なぜか、今月(の前半)だけは妙に忙しくて難儀しました。といっても編集時代の忙しさを思えば、何ということはない程度なのが悲しいところ。「フリーランスのヒマ=収入ゼロ」ですから、もっと忙しくなるように頑張らねばなりません。目標は「ビンボー暇なし」……って志が低すぎるってか。
さて、ちょっと古い話で恐縮なのですがゲットナビの仕事でプジョー508の試乗会にお邪魔したときのこと(記事は8月売りの10月号で掲載されます)。個人的に久しく触れていなかった308、それもマイナーチェンジ版が会場に置いてあったので、空き時間に試乗させてもらいました。
308というと、207共々その顔つきに特長がありました。個人的にはファーストガンダムに出ていたジオンのモビルアーマー、ザクレロに似てるなぁ(特に207。つうか、ファーストガンダムをネタにするなんて、つくづくオッサンですわな)……などと思っていて常々妙な親近感を抱いて(何でだ?)おりました。
その「クワッ!」と口を開けた顔が今回のマイナーチェンジで一新。508同様、新世代プジョーに共通するテイストになりました。ブラックアウトされたラジエターグリルは小ぶりになり、バンパー両サイドには流行のLEDポジショニングライトをレイアウト。率直に言ってインパクトは前より薄れた印象ですが、ピニンファリーナがスタイリストをやっていた時代のプジョーが好きなワタクシ的には悪くないと思いました。

で、フロントの変貌ぶりと比較するとリアは地味なのですが、ライオンエンブレムの下にプジョーのロゴを入れたりリアゲートにクロームのトリミングを入れてみたりと、いかにもマイナーチェンジらしい手直しを実施。リア回り全体の雰囲気は、柔和な顔つきになったフロントに合わせ少しだけ丸くなったという印象です。クルマ全体として眺めると、キャラクターラインの類が煩雑な印象もあった従来と比較して落ち着いた雰囲気もあって、これも個人的には嫌いではありません。また、今回のマイナーチェンジを機にラインナップや価格体系も見直しを受け、お買い得感が高められているのもオーナー予備軍にとっては朗報でしょう。5ドアハッチバックに6速MTが残されているあたりもフランス車らしくて好感が持てます。
さて、今回のマイナーチェンジですが中身の方は特に変わっていません 。ただ、308に乗るのは本当に久しぶりだったせいかプジョーらしいドライブフィールが健在なことに改めて感銘を受けました。
特に印象深かったのは足腰の強靱さ。プジョーというと「しなやかな足回り」というのがステレオタイプ的な評価ですが、実のところ、ただしなやかなだけではありません。確かにドイツ系と比較すると路面からの当たりは柔らかい方ですが、足回り自体の剛性感、オーバークオリティ感がハンパではありません。生憎、具体的なデータは持ち合わせていないのですが取り付けマウントは言うに及ばず、アームやダンパーに至るまでの堅牢感は何気なく走らせていても実感できるほど。ちょっとやそっとの強い入力ではビクともしない頼もしさは、プジョーならではと呼べる伝統的美点で、このあたりの味付けは同門のシトロエンと比較しても明らかに異なります。
昔のプジョーは、そんな 頼もしい足回りと比較して骨格自体の剛性感は大したことありませんでしたが、新しい世代ではそれも改善。308もその例に漏れず、結果としてクルマ全体のクオリティが向上しています。今回試乗したのは1.6リッターターボに6速ATを組み合わせた仕様でしたが、シームレスでスムーズなシフトをこなす6速ATにパワフルなターボという組み合わせとあって走りの質感は十二分。個人的な好みで言うと、最新世代のミッションはツインクラッチのDCT派なのですが308に関しては「これもアリだな」と感じました。まあ、そう感じた理由には別にもあったりするのですが、その話については別の機会に……。
ブログ一覧 |
クルマネタ | クルマ
Posted at
2011/08/21 01:29:09