エンジン載せ換え Part3(めぐりあい宇宙編)
1
パート2の続きです。
ベルハウジングの品違いでやむなく作業中断ですが、それでもやることはたくさんあります。
ポンテエンジン用の補機類のブラケットは、当時(今も?)最大手のYear Oneというレストアパーツショップにもありませんでした。
Summitというレーシングパーツショップにはいくつか汎用のブラケットがありますが、まずそのまま付けられるものはありませんでしたので、使えそうなベーシックなものをベースに、アルミパイプ、鉄板などを加工し組み付けています。
ベルト長はあとで注文時に悩みたくないので、思い切って古いオールズ用であわせています。
何より大変なのはベルトラインを正確にだすことでした。加工パーツで正確に作っても(つもりでも)僅かな誤差で補機の取り付け角度が変わり、見た目でベルトが曲がってしまいます。
また、他との干渉も考えながら、重たい補機を抑えながらの測定・制作なので何度も作り直しました。
2
ダイナモの下の三角のブラケットが自作です。パワステのブラケットももちろん自作です。なんとかこんな感じで付いています。
ちなみにクランクダンパーは”Fluidumper"というシリコン注入のものです。
ラジエターファンは純正を磨いて塗装したものです。
3
当然、燃料のラインも引き直しです(画像は完成後です)。
この時点では純正タイプのハイレートポンプでしたが、後にタンクそばに電磁ポンプに変えています。
理由は、どうもエンジンが温まると燃圧計が安定せず、調べるとガラスフィルターの中でパーコレーションを起こしていました。どうやら、ポンプそのものも熱で送れなくなっているようで、ポンプ手前でもパーコレーションが起きていたようです。
よってラインを新規で引き、電磁ポンプにしました。
もう一つのゲージはバキュームゲージです。一応、キャブセッティング用…
ちなみにこの写真でお気づきの方もいらっしゃると思いますが、シェイカーフードスクープのロゴ ”RAM AIR Ⅵ"なんです(自作)
純正の”TRANS AM”の文字デザインでカッティング切り抜きで作ったのですが、あえてⅣ(4)ではなくⅥ(6)です。
理由は、ポンテの歴史の中で、市販されたのがⅣまで、後にレースエンジンでⅤが存在していたそうです。その上を行くという意味でⅥにしました。
4
オイルフィルターもヘッダース(タコ足)のせいで助手席側ファイヤーウォール付近に移動しています。
オイルクーラーのラインも引き、バンパー内にオイルクーラーを設置しています。。
また、ヘッドカバーがでかすぎてマスターバッグとエバポボックスに当たるので、ロープロフィールに交換しました(写真はハイプロフィールです)
ちなみにエバポボックスは作り直し、ブロアーモーターしかついていません(エアコンレス)。ヒータコアはついています。
ワイパーモーターやマスターバッグは塗装しています…
アイドルがバラけて負圧が安定しないとマスターバッグが正確に作用しないので、バキュームタンクをつけてチェックバルブで溜め込むようにしています。
5
やっとベルハウジングが届き、ミッションがくっつきました。
ミッションメンバーは当然合わないので、エンジンの角度やフロアトンネルとの干渉、プロペラシャフト角度などを考えながら高さを決め、ブラケットを加工します。
純正のメンバーのミッション受け部分を切り離し、適切な位置に溶接、フレームへの取り付け位置も変更しています。
クラッチも組んで、再度ミッションを組み付けると、ここで問題が…
詳しくは整備手帳の6M/T化に記載していますので、気になる方はそちらをご覧下さい。
プロペラシャフトのスプライン部分もオートマ用とで違うので、スパイダー部分から変更しています。この時スパイダーも強化タイプに変更しました(棒高跳びはしたくないので…)
ミッションの位置が決まったら、フロアーにシフターの穴を開けます。
スライド式のシフターなのでスライドの分大きめに開けなくてはいけません。
並行してクラッチのリンケージもつないでいきます。やはり、ロッド長さなどが合いませんが、もういちいち文句も言わなくなってきます…
6
ほぼまとまってきたので、つぎはマフラーです。
タコ足出口は3.5インチ、パイプは2.5インチですので、レデューサーで合わせています。
サイレンサーは当初フローマスターでした。後にあまりにもうるさいのでHookerに変えましたが、あまり変わらないような…。
ロールゲージと同じく、一応差し込んでつながる形のパイプが数本…車種別専用品だそうですが…合わす前から加工が必要なことがわかります。
継ぎ目は3角フランジを溶接、曲げ角度も絞ってみたり、吊りブラケットを溶接したり…
アメリカ人で車をいじる人はみんな溶接機持っているんですかね…
画像は仮組みなのでちょっと太鼓が曲がっています(^^;)
後に3インチのパイプで全て作り直しています…
ちなみにデフカバー中央の凹みはスタビライザーが当たったあとです(^^;)
これも一応車種別専用品ですよ…。リングギヤに当たらなかったからいいようなものの…
7
エアクリボックス(中央赤)も純正加工です。キャブレターが大きくなり、インマニも高くなったので、実際かなり大幅な加工しています。
海外のトランザムのエンジン載せ換え車など見ると、中央のシェイカーフードスクープは、ボンネットにリベットどめして、キャブに直接エアクリーナーをつけているのが多いですが、自分のこだわりで、エンジン側に設置しました。
一応、ラムエアー時代のトランザムのうんちくはの”走行中に圧縮されたフロントガラス付近の空気をキャブに取り込む”的な話だったと思いますが、だったら前に向けたほうが良い気もします…
ちなみに、自分のは、既に完全にダミー化されたもので、吸い口すらありませんでした。
ラムエアーを堪能すべく、運転席側をくり抜き、アルミ板でフラップを作り、アクセルを踏むと負圧で開くようにしました。
フル加速時にフラップが開くさまが運転席から見えるので、なかなかおもしろかったですよ(だったら、吸気抵抗となるので、フラップいらないじゃん、というのは抜きで)。
8
ほかにもいろいろな障壁がありましたが、なんとかすべての問題をクリアし完成です。
エアクリボックスは赤が目立ちすぎだったので黒に塗り直しています。
水とオイルを入れ、燃料を回し、クランキング…バッテリーが上がっています(ーー;)
そりゃそうです、降ろしてからここまで、どれだけの月日が流れたことか…
充電器をつないでブーストして、再びクランキング…。
なかなか掛かりません。
当然、レースキャブなのでチョークもありませんから、かぶらせないように、アクセル煽って、クランキングします。
次の瞬間、
バラン!
一瞬爆発したのか、マフラーつなぎ忘れたかと思うほどの轟音と共にエンジンがかかりました。
文字にするとバランバランバランといった音です。
しかも、カムのプロフィールが305°、レンジが3200-7000rpmなので、アイドルバラけまくり、右足がアクセルから離せません。
しかし、なんとか暖気を終え、一度エンジンを停止、エンジン周りを再確認し、再びエンジンをかけ、ゆっくりとレーシングすると…
いい(((o(*゚▽゚*)o)))!!!!!!!!!!!!!
アメ車のレーシングエンジンの音です!
ま、本国出荷前に製作元でエンジンベンチにかけて、そのデータシートももらっていたので、調子いいのは間違いないんだけど…
”こんなに嬉しいことはない、わかってくれるよね、改造車には今しか乗れないから…”
その後細かな修正や、追加加工などの作業を経て、実走となるわけですが、
初めて実際に走行したときはもったいなくて、とてもスピードを出すなんてできませんでした…(^^;)
次第に確認と調整・修正が進むにつれ、未知の領域を求めていくようになるのですが…
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