は変わっていないので絶対的な限界性能もかなり高い物です。
正直言って、FFスポーツセダンとは言えそこまでの性能が必要なの?というほどの限界の高さです。
でも2代目までのアテンザやアクセラにあったようなハンドル切った瞬間に思いっきりスパスパ行けるFFスポーツ的な切れ味というのは薄れているかなぁ...と感じました。
全体的にしっとり感を前面に押し出したもので、FRとほぼ遜色ない走りの質を持たせた様な感じです。
前に代車で借りたアクセラのスカイアクティブもそういった傾向の味付けだったので、Zoom-Zoom全盛期からスカイアクティブに移行して足回りの味付けも変化しているのかなぁ...と思いました。
欧州メーカーで例えるなら、BMW的な味付けからアウディ的な味付けに変わりつつあるといった感じです。
安全装備も結構凄いのが入ってました。
前車追従機能付きクルコン+スマートブレーキサポートの威力は凄かったです。
スマートブレーキサポートというのは、簡単に言えばマツダ版アイサイトなのですが、すごいのはミリ波レーダーを用いて200m先の障害物も検知して時速100km/h以上でもブレーキサポートをしてくれるもので、クルコン設定でボケーっとしながら走ってて急に遅い車に割り込まれた時や何らかの理由で前走車が急に停止をした時も被害軽減もしくは回避するシステムです。
実際に高速で車線変更しそうな遅い前走車に割り込ませて作動するかどうか試しましたが本当に効くんですね...
聞けばアウトバーンでも作動できるように、160km/h以上の速度域でも反応できるシステムだとか...
そして30km/h以内では前方6mまでを検知するステレオカメラに切り替わります。
雨や霧などの悪天候、夜などのステレオカメラでは検知が難しい時は30km/h以内でもレーダー波を使うらしいです。
参考までに燃費もちょっと...今回は210kmほど走りました。
満タン法で走ったら消費量がざっと14ℓ...つーことはリッター15km走ってます。
高速ゆったり流す区間もありましたが、市街地渋滞はまったりワインディングで思いっきり踏んだりもしてこれ...意外と実燃費も良いですね...MPVでこれやったらリッター4.7とか4.9の世界なのに...(ノД`)
今回のアテンザはマツダの技術屋魂が爆発した車といってもイイかなと思います。
初代と2代目アテンザを知る身としては「マツダのミドルサイズ」から「マツダのフラッグシップ」に成長したことに嬉しさもあり、どこか置いてけぼり感を感じて寂しさを感じる面もあり...
店に戻るまでにすっかり虜になってしまった訳ですが...
どんなにエコでもつまんなかったら車として意味を成さない。踏んで速くてフィーリングも楽しいしコーナーを駆け抜けても楽しい..それでお財布に優しかったら尚更嬉しい...この車はそういう車です。
うん...これは欲しいなぁ(*´ω`*)
でも売れないのがこの手の車の宿命であり、マツダの宿命でもあるんですよね...
担当も「どのクラスの車種でも、メーカーにこだわりが無くて何車種か検討している人は最初に無難にトヨタか日産、ホンダに行っちゃってそこで決められちゃう。そうなるとウチには観にも来ないんだよね。マツダは乗ればどれも良い車なんだけど、どこかマニアなメーカーって認識もあるから難しいんよね(T_T;) でも今回のアテンザは絶対に一度はハンドルを握ってもらいたい車」と漏らしていました。
確かに日本車でここまでやるとは信じられないし、開発者や技術者の意気込みをここまで感じる車はそうそう無い事だと思います。
私が言っても説得力ないですが、この車は乗ったら凄さが分かります!
マツダ好きは確実に心に刺さると思いますし、欧州車に乗ってる人は日本車もまだ捨てたもんじゃないと見直してくれるかなと思います。
我が家の3代目、遠出用のアシは絶対欧州車と思ってましたが、このアテンザ乗ってから欧州車でもイイかなと思いました(^_^;
来月はMPVの3回目の車検なんだよなぁ...
「次はアテンザワゴンの20Sか25S用意して待ってますんで!」って自信満々に言ってたけど、ある意味怖くて乗りたくないなぁ(ォィ